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ダーク・ファンタジー小説
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- あやとり。
- 日時: 2017/08/22 12:11
- 名前: さくらみち (ID: PLnfHFFW)
あやとり——殺めて、取る。
欲しい、欲しい——。貴方の『命』が欲しい。
貴方達の『命』が、たったそれだけが、私の心を満たす——。
ねえ——、もっと、ちょうだい——?
- Re: あやとり。 ( No.1 )
- 日時: 2017/08/31 01:20
- 名前: さくらみち (ID: PLnfHFFW)
——とても幼い頃だった。くちがやっときけるようになったぐらいの時だと思う。
私は□□と○○と、山道を走っていた——。
「○○? どこに行くの?」
「□□の□□と○○のおうちに行くのよ」
「そうだぞ」
「□□にも○○と□□がいるの?」
「もちろんだ」
「ふーん、じゃあ○○の、□□と○○は、どこに住んでるの?」
「茨城、っていうところなの」
「□□は○○の□□と○○にあったことがある?」
「あるぞ、綾香も昔あったけど、覚えてないかぁ」
「そうね、だって□□、あの時綾香はまだ三か月ぐらいだったのよ、覚えてるわけないじゃない」
——タヌキ、タヌキがいる。
暗闇の先に、二つの青白い目。車が走る方向によちよち歩いてきてる——。
「□□! タヌキさんが……」
鮮やかな赤色。美しい赤色、自然の色——。
もっとも、当時の私としては、その赤は恐怖の色であったが。
結局タヌキは、土に埋められた。□□が埋めた気がする。だって○○はそんなことできないもの。
私がこの赤に恋をするのは、まだまだ後の話だ。
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