ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 真相は闇の中に
- 日時: 2017/09/11 22:02
- 名前: ポテト (ID: vKo2Fmoq)
〜注意〜
・この物語はフィクションです。
・クトゥルフ神話TRPGを基盤に作っています
・オリジナル作品なのでクトゥルフ神話TRPGと異なる部分も出てきますがご了承くださいませ
完結させるように頑張ります
- Re: 真相は闇の中に ( No.1 )
- 日時: 2017/09/11 22:31
- 名前: ポテト (ID: vKo2Fmoq)
連続殺人とはなぜ起こるのか。私は私なりの結果を出して見た。
1 精神障害
2 ストレス発散
3 興味本位
4 復讐
5 誰かに命令された
大まかな5つの項目を上げた。しかし私は6つ目の項目を今回の事件であげることになる。
今から10年前私 狭間 晋平(はざま しんぺい)はとある交番に配属された。笹角交番。それが私の奇妙な体験の始まりだった。
「晋平君、今日も平和だねぇ」
「呑気なこと言ってる場合じゃないですよ!中里先輩!」
この男は中里 悟(なかざと さとる)、俺と12年歳が離れている。小学校の時この男に出会い、この男の目指すものに憧れて警察官になった。
「晋平君は活気盛んだなあ」
「この町は平和かもしれませんが!それはおもて面だけで裏面にどんな事件が起こってるか!」
その当時、初めての交番勤務にあたった俺はやる気満々だった。
「まあまあ、落ち着けって。この町は平和、問題があってもどうせ道に迷ったとかだよ。この町迷路みたいだからね。まあ?僕くらいの長い勤務なら?この町くらいは網羅してるよぉ」
相変わらずゆるい人である。歳を重ねるたびなぜこの男に憧れたのかわからなくなってくる。
「あのぉ...」
そこで1人サッカーボールを持った少年が訪ねてくる。
「隣町へ戻るにはどうしたらいいんですか?」
中里先輩が、ほら迷子だろ?とアイコンタクトをしてくる。
「えっとね、これをこう行ってここ曲がるの。わかった?」
「わかりました!ありがとうございます!」
子供が行くと中里先輩は推理を始める。
なぜかいつも誰かしらがくると帰った後推理を始める。
「ふむ、まずあの子は隣町からの客人である。そしてあのボールだが、あれは隣町のクラブチームのものだ。」
「隣町からなぜここへ?」
「練習試合ではないだろう。1人で行動できるはずない。そして、あの少年迷子になっても冷静にこの交番を見つけ帰る道を得た。彼の親御さんは彼を信用してるのだろう。そして、信用が高く子供に自由なことをさせるのはゆとり世代のものではない。それ以前の人間の教えだ。ここから言い出せることとは...」
「こと、とは?」
息を呑み聞き入る。
「彼は将来大きな人になるに違いない!」
ついキョトンとしてしまう。よく考えれば推理しているが、そこまで大したものでもないしあってるかもわからない。
「はあ、それだけ...ですか」
「それだけとは失礼な、僕は大探偵だぞ?」
「は、はぁ」
そんなやりとりをしていると大きな声で交番に入ってくる女性がいた
「助けてください!!」
「なんでしょうか!」
「あの、あの...」
「はい!」
「晋平君?落ち着こうか。後そこのお嬢さんも」
「「あっ、すいません」」
つい事件かと思い張り切ってしまった。
「えっとですね、愛犬のラッキーが...」
「ラッキーちゃんですね?探しましょう。だいたい検討はついてるので」
え?と言わんばかりの顔をとる女性そして俺
「晋平君、君の出番だよ」
「え?どういうことですか?」
「君は、オモテ面のウラに事件があるというじゃないか。今回のこの事件犬の失踪の後大きな事件にぶつかるよ」
「大きな事件..!」
「えーっとね、その大きな...」
大きな事件ときいてたってもられなくて交番を飛び出た。女性もあとをついてきたがそのとき、先輩が何か言っていたが聞こえなかった。
「はぁ、晋平君は人の話を聞かないなあ。とりあえず、寝るかあ」
- Re: 真相は闇の中に ( No.2 )
- 日時: 2017/09/14 21:43
- 名前: ポテト (ID: QnSr3K5Z)
「ハァ...ハァ...」
勢い良く走り続けてしまったために息がもつれる。
「あの、大丈夫ですか?」
この女の人は全く疲れていないようだ。
「え、ええ。大丈夫ですよ」
「それなら良かったです」
そういえば、先輩は検討がついていると言っていたけど自分にはさっぱりなことを今更気がついた。
「あ、えっとですね。あの、大変言いづらいのですが僕にはさっぱりで...」
申し訳なさそうに話を切り出すと、相手は大丈夫ですよと言わんばかりの笑顔を見せてくれた。
