ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 記憶ノート
- 日時: 2017/05/01 07:11
- 名前: 白 (ID: /1jhe2RQ)
【プロローグ】
僕が目覚めたのは、1つの真っ白な部屋ででした。
僕はそこで、寝ころんだまま視線しせんをそこらじゅうに回すと、其処には僕とベッドと机と、不自然に室内に繋がる大きなガラス以外、
白しかないのです。
扉も見当たらない。
真っ白い肌と毛を持つ僕と、真っ白いベッド、それと。
ガスマスクをかぶった真っ白い宇宙飛行士みたいな人と。
僕は何か言いたかった。
尋ねたかった。
でも、体は動かなくて、まだ頭はぼんやりとしていたのです。
それで、感覚が少しずつ戻ってきたころ。僕の体が傷ついている事が分かりました。
確かにあったのは、体に何かが巻まかれている感覚。
けれど痛みは自然とありませんでした。
そして僕はまた瞼を閉じるのです。
新たに、腕にぷすりと何か細い物が刺さった感覚を感じながら。
ガスマスクの宇宙飛行士の姿を見ながら。
そして夢へと潜もぐるのです。
———————黒と赤と、いろんな人の声で、綺麗きれいに彩られた夢の中に
(申し訳ございません。多分、載せるところを間違えてしまったと思います…(汗))
- Re: 記憶ノート ( No.1 )
- 日時: 2017/05/10 15:54
- 名前: 白 (ID: /1jhe2RQ)
僕が再び目を覚ますと。其処には何人かの、怖い顔に厳つい体の人が横になっている僕を取り囲み、
僕と同じくらいの年ごろの青年が、僕の事をジッと見つめていました。
青年は悲しんでいるんだろうか?それとも、悔いているのだろうか?僕にはよくわかりません。その眼の、その表情の意味を僕には。
そして僕が見た限り、その人たちに接点が。共通点がパッと見であげられるなら…服…でしょうか。
白い軍服やマント、紋章やバッジを身に付けた人達。
でも僕を見ている青年には、それが少なく。おそらく、それほどの階級ということでも無いのでしょう。僕は何故だか、容易くそう察せました。
僕の居るベッドの隣に座り、周りの人達とは違う眼差しを向けながら、青年は問います。
『…大丈夫か?…覚えてるか…??』
大丈夫?何がでしょうか。
覚えている?何をでしょうか。
僕にはそれすら分かりません。
あぁ…そうだ。僕は怪我をしていたんでした。それでここに居るのですね…。
けれどやはり。不思議と痛みが無いのが、妙でなりませんでした。
多分、それなりの薬が打ち込まれているのでしょう。
僕はこう答えました。
『分かりません。覚えているとは、何をでしょうか?アナタ方…どちら様でしょう?』
目を見開かせた後、力を込めて目を瞑る青年と。ただそれを不思議そうに見つめる僕。
そして揺るがぬ表情をしたお偉い様方。
僕はこの空間すら、不思議でなりませんでした。
ベッドに両手をつき、拳を握る青年は。何故そんなにも、悲しそうなんでしょう?
何故そんなにも、悔しそうなんでしょう?
僕はただ、それをジッと見つめながら。白衣の男性の指示に従って、腕にチューブを刺し、血を入れられるのです。
僕の瞼の裏には、その青年の表情が。ひどく焼きついたような感じがして、心のどこかがもやっとしました。
今はそれを忘れたい、そして。何か思い出せるなら思い出したいと。彼らが去った後ベッドに横になり、また眠る。
瞼の裏は、此処の部屋とも。僕の髪や肌とも違う。白ではなく、真っ暗で。とても落ち着きました。
僕はこうしてまた、夢の中へと落ちていくのです。
1【消失の白】
Page:1