ダーク・ファンタジー小説
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- 僕らの世界征服 【戦慄】
- 日時: 2017/03/30 22:51
- 名前: あぽろ (ID: gbCrg56k)
キャラ紹介>>01
序章 初めの一歩>>02
初の能力系。戦闘シーンとか全く書けないけど読んでください…。僕の切実な願いです。なんかある度ここに書き残します。
とりあえず一話投稿しました…こう見ても改めて文才がないなあって実感します…文才分けてくれませんか?))
- Re: 僕らの世界征服 【戦慄】 ( No.1 )
- 日時: 2017/03/24 22:38
- 名前: あぽろ (ID: PP1uW/O6)
テーマソング:虹色の戦争 カゲロウデイズ
僕らの世界征服 〜キャラ紹介、あらすじ〜
あらすじ
突如異世界から日本へ転生された5人の能力を持った男女達。
その能力は、異世界の「ポップソルト」という生まれつき飲ませられる薬の後遺症であった。
そんな中、渋谷のスクランブル交差点付近にテレポートし、日本の世界征服を試みる。
そんな中、テロ組織や征服を試みる人間達が、渋谷、日本までに集まり、五人達は死の危機を感じた。
キャラ紹介!能力を持った5人の愉快な()仲間達。
一人目
黒神 哲也
悪魔族の一種。闇を操る力を持ち、その闇は強大なパワーを生む。
悪魔館育ち、15歳の男子。何かといじられることが多く、たまに壊れる。
後遺症:能力を維持時間の少なさ
二人目
赤沼 真治
爆発族の一種。火、爆風を操る力を持ち、その爆風は相手に大きな火傷を負わせる。
出身地不明、15歳の男子。黒神をいじることだけが楽しみになっている。
怒ると怖い。
後遺症:元の力は人間並。
3人目
糸蘭 飛鳥
唯一の女子であり、五人の中の大きな戦力の一つ。後遺症はなく、自然能力を持つ。
圧倒的な機動力、運動神経を武器とし、足技を得意とする。弓矢が扱え、いわば何でもできる。苦手なことといえば、人混みらしい。
14歳の女子。
後遺症:nothing
四人目
寺山 遥希
力で押すより頭で押せ。この言葉を言い聞かせられた遥希。
頭脳派であり、自然能力を持つ。パワーはあまりないものの、スピードで相手を圧倒し、じわじわと葬っていく。その頭脳は、人間界の大学にでも余裕で入れるような不思議な頭をしており、眼鏡がトレードマーク。
16歳の男子。
後遺症:nothing
5人目
富也 糶魔
圧倒的な力、スピードと、一見完璧に見えるのだが、自然能力、炎に弱い。
自然能力が多い中では、互角に戦える人物と言える。
魔界育ち、口数は少なく、あまり目立たない存在。
年齢は不明。
後遺症:炎に弱い。
- Re: 僕らの世界征服 【戦慄】 ( No.2 )
- 日時: 2017/03/30 22:49
- 名前: あぽろ (ID: 2bejoTrg)
「…ん………」
寒気混じりの風を肌に浴びて、暫くの沈黙の後石の地面の感触を確かめる。いわばコンクリートというやつだ。
目覚めたその場所は、ゴミ捨場のさらに奥にある路地の中。昼とは思えぬ薄暗さに加え、風まで通す。そしてその小さな声すらも反響してしまうほどの、細い路地であった。
「……っし、」
微かに喉が動くと同時に俺は立ち上がる。手のひらを見つめるとコンクリート跡が赤く残っていた。その凹凸がある小さな穴にはまった石を叩き落し、細い路地の中を通った。
「見えた…!」
目を見開き、自然と光が入る。耳から耳へと流れる人の声。
さっきまでとは全く違う、希望に満ち溢れたような明るい声が、自然と出た。
さっきまでの薄暗い路地に、コンクリート製の地面から抜け、電光掲示板、ビルが立ち並び、心が昂るような街並みに、今ではワクワクするような人混み。
全て、想像通りであった。
「渋谷だ……」
見えた光景をそのまま口に出した。それだけでもまた目が輝く様な気がした。
白い線とコンクリートの地面が交互に並ぶ横断歩道。それと交差点が入り混じった、異世界にはどこを探してもない様な、『スクランブル交差点』。
そして、電光掲示板からはCMが流れ、それも見覚えがないもので、また楽しかった。
「おいっ、黒神!」
そんな俺のご機嫌ムードを、一瞬で壊す様な声音。
勿論聞き覚えがあった。それと同時に、何かを企んだ彼の顔が頭に浮かぶ。
『赤沼』だ。
「なぁ〜に逃げてんだよ…」
背後から聞こえた声はまた嘲笑うようにして聞こえた。
聞こえたというよりは確実だと言っても過言ではない。
「おい…早く来い。みんな待ってるぞ」
そんな中ある意味救いの手を差し伸べたのは、富也だった。
ふと安心した眼中に入ったのは悔しそうな赤沼の顔だった。
血も涙もない奴め。そう目線と聞こえないような声で吐き捨てた。
「さ、揃ったか?」
その声に応えようと声とする方へと体を向ける。
すると見えたのは、寺山。頭脳派でこの中でのリーダー。年上でもあるのが、また頼もしかったのであろう。
「…あれ、飛鳥は?」
寺山の声にまた俺は振り返る。そこにはただの外壁がこれでもかと存在感を放っている。
