ダーク・ファンタジー小説
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- 転生者が増えたのでぶっ×(ペケ)します
 - 日時: 2017/09/02 23:58
 - 名前: 悪童子 (ID: 0K0i.3Zc)
 転生者が増えてしまい、世界が崩壊寸前となる。
その世界を救済する方法……それは『間引き』であった。
間引きしようにもこの世界に転生した者達は様々な異能・権限を持って生まれ落ちてしまっており、この世界の住人では勝てない。
故に、神々は1人の男に『転生殺し』の異能を授けた……
- Re: 転生者が増えたのでぶっ×(ペケ)します ( No.1 )
 - 日時: 2017/09/03 00:33
 - 名前: 悪童子 (ID: 0K0i.3Zc)
 「……臭え、何だこの臭え話は……面白くねえ!」
バンッ! と机に思いっきり本を叩きつけた黒いスーツ姿の……それこそ堅気ではない雰囲気を醸し出したこれまた黒縁の眼鏡を掛けた男が怒鳴り声を上げた。
「如何したマキナ? 随分と不機嫌になったじゃないか」
「如何したもこうしたもあるか……似たり寄ったりの話ばかりで! 俺みたいな読者を満足させられると思い込んでるのが鼻持ちならねえんだよ!」
此処はとある小さな事務所、当然ながら男・マキナは其処に所属しており、マキナは読書と散歩が趣味である。
しかし、最近買っては読むライトノベル作品が似たり寄ったりである事に憤慨しており、この通り不機嫌になっているのだ。
「……今のマキナは機嫌が悪いな、今日の所は仕事を切り上げて、久し振りに家に帰った方が良いんじゃないか?」
「専務……いえ、しかしそれは……」
「此処には若い衆もいる。 あまり怖がらせちゃ仕事にならんだろ」
「……うす」
ガチャガチャ、と自分の荷物を纏めて無造作に鞄に入れると、「先上がります」とだけ言ってから事務所を出た。
外は雨が降っており、傘を差している人々が多い。
マキナは傘も差さずに帰路へ着き、先程のライトノベル作品を思い出し更に不機嫌な表情になった。
(違う……違う違う! なんて無駄が多い! もっとしっかりした構想で作るべきだっただろう、要らない要素を詰め過ぎだ!)
これならば未だ児童向けのアニメの方が面白いだろう、そんな失礼な事を思いつつ信号を待つ。
ざあざあと降り続く雨を見上げ、ぼうっとしていた。
……その時、背中に鋭く冷たい何かが感じた。
「あがっ、ぐぁ……」
「……若橋組のマキナだな? 此処で死んでもらうぞ、悪く思うな」
刃物が背中に刺さり、その場で崩れるマキナ。 背中を刺した男は悠々と青になった歩行者信号を歩き、その場を去った。
(何だこれ……俺は、何を何処で間違えた……)
遠くなる意識、微かに聞こえる人の叫びとサイレンを聴きながらマキナは意識を手放した……。
……次に目を覚ましたのは、荒野だった。
- Re: 転生者が増えたのでぶっ×(ペケ)します ( No.2 )
 - 日時: 2017/09/08 23:10
 - 名前: 悪童子 (ID: v2BiiJyf)
 「……何処だ此処は?」
突然荒野に放り出されたマキナは、先ずは自分の体が無事か確かめた。
確かに背後から刺された筈が、そんなものがなかったかの様に痛みもなく刺し傷もない。 取り落とした鞄は無く、恐らくは自分が確かに死んだ場所に置き去りにされているのだろう。
そんな事を考えながら、カサ、と音を立て指先に触れた何かを取る。
ポケットから出てきたのはしわくちゃの手紙で、マキナにはこの手紙に心当たりはない。
何の手紙かと思い封を開け、文を読み上げた。
「『錦 マキナ様へ……』」
『錦 マキナ様へ
このお手紙を読んでいるという事は、『異世界』へと転生出来たという事でしょう。
実は訳あって貴方様には彼方の世界で死んでもらい、こうして異世界に連れて行かせてもらいました。
早速ですが本題を言いますと、様々な世界線の神の不手際によりこの世界には転生者が溢れてしまい、あと数ヶ月でこの世界が滅びると思われます。
しかし、この事を他の転生者に話したところ僅かな数しか聞き入れてもらえず、仕方なく『この世界を脅威から守って下さい』とだけ申し上げ野放しにしている状態で御座います。
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