ダーク・ファンタジー小説
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- もしも、息子が死んだら?
- 日時: 2017/10/04 15:26
- 名前: 穴の穴 (ID: x84wZqnr)
朝起きると、息子がいない。
ああ、そうだ。友達の家に泊まりに行くと言っていたんだ。
きっと今頃、友達と仲良く遊んでいるだろう。
………
遅い。もう午後の7時だ。さすがに警察に連絡しようか?
いや、きっと友達のお母さんから連絡が来るはずだ。
きっと、遊ぶのに夢中になりすぎて、時間のことを忘れていたのだろう。
そうだ。そうに決まっている。
……………
なぜだろう。連絡は来ないし、何かがおかしい。
やはり警察に連絡しようか?
事故にでも遭ったのではないか?
誘拐されたのではないか?
………………
警察はやめよう。友達のお母さんに連絡すればいい。
……………
電話に出てくれない。
やはり警察に連絡しようか、と思ったその時、友達のお母さんが出てくれた。
「はい、なにか用ですか?」
普通に喋っている。やはり事故などではないようだ。
「あの、うちの子が帰ってきていなくて……、今日の午前までそちらにいらしたんですよね?」
返事がない。電話越しでよく聞こえないが、誰かと何かを話しているようだ。
しばらくして、やっと返事がきた。
「あの〜、すみませんが、息子さんは来てませんよ?」
「え?」
「うちの子に聞いてみたんですが、息子さんとそんな約束はしてないみたいで……。」
「………そうですか、わかりました。」
なにかがおかしい。ああ、そうか。電話番号を間違えたのでは?
連絡網を確認したが、やはり番号は間違っていなかった。
「は…ははは…ははは…」
私は混乱してしまった。
そうだ、警察に連絡して、捜索願いを………!!
……………
「すみません!うちの子がいなくなってしまって……!!」
「ああ、ちょっと待っててください。」
警察の人も、なにやらコソコソ話している。
しばらくして、返事がきた。
「まずはご自分で探してみてください。そこら辺にいるかもしれませんよ?」
そうして電話は切れた。
「なん……でよ……」
夫は4年前に亡くなっている。頼りにできる人は誰もいない。
「………自分で探そ……」
……………
しばらく歩くと、道の隅で泣いている男の子がいる。
「まっ、まま〜〜ぁ、ままぁぁぁ〜。」
だが、自分の子どもではない。
「あっ、あのっ、たすけて…くださいぃ!!」
自分の子どもじゃなければ、助けても意味がない。
子どもを蹴り飛ばして、先に進んだ。
しばらくして、血まみれの男の子を見つけた。
だが、また自分の子どもではなかった。
「たすけてくださいっ!狙われてるんです!!」
自分の子ども以外に用はない。
その子どもを蹴り飛ばし、私は進む。
自分の子どもを見つけるまで。