ダーク・ファンタジー小説

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死神と謳われた人間
日時: 2017/05/16 23:23
名前: ジョッキー (ID: vKo2Fmoq)

死神と謳われた人間

みんなは死神を信じるだろうか。
これは僕が中学3年までに経験した悪夢の話だ。
僕の名前は椎名 塊。塊とかいてかいと呼ぶ。僕はただの平凡な人間に生まれたはずだった。生まれたかった。僕が物心ついた頃には最低でも親戚には人間扱いされていなかった。
あれは僕がまだ保育園の年長の頃だ。
「わーい!!ゆーえんち!!ゆーえんち!!!」
僕は両親と一緒に休みの日を使い遊園地へ行った。僕は両親と一緒の時間を過ごすのが少なかったからとてもはしゃいでいた。駐車場で車から降りて僕は母の手を取り入場口に向かった。
「ほらほらかいちゃん。そんなに急がなくてもいいのよ。」
母はいった。それが最後の言葉になった。
いきなり横から猛スピードで接近してくる車が見えた。その直後母は僕を庇って車にはねられた。
「マ、ママ...?」
幼き頃の僕は何が起きたかわからなかった。ただ強く抱きしめられていたことは覚えている。すぐに父が来て警察が来た。母をはねた車の運転手は覚せい剤を使い精神が不安定であり正常な判断ができなかったからこの事故が起きたと言われた。母は死んだ。
父は決して僕のせいにはしなかった。
だがその父も3年後に僕と一緒に外食した帰りに工事中の空から降って来た鉄骨にあたり父は死んだ。
僕は親戚に引き取られた。その親戚には2人子供がいた。僕とその子たちはすぐ仲が良くなった。僕が小学卒業のとき、屋上で小学のことを話し合った。僕の小学の屋上はいま金網の修理中で入れなかった。その子供はその金網に寄りかかった。そして僕が足を滑らせその子を押してしまった。
その子は死んだ。僕が殺した。そう思った。親戚には激怒され家を追い出された。そんな僕を気に思ってもう1人の子供が僕を慰めに来てくれた。僕は河原で途方に暮れていた。
「かいちゃん、かいちゃんは何も悪くないよ。おれもね?悲しいけどかいちゃんが気に詰めることはないよ。」
僕はその言葉に慰められた。そこでこのブルーな気分を晴らそうと水切りをしようと河原の下に降りた。
「あぶないよかいちゃん」
と注意されたが無理に僕は連れて来た。
そしてその子はバランスを崩し川に落ちた。僕は何もできなかった。後日その子が死んだと伝えられた。

Re: 死神と謳われた人間 ( No.1 )
日時: 2017/05/16 23:01
名前: ジョッキー (ID: vKo2Fmoq)

