ダーク・ファンタジー小説
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- 空の中
- 日時: 2017/05/22 22:28
- 名前: ano (ID: fnEXgJbc)
私が、自分が「おかしい」と自覚したのは、いつだっただろうか。
中学の教室、もうすっかり暑くなり、エアコンをつけないとやってられないような日。それは、いつもと変わらないただの教室。テスト真っ最中のクラスからはカリカリと文字を書く音が聞こえる…
陸奥空。それはテストの答案用紙に書かれた私の名前だ。陸奥とかいてみちのくと読むのが、未だに理解できずにいる。「りくおくじゃん。」
1人呟き窓の外をみつめる。特に窓の外に何かがあるわけでもない。
けれどそれ以外になにもすることがないのだ。空には。
空は、人よりも勉強が得意だった。テストの簡単な問題。なぜクラスメイトが問題に苦戦しているのか全くわからない。なぜ。
空は多々このように他者と自分との差の理解に苦しみ悩んでいた
- Re: 空の中 ( No.1 )
- 日時: 2017/05/23 00:07
- 名前: ano (ID: fnEXgJbc)
そーらーちゃん♪
簡単なテストをこなし、休み時間。廊下から空を呼ぶ声が聞こえる。廊下の方へ目を向けると
「やっぱり…」
そこには幼馴染の姿があった。
名前は飯田 優花。いつも一緒に登下校している。
優花は家が近く、母親同士が仲良しだったため幼稚園から今に至るまで同じ場所で過ごしてきた。だから、優花は空を友達だと思っている。
空には、友達がいったいなんなのかわからない。いったいどこから友達と言うべきなのか、なんの条件をクリアすれば友達になるのか、友達はずっと友達なのか、そもそも友達がいることにより、得はあるのだろうか…
- Re: 空の中 ( No.2 )
- 日時: 2017/05/23 00:12
- 名前: ano (ID: fnEXgJbc)
そんなことを考えつつも、応答をする。
「なんの用?」
自分でもびっくりするぐらい険のある言い方になってしまった。
言い方の冷たさに、一瞬周りがしんとなったが、すぐにいつものガヤガヤとした騒がしい教室へもどる。空は考え事をしてる時には、いつもこんな風に冷たい言い方をしていることが多い。自分でしようと思ってしているわけではないので厄介だ。
ただ、優花は持ち前の天然というか、空気が読めないと言うべきか、あのね〜と甘えた口調で喋り続ける。おおよその話の予想はついていた。この口調で休み時間。きっと次の授業の教科書でも忘れたんだろう。仕方のない子だ。幼馴染でもなければ関わることもなかったであろう人種だ。しかし優花の口から出たのは空の予想とは異なるものだった
- Re: 空の中 ( No.3 )
- 日時: 2017/05/23 12:28
- 名前: ano (ID: fnEXgJbc)
「私ね、彼氏ができたの。だから、もう空ちゃんとは帰れませーん!」
「…」
なんだそれ。彼氏?彼氏ってなに?
一緒に帰れなくなった事実にショックを受けるより先に、彼氏ってなんだ??という思いが湧き上がってきた。
「なにそれ。」
あぁまた冷たい言い方に。
「だーかーらぁ!彼氏できたから帰れないの!一緒に!」
ちがう。そうじゃない。そんな事を、聞いてるわけじゃ…
「じゃあ、そういうことだから!」
優花はそう言い放ち自分の教室へと戻って言ってしまった。優花は最後、すこし苛立っていらように見えた。なぜ?私は、怒らせるようなことを言ったのだろうか?怒らせたかったわけじゃないただ、彼氏がどういうものか、知りたかっただけなのに…
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