ダーク・ファンタジー小説
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- 黒くて、残酷で、素敵な、おとぎばなし。
- 日時: 2017/05/07 00:37
- 名前: るうみ (ID: PLnfHFFW)
おやおや、あなたも、この図書館に迷い込んできたのですか。
ここは、魔法の図書室。昔から伝わるおとぎばなしが、たくさん、そろっております。
何が魔法かって? おとぎ話の主人公たちの、真っ黒な部分を見れるのですよ。
真っ黒って何だって、聞きたいのですか。
それはですね、見てからの、お楽しみ。
さあ、それでは、おとぎ話の世界を、ご堪能あれーー。
***
初めのおとぎ話の世界 不思議の国の、アリス。
- Re: 黒くて、残酷で、素敵な、おとぎばなし。 ( No.1 )
- 日時: 2017/05/07 00:54
- 名前: るうみ (ID: PLnfHFFW)
あるところに、小さくて、笑うときゅっと細まる目がとってもかわいい、とっても、とおっても、素敵な女の子がいたのです。
その子は、アリスと言い、両親から愛をたっぷりもらって、すくすくと成長していきました。でも、ひとつ、残念なところが。アリスがあんまりにもかわいいので、両親はアリスを甘やかして育ててしまったのです。ですので、十つになる今になっても、わがままで親の言うことを聞かないところは全然治りませんでした。
ある日のこと。アリスは、広大な庭の中心にある大きな木によじ登って、遊んでおりました。いつもお母さんやお父さん、お姉ちゃんから上ることは、危ないので禁止されていたのですが、今はお父さんもお母さんもお姉ちゃんも、アリスのことを見張っておりません。アリスはいけないと分かっていつつ、ついつい木に登ってしまいました。
アリスはいつも不思議に思っていました。なんで大きな人たちは、みんないろいろなことを禁止したがるのだろう、と。
その疑問を解決すべく、アリスは木に登っていました。でも、危険なことはなあんにも、起こっておりません。やっぱり大人って、おかしいわね。危険でもないことを、禁止するなんて。
アリスは木の上から見る素晴らしい景色をしばらく眺めた後、飽きたのか、降りようとしました。
と、アリスは足を幹の出っ張った部分に足を引っかけようとしました。でも、つるり、と滑って、足が下にぶらりとなってしまいました。アリスはとっさに枝をつかもうとしたのですが、手も、滑ってしまいました。頭から下に、真っ逆さま。
「キャアアアアアアアアアアアア」
アリスはもうだめだな、と思い、そっと目を、つぶりましたーー。
「そこで、ジェシカは言ったのです。やさしい母は、母ではない、と。それはただのーー」
目を開けると、お姉さんが隣で、難しそうな本を読んでいるのではありませんか。ああ、さっきのは夢だったのね。アリスはほっと胸をなでおろしました。
アリスはつまらないなあ、と思い、お姉さんの向こうに目をやりました。するとそこには、大きな時計を持った白兎が、どこかに走っていきます。
「おもしろそう!」
白兎のほうに走り、ウサギが飛び込んだ穴に入っていきますーー。
***
アリスが行った不思議の国、というのは、あれは架空の国ではございません。
アリスが、世にも楽しいと思える、まさに「天国」といえるような場所です。永遠に刺激を得られ続ける、まさに、アリスの幸せの、不思議な、不思議な、不思議な国ーー。
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