ダーク・ファンタジー小説

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嘘つき教室 1話
日時: 2017/03/25 10:31
名前: 煮干し卵 (ID: yHU/Lp9/)

私の生きがいは演技だ。
誰だって一度は嘘をついた事があるだろう。私は何百回と嘘をついた。多分死んだら地獄行きだろう。けどやめることはない。どうせ地獄に行くんだったらとことん嘘をつき続ける。自分に何の利益が無くても、誰かを傷つけても。
だって楽しいんだもの。


私には友達が3人いる。多すぎず少なすぎず、丁度良い人数だろう。
天然キャラの雪村茜、リーダーキャラの松本春香、お嬢様キャラの白崎ココロ。
そして明るいキャラの私、穂波由奈。
個性豊かなキャストでしょう?個性の無い人達の舞台はつまらない、個性があるこそ面白い。だからこの3人に近付いた。
そして今日、この舞台は急展開を迎える事になる。

「あれ、茜って今日来てないの?」
さっそく春香が茜がいない事に気付いた。
「そうなんだよねー、メールしても読んでくれないし」
「ズル休みなんじゃないの?」
あーあ、ココロったら友達をそんな風に言ったらダメだよー。本心からそう思ってるかは知らないけど。
すると、教室の前の扉から先生が顔を出した。
「松本、白崎、穂波。お前らちょっと来い」
新しいキャストの登場だ。
「は?なんであたし達なのよ?」
「ココロなんかしたのか?」
「してないわよ!そういう春香こそ何かしたんじゃないの?」
なすりつけはみっともないなー。
「ほらほら、そんなん後でわかる事じゃーん。早く行こー」
私は2人の背中を押して先生の元へ向かった。
よし、台本通りだ。
職員室に着くと、先生はいつもの席に座っていた。
「先生、何の用ですかー?」
「あー…お前ら、雪村に何かしたのか?」
「は?」
春香とココロが同時に言った。ここで同じ事を言わないと怪しまれるから私も言った。
「今日雪村から連絡があったんだ。『友達に裏切られた』ってな。名前は教えてくれなかったが、そのせいで雪村は部屋に引きこもっているらしい。怒らないから正直に言ってくれ、この中で雪村に何かした奴はいるか」
「そんな事する訳ありません!」
私は演技モードに入った。
「私達、すごく茜と仲良いんです!恨むなんて…そんな事する人なんてこの中にはいません!」
ピクッ
2人の肩が少し上がったのを私は見逃さなかった。
「そ、そうですよ!」
「あたし達が茜を裏切る訳ないじゃない!」
うわっ、嘘下手だな。嘘をついてる時の目線、指の動き、癖、自分で気付かないとダメだよ。
「…分かった。けどもし少しでも心当たりがあったらいつでも話してくれ。俺はお前らを信じてるからな」
うーん、先生は私達のこと信じてないな。
先生って嘘をついてる時、絶対ジャージの袖触るよね。
「失礼します」
私達は職員室から出た。
「…ねぇ、茜に何かした事ある?」
ピクッ
あ、また動いた
「…そういう由奈はどうなの?」
「そ、そうよ!由奈は何かしたんじゃないの?」
由奈は?
由奈こそ、って言わないあたり、心当たりがあるのかな。

「うん、したよ」

嘘は大の得意なの。
「…実は私も」
「あたしも…」
ほら、手を加えるまでも無く勝手に白状してくれた。バカだなぁ、こいつら。
「2人は何したの…?」
さて、ここからはアドリブだ。
もっともっと面白くしてね、




茜。


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