ダーク・ファンタジー小説
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- 少女と不思議な10コのリボン
- 日時: 2017/10/16 17:33
- 名前: 雪原みっきい (ID: 9Urj1l4Z)
prologue
私はどこにでもいるような女の子—花畑亜純。
正直、厄介ごとには首を突っ込みたくない平和を愛するタイプ。
だからたまに思う。
何が正義だ、何が悪党を倒すだ、結局そんなことすのは利益がほしいからだ。
テレビのヒーローアニメだって空想の物語。
小さい子に嘘を教える、駄目なアニメ。
だってそうでしょ?
小さい子はまだ何も知らない。だから空想の世界に入り込んでしまう。
そしてこうなる—「僕、地球を守りたい、ヒーローになりたい!」と。
かつて誰もが憧れた、なんてのはまったくもっての迷信。
私は昔からヒーローアニメなんてばかばかしいと言い続けてきた。
幼稚園のときだって、ほかの子が目を輝かせてアニメを見ているとき、
私は一人違うテレビでニュースを見ていた。
「何が面白いのよ、アニメなんて。ニュースの方が絶対知識が身に付くのに。」
と独り言をつぶやきながら。
本当は羨ましかったんじゃないかって?ふざけないで。
あなたたちはヒーローになれるって本気で思ったことがあるの?
本気で思った人、いるはずよね。
だってこんなくだらない質問を投げかけてきたんですもの。
地球なんて守れない、いや、地球はもともと守ることなんてできない。
今は二酸化炭素が増え続けて地球温暖化にまでなってしまっている。
そうしたのは誰?私たち人間でしょ?
人間なんて地球環境を変えようというどころか地球を壊そうとしている。
火力発電で二酸化炭素が出ると分かっていてでもやめようとしない。
なんで?便利だから。
こんな人もいるでしょ?
私は死んだら絶対天国に行く!だって嘘つかないもん!
は?馬鹿じゃないの?
嘘なんて息をするように言ってるじゃない。
人類には嘘をつかない人なんて一人もいない。そうでしょ?
私の理論は絶対あってる。外れるはずがない。決して。
prologue END
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第一話 scrapbook〜ribbon〜
私はある日、地下室でスクラップブックを見つけた。
リボンの写真が貼られていた。
不思議と見入ってしまうようなリボンだった。
そうしてパラパラとめくって見ていると、急に風が吹いてスクラップが舞った。
私はあわてて拾おうとするとスクラップは逃げるように窓から外へ飛んで行った。
私はふと、手に持っているスクラップブックに目を落とした。
そこにはこう書かれていた。
リボン達を目覚めさせし者よ、
リボンを捕まえ、箱に封印せよ
さもなくば、そなたが不幸になるであろう
どういう意味よ、と呟きながらブックを閉じた。
地下室を出た後も最後の一行が頭から離れなくなった。
「さもなくば、そなたが不幸になるであろう、か・・・」
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第二話 亜純と音楽のリボン