ダーク・ファンタジー小説
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- 天才病
- 日時: 2017/10/17 23:09
- 名前: 夜桜 (ID: EOhOGqBm)
「…自分が、わからないの…」
- 天才病 ( No.1 )
- 日時: 2017/10/17 23:41
- 名前: 夜桜 (ID: EOhOGqBm)
「長瀬。」
「はいっ。」
今回もいい、と満足そうな顔をわざとらしくして席へ戻る。
今まさにテスト返しの真っ最中。クラスの皆がうるさくて名前が聞こえにくいがそんなことをいちいち口に出すようなキャラじゃない。
そう、私はしっかり者の優等生キャラ。こういうのって自分で言うものじゃないと思うんだけど。
実際そうだし、別にいいじゃない?うん、大丈夫。なんて自問自答していると、
トンッ
「なーがーせ。」
私、呼ばれた?
「おい、長瀬ってば、聞いてんのかよ。」
慌てて振り返ると彼は少し不機嫌そうに、
「何点だったんだよ。」
と、聞いてきた。
彼の名は浜辺 夏樹。浜辺はどうやら私のことを呼んでいたようだった。このクラスには長瀬という名字が私を含め、2人いるのでどうも分かりにくい。
「あ、ごめん。長瀬さんはもう1人いるから気づかなくって。」
「そんなことどうでもいいけど、何点?」
「100て…」
「まじかよ…長瀬にはかなわねぇわ、ほんと。」
「あはは、そんなことないよ。」
と、否定はするものの浜辺が私にかなわないことくらいとっくに知っている。彼の頭の良さは認めるが私ほどではない。
「あ、怒られちゃうし席に戻ったら?」
「そうだな、じゃな。」
「うん。」
ふぅ、とため息をつく。
浜辺は普通にイケメンという部類にはいる容姿だろう。スポーツもそこそこできるみたいだが、頭の中は勉強のことばかりなのでハッキリ言ってしまうと優等生としか話そうとしないのだ。
私はそんな、秀才でイケメンな彼に毎日話しかけられるのは好きではない。理由は簡単。女子の視線が痛いからだ。別に私は浜辺には全く興味はないので勘違いされては困る。ましてや、優等生キャラの私が男たらしだ、などの噂を流されては困る為できるだけ浜辺とははなしたくないのである。
まあ、1番避けたいのは陰口女子達との衝突だが。
私、長瀬実咲はこんなかんだで色々な、悩みがあるのであった。
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