「すいません...」
「えっと、じゃあおまわりさん。私と一緒に探しましょう。一度戻るのも時間の無駄ですし...」
「そうですね。えっとあの、僕狭間晋平っていいます。あなたのお名前は?」
その質問に相手は答えようとしなかった。
不思議には思ったがプライバシーなので、言いたくないんだなと察した。
「あ、すいません。失礼でしたよね。プライバシーですもんね」
「あ、いえこちらこそすいません」
少し気まずい雰囲気になってしまった。そうすると唐突に女性が変な話をし始めた。
「おまわりさんは知ってますか?この町の怪奇事件って」
「いえ、僕はこの町来たばかりなのでわからないですね。わかることと言ったら一応この町の地図くらいですが」
「そうですか」
沈黙が続く。先ほどまでの明るい雰囲気は消えて行き、不穏な空気が漂う。
「こっちにいるかもしれませんよ、おまわりさん」
そう言われついて行く。ある通路に入って行くと、先ほどの話を始める。
「おまわりさんって、この町の怪奇事件知らないんでしたよね」
「あ、はい」
「お話ししますよ」
「え、ではお願いします」
その女性は話しはじめた。この町の怪奇事件について。
「今から、11年前です。最初の事件が起きたのは。この町で月に一度人間の変死体が見つかるんですよ。」
「それは、恐ろしいですね」
「でしょう?ちょうど今月が11年目なんです。今までに死んだ人たちは131人。それも全部極悪人ですよ。それも法で裁けない極悪人」
そんな偶然があるわけないと言おうとしたら、先にそれを言われた。
「そんな偶然があるわけない。そうみんなは思うのです。しかし、この町は複雑にできている。なぜこんなにも複雑にできているんでしょうね。だからそれを利用する輩が多いんですよ。逃げやすいですからね」
「しかし、交番勤務の先輩がそれを逃がすわけありません!」
「どうでしょう?そもそも警察に気づかれない方が多いのでね」
話をしていると急に広いところへ抜けた。
そして、抜けた瞬間に空からベチョという音と同時に犬の頭が降ってきた。
「!?」
とても驚いた、空を見てみると何もない。まるでそこから現れたかのように突然目の前に犬の頭が降ってきていた。
「ああ、そして言いましたよね。月に一度人が死ぬと。その変死体には共通点がありまして。その変死体すべて、首と胴体が切断され、顔には笑顔をうかべ」
死んでいるんですよという言葉が続きそうな台詞だったが、それは遮られ目の前にいる女性の頭が飛んだ。
ベチョという音とともに落ちてきた頭は元の形を崩すことなく笑顔をうかべ死んでいた。
- Re: 真相は闇の中に ( No.3 )
- 日時: 2017/09/21 19:43
- 名前: ポテト (ID: vKo2Fmoq)
「う、うわああああああああっ!」
目の前で人が死んだ。それも異様な形で。
吐き気がするがそれを必死で抑え込む。
「ど、どうする…」
おちつけ、おちつけと自分に言い聞かせる。
「とりあえず先輩のところへ…」
戻ろうとしたが、本能がここを調べろと告げる。
「そうだ、調べなきゃ…先輩には無線で連絡を取ろう」
持っていた無線を使い、中里に至急来てもらうように頼んだ。
「さてと、まずは死体からだよなぁ…」
死体に近づく。死体を見ると満面の笑みを浮かべ頭と胴体が離れている。
「うわ…」
また吐き気がしてくる。
「こらえなきゃ…ところでこの死体なんでこんな笑顔ができるんだ?死後すぐには硬直はそこまでしてないからもっと口元が下がってるはずだけど…」
そんな考えことをしていると背後からズルリという音が聞こえた。
「なんだ!?」
慌てて振り向くとそこには黒色をした液状のなにかがうごめいていた。
確認しようと一歩踏み出すと、それは壁にあった亀裂に入り込みどこかへ行ってしまった。
「なんだいまの…」
それと同時に中里が到着する。
「ハァ…ハァ…」
「先輩!」
「何があったか説明してくれ!」
晋平は今までに起きたことを正確に話した。黒色の液体のことを除いて。
「なるほど、奇妙だ」
「ですよね、この死体…」
晋平の言葉の続きを遮り中里は話し始める。
「違う。それもそうだが、この女性事態が奇妙だ」
「え?」
「説明しようか。僕はこの町に長年勤めている。そして僕はこの町を知り尽くしている。ご近所付き合いがいいという意味でも」
「どういうことですか?この町を知り尽くしている?」
「ああ、この町は複雑なだけで道さえ覚えていれば半日かからないで回ることができる。それを何年も続ければ…」
「なるほどぉ…この町の住人に覚えられるということですね。そしてついでに場所まで把握できると」
「そうだ、そしてこの女性は僕が知らない人物だ。新しく入ってきた人ならば交番へ来たとき真っ先に聞くことはこの町はどういう構造をしているのかということだ」