僕は中学に入り極力人と接すのを避けた。もちろんアルバイトもできなかった。その時の僕は自分と深い関係を持ったものが死んでいくことに気がついていた。
当然のことだが、僕に話しかけてくる子もいた。僕は全部を無視した。それからと言うもの気味が悪いと無視されたり、陰口や物がなくなるといういじめを受けた。しかし僕は誰にもいうことはなく、いじめにも次第に慣れて来た。暴力こそ受けなかったが、いままで僕のせいで死んでいった人たちへの罰なのだろうと思えばなんだか平気だった。中1の冬、肉体的ないじめを受けるようになった。先生もそれには気付くものの、僕は「なんでもない、平気です。」とだけ答えた。ある日僕のことをかばってくれる奴がいた。
「ちょっとやめないか!君達いつもいじめをしてるけどいじめられる側の気持ちを考えたことがあるか!?」
そんな言葉で僕をかばってくれた。
しかし僕は
「なんでもないから、いちいち構わなくていいから。」
とそいつに向かっていった。
さしたらそいつは
「僕は君のことを助けたいんだ、髪が僕に話してくれるまで僕は君を守るし、君に話しかけるさ!」
と言った。
それから何日も何日も話しかけては僕をいじめから守り3ヶ月が過ぎた。
あるあさ
「君はどうして誰とも関係をもとうとしないの?」
と尋ねられた。僕は何故かそいつに期待を抱いていた。どうにかしてくれるのではないか。こいつは別に死なないのではないか。
「実は...」
僕は全てを話した。
「そんなことがあったんだね...でもきにすることはない!そんなの偶然さ!君の両親や親戚の方には申し訳ない言い方だけど、君は悪くないよ。それは事故だったんだ。」
それから色々と話した。僕にとって友達というのは久しぶりなものだった。
「これで僕たちは友達だな!!よろしく!!」
「とも...だち。」
不思議な響きだった。
しかし翌日。そいつはいじめをかばったせいで新しいいじめのまとにされた。僕は
「やめろ!!!」と全力で叫んだ。そうしたらいじめてる奴らはこう言った。
「お前が助けてさえもらわなければこいつはいじめの的にはならなかったんだよ。」
僕は唖然とした。僕のせいでこいつがいじめられてる。そう思った時だった。悪魔のような考えを思いついてしまった。
「僕のせいで...」
僕はこの自分が持つ力を使ってやろうと思った。
「お願いがあります...僕があなたたちのいうこともなんでも聞くという関係を結びます。殴られ役もやります。だから、こいつだけは、見逃してください。」
「かいくん!そんなのダメだ!僕の力でどうにか...」
「君が、僕を助けてくれたように、僕が君を助ける!」
「仲良しごっこかよ、でもまあいいか。かい、今言ったことはぜったいだからな?」
僕は頷いた。
それから地獄と呼べよう時間がやって来た。1日に何度殴られただろうか。1日に何度ものを捨てられただろうか。1日に何度汚れ役をしたのだろうか。もう数え切れないほど僕の奴隷ともいえる行為はあった。
関係を結んでから5ヶ月たったときだった。ニュースで交通事故で僕が通ってる中学校のいじめっ子全員が車にはねられ死んだそうだ。すぐにわかった。僕をいじめていたやつらは全部で4人いた。しかしそのニュースでは5人の子供が死んだと書かれている。僕はその時はまだ何も知らなかった。
翌日学校でいじめっ子たちが交通事故で亡くなったと先生から告げられた。そして、そのいじめっ子たちを轢いた車は僕の友達の家族の車だったそうだ。父親の前方不注意で子供を轢いたあと、慌ててブレーキとアクセルを間違えて踏み電信柱に激突。エアクッションは付いていたみたいだか僕の友達のところだけ壊れていたようで、電信柱に激突したとき頭を強打し亡くなったと告げられた。
ぼくと関係を結んだやつは全員死んだ。

Re: 死神と謳われた人間 ( No.2 )
日時: 2017/05/16 23:18
名前: ジョッキー (ID: vKo2Fmoq)

まさか友達の方まで死ぬとは考えてもいなかった。しかしよく考えれば僕は予想できたことなのだろう。
そのとき改めて確信した。僕はやっぱり人をしに導く能力がある。死神なんだ。
僕は先生の話が終わったあと大声で叫んでいた。
「ああああああ!!!僕のせいだ!!」
みんながギョッとした。
「僕が、僕が殺したんだ。僕のせいで死んだんだ。僕が僕が僕が僕が僕が!!!」
僕は叫んだ。
「ぼくの力でいじめっ子たちを殺そうと思った!なのになんであいつまで死んでしまうんだ!!!偶然とか言ってたじゃないか!!いや僕が悪いんだ...!僕が甘かったんだ。今までだって何人も死んで来たのを見たじゃないか...!!それなのに今回は助かるとか思ってしまって。甘かったんだ甘かったんだ甘かったんだ!!!ごめんごめんごめんごめんごめん」
僕はひたすら叫んだ。
それからだ僕が死神と呼ばれるようになったのは。中学のこの事件があったあと僕に力なんてないと言って近づいたやつもいた。僕の心はもうその時には死んでいた。
「じゃあ、何かしら関係を結ぼう。そうすればいい君は僕の力がわかるよ。」
僕はその時、あいてに死ねと言っているのと同じことをしていた。
そうやって関係を結んだやつは全員死んだ。オカルトに興味がある奴らはこのことを、[死神の祭り]というらしい。中学卒業後、高校へは行かなかった。親が残した財産を使ってなんとか生きた。だけど今こう思う。なんで生きてるんだろう。
そう思った。
なんでもっと早く気づかなかった。
僕が死ねば誰も死なない。
最低でも僕と関わって死ぬものはいなくなる。
この話は僕の思い出話、そして遺書にあたるものだ。
これを書いて今から死ぬとしよう。
僕は世界を破壊してしまうかもしれない。人類を滅亡に導くかもしれない。だから今から死のう。
僕は死神。生まれた時からずっとそうだった。僕は死神と謳われた人間だ。


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