「…糸蘭なら人混みに耐え切れなくてダウンしてるよ…」
どこかを向いて愛想なく答えた富也。
むしろこれがいつも通りなんかもしれない。誰も動じはしない。
「さて…集合場所にちゃんとついてるか?」
どこかから、空間ではない所から声がする。
でもその声は、どこか安心して、どこか親しみを持てる。
皆は一斉にポーチからスマホを取りだした。
「遅いよ赤沼の兄さん…もう飛鳥がダウンしちゃってるもん。」
俺が助けを求めるようにしていった。でもその表情は笑っていて、何故か安心していた。
「そっか、飛鳥は人混みが苦手だっけ?先が思いやられるなぁ」
スマホからは陽気な笑い声が聞こえる。その呑気さがまた赤沼のいいところでもあった。
「ってめ、うるせぇな…声がでけえんだよ…ちと黙ってろ。お節介野郎が。」
いつも通りの毒舌をスマホの前でもここぞと見せつける真治。
容赦ねえな…俺は諦めつつも心の中で呟く。
「あってめえ、それ言いやがったな?今お節介にならないように気をつけてたんだぞ?てか兄になんだその口の利き方!大体6つも歳が離れてるのにいい加n…」
『プチっ』
途中で会話が途切れたと思うと、スマホの画面が切り替わる。
赤沼の兄の顔ではなく、「通話が終了しました。」と白で書かれた画面だ。
「途中で切りやがった…!?」
「ったく…そういうとこがお節介っていうんだよ…今度会ったら○してやるよ…」
今頃赤沼の兄はそんな辛辣な言葉を言われていることは知る由もないだろうなぁ…胸中察するわ…
「……こんなんで征服出来んのか?…支配すら出来るか不安だってのに」
富也が冷静な分析を入れる。でもストレスに満ち溢れた赤沼を止めることはもう出来ない。一人で人混みの中へと消えようとする。
「ちょ…赤沼!飛鳥もいつまでダウンしてんの!行くぞ!?」
あぁ…こんなんで大丈夫かなぁ…
今頃危機を感じても遅かったのかもしれない。不安は高まるばかりだ。
- Re: 僕らの世界征服 【戦慄】 ( No.3 )
- 日時: 2017/04/30 09:48
- 名前: あぽろ (ID: WcBiLP0T)
「……ったく!どうすんだよ!征服つっても、具体的にどうする…?!」
あれからしばらく経った後、赤沼は今らの疑問を俺たちにぶつける。
答えは導き出せぬまま、ただ俺たちは黙っていることしかできなかった。
まだ人混みは絶えないが、その大声からでも内容までは読み取れないだろう。
まずそもそも、なんで征服することになったのか…。
自分の父は、異世界という『國』の王である。父の指示は絶対だった。
自分も執事や手伝いがいる環境で育ってきた。
だからこそ、こういう人混みは初めて経験する。
そんな父は、誕生日プレゼントのスケールが大きすぎる。
俺が小さな頃は、手紙とかで済ませていたプレゼントも、いつしか大きな規模になっていき…とうとう、今年には日本が欲しいと言い出した。
俺はもちろん反対した。流石の息子でも、日本列島全てをプレゼントするなんて、もはやプレゼントではなかった。
…まあ、さっき言った通り父の指示は絶対。かなり無茶苦茶だが、それで今に至る。
「…取り敢えず、拠点を決めたらどうだ?」
「拠点か…明らかにここには俺たちの敷地はなさそうだが?」
拠点…渋谷は完全な都会で、家を買うにしても金がいる。
周りに山なんか見当たらない。空き家なんてありゃしない。
もしかしたら一生彷徨ってるかもしれない。
「……?」
そんな中、何百人の人混みの中、一際異性を放つ男に気がついた。
気が付いたというよりは、眼に入ったのだ。背は高めで、銀髪で。
その目つきは凍ったような無愛想さで、富也とはまた違う何かを感じさせた。
その凍ったような目は、どこかをじっと見つめている。
その目線をたどると、その先は何でもないビルだった。いくつもの会社が分かれている、そこら中に建つビルを。
「(何をするつもりだ…)」
ビルを見つめている。そんなのは普通で、誰でもしかねない行動だった。
だけど、その仕草は、その手の動きは、何か普通の人間とは違う。何かを悟ったような…少なくとも俺が知っている言葉では言い表せなかった。
その目は、その顔付きは、誰かにそっくりだった。誰か。という特定の人物ではなく、団体、いやそれよりももっと大規模に、……自分の記憶から何かを絞り出す。
そこから導き出した答えは、自分でも信じたくなかった。
それよりも、信じられなかった。
『能力者』だーーー。
そう悟った瞬間目線のビルが頂上から爆発する。
こんなに短く言い表わせるのに、こんなに簡潔に表現できるのにーーー。
どうして、目の前の光景を信じられないのだ。
変わった仕草、その手つきは、全てこのためだった。
「…なんだこれ…!?」
「…一体誰が…」
あいつだ!俺が指さしたところには、もうさっきの姿はない。
どこにも、人混みに紛れたわけでもなく、『消えた』。
「嘘だろ……」
目の前の光景に、消えた能力者。
全てが信じられなくて、後ろに後ずさりながら、絶句した。
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