晋平は中里の推理に聞き入る。
「だが、違った。愛犬を探すために交番へ来た。つまりこの町にいることを知っていた。この町にいるのがわかっているということは、この町の複雑な地形もわかっているということだ」
「え?しかし、慌ててたので愛犬を優先したとか…」
「それはない。愛犬がどこかへ行ったのならば君が話したことと矛盾が生じる」
「矛盾ですか?」
「ああ、途中君はこの女性に道を案内されたのだろう?それはつまりこの町を知っている。しかもこの空間、僕が知らなかった場所もね」
「それでは女性はいったい何者なんですか?そしてこの場所はどこなんですか?」
「女性は僕らの町の人間ではない、そしてここは僕らの町じゃない」
驚きが隠せなかった。そんなのありえないと思った瞬間、女性の死に方を思い出しそれはありえないと思いこんでいるだけであって、本当にありえないことではないということを思い知らされた。
「それでは、この女性はいったい…」
「この女性は明らかに若い、ここであげられる結果としては…」
「結果としては…?」
「この女性には廊下の傾向が一切ない。完全に10代の容姿である。つまりは何らかの方法を使い若さを維持していて、僕が務める前にこの町を離れ今戻ってきたのが一つ。そしてもうひとつ」
「もうひとつ?」
「僕らの町の人間ではないといったね?」
「え…?まさか…」
「そうだ、こいつは人間じゃない。この世にいてはいけない生物」
「怪物だ」
- Re: 真相は闇の中に ( No.4 )
- 日時: 2017/09/21 20:07
- 名前: ポテト (ID: vKo2Fmoq)
「怪物ですって…?」
「ああ、若さを維持するのは無理だ。老化を抑えることはできるが老化を止めることはできない。これはとても現実的じゃない」
「しかし、怪物という方が現実的でないのでは…」
このとき、晋平はもう一度思い知らされた。ありえないことが起きてしまうという事実を。
「仮にこいつが人間で若さを維持しているのならば、それこそこいつは人間じゃない」
「なぜですか?違法薬物や、世間に公表されてない科学的なものかもしれません」
人間ではないということを否定したかった。この現実に思い知らされながらも脳が拒み続けてしまっている。
そんな考えさえも無駄だと思わせるような言葉を中里が発する。
「この世にそんな物や方法は存在しない。いくら脳をだましたところで完全に老化を停止することはできない。仮にできたとしても体がもたない」
晋平はこの非現実的な事実を受け止めるしかなかった。
「先輩」
「どうした?」
「この怪奇事件ですが…」
「他言無用だ」
中里はそれだけ言って死体を調べ始めた。
晋平はどうすればいいかの判断ができなく、その場に呆然と立っていることしかできなかった。
しばらく時間がたつと、死体を調べていた中里が突然声をあげた。
「なんだこれ?」
中里のつけている手袋に黒い液体が付着していた。
「あ、それはあのときの…」
晋平は中里がくる直前にみたあの黒色の液体を思い出す。
「晋平君何か知ってるの?」
「え、ええ。先輩がくる直前にあそこの亀裂の場所に黒色をした液状の何かが…」
それを聞いたとたん中里の顔が蒼白になる。
「な、なぜそれを先に言わなかった!!」
「え?」
晋平は中里の怒鳴りと焦りを初めて見た。
「今すぐここから逃げるぞ!」
「どういうことですか!?」
「はやくっ!」
中里は晋平の手をつかみ来た道を戻る。
何事もなくいつもの見慣れた風景の町へ戻ってこれた。
「「ハァ…ハァ…」」
二人とも息を整えるまでに時間がかかった。お互いに落ち着くと中里が話し始める。
「あ、あれはとても危険だ…よく生きて帰れたものだ…」
「だから、どういうことですか!?」
「…」
中里は黙ってしまう。いつもより深く考え事をし、事の深刻さが伝わってくる。
「説明してください。俺だって警察の端くれです。事件があるなら解決する。そのための情報は聞いておく必要があります」
「だめだ。話せない」
「なぜですか!?」
中里はこの件についてまったく口を開こうとしない。
「この事件は危険だ。危険すぎる。僕たち人間がどうこうできる問題じゃない」
「え?人間じゃ、解決できない…?」
また沈黙がおとずれる。
人間では解決できない、というまたもや非現実的な事に向き合い晋平は混乱する。
「とりあえず帰ろう。今日のことは忘れるんだ」
「そんな…」
交番への帰り道に晋平は何か心に違和感を覚えた。
(何か、何かがおかしい)
「晋平君。今日はもう帰っていいよ。そして体をゆっくり休めて、今日のことを忘れるんだ」
その言葉にうなずくことしかできなかった。
Page:1