ダーク・ファンタジー小説
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- かぞくといっしよ
- 日時: 2017/03/30 01:40
- 名前: にじもち (ID: KQb493NG)
家族が大好きだった。反抗期がなかった。お母さんにお手伝いを沢山した。弟とは時間があればいつも一緒に遊んでた。お父さんが休みの日は一緒にお出かけに行った。全てが全く嫌じゃなかった。いつも家族に愛され、家族を愛してきた。学校では色々と上手く行かなかったけど、だからこそ家が、家族が大好きなのかもしれない。はず、
お父さんとお母さんが離婚すると言ってきた。様々な嫌な予感が頭をよぎったあと結局真っ白になった。あんなに仲が良かったのに何故なのかわからない。私はお母さんの兄の家へ、弟はお父さんの弟の家へ引き取られることになった。今までに感じたことのない感情が湧いてきた。涙が溢れるほど寂しく悲しいけど、何かが違う。世界が終わってしまいそうな気持ちだった。お母さんは言った「明日からもう一緒にいられないけど、皆んなはずっも家族だからね。」暖かい言葉だった。でも、それはもう家族ではないと冷たく離された言葉にも聞こえた。
その日の夜中寝室で私と皆んなが寝ている間、1人静かに起き上がった。起こさないようにそっと布団から出た。歩くときにパジャマの擦れる音ができるだけ出ないよう、右脚右腕、左脚左腕というように脚と腕を出して歩いた。キッチンへ行った。お母さんがご飯を作っている姿が目を閉じればそこにあった。だか目を開けばもうそれは戻ってくることがないと暗いキッチンが私に現実を痛感させた。そんな中、沢山の感情を押し殺して、引き出しから包丁を取り出した。寝室に戻り、徐に、でもどこか少し冷めたようにお父さん、お母さん、弟を殺した。体を沢山傷付けてはいけないので、心臓に一点を絞ってそこを丁寧に刺した。深く重く1回で済む様に。それから、お父さんは左腕、お母さんは右腕、弟からは右脚を丁寧に切り落とした。その後まず自分の左腕を切り落とした。死にそうな位痛くて意識が飛びそうだった。けど、死にものぐるいでお父さんから切り落とした左腕を自分の左腕があった場所に縫い付けた。次に同じように自分の右腕を切り落としてそこにお母さんの右腕を縫い付けた。最後に自分の右脚を切り落として、弟の右脚を縫い付けた。両腕にお父さんとお母さんのをつけたのは、2人がこれからも仲良くいつでも手を繋げれるように。私の利き手の右ににお母さんの腕をつけたのはお母さんの作る料理がこれからもたべれるように。お父さんのを左腕につけたのは左利きのお父さんの大きな手でいつでも私のことを撫でてもらえるように。右脚に弟のをつけたのはいつでも一緒にかけっこで競争できるように。腕も脚も長さが違ってバランスが取りにくかったけどそんなことはどうでもよかった。
これで死ぬまで一緒にいれる。それだけで満足だと思っていた。またあの頃に戻れると思った。でも何故か不思議と幸せだったあのときより満たされているような気がした。
感想や不明な点あれば教えてください。好評ならそれっぽい話また書きます。