ダーク・ファンタジー小説

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便利屋死神の依頼録
日時: 2017/11/11 07:42
名前: 山桜 (ID: 1866/WgC)
参照: http://灯籠と篝火

part1 その公爵、誕生。
ある日、
ある者の、
処刑が行われようとしていた。
その者は今までに、
星の数ほどの人を殺した。
その者の死を、
ある者はその場で、
ある者は己の家で、
ある者は友と、
ある者は家族と、
様々な関わりを持つ者、場所で。
全世界は待ち望んだ。
「罪人、名を述べよ。」
その者は、ギロチンの前で、ぐったりと立っていた。
「名を、述べよ。」
長い、白い髪から、大きく、紅い瞳を覗かせて、その者は答えた。
「私は‥‥‥」
その者の名は、
「私は、リア・ミラティアだ。」
その者の名は、リア・ミラティア。
ありきたりな表現で、
その者の異名は、
〝死神〟。
「罪人、リア・ミラティアを、斬首の刑に処す。」
男が述べる。
それと同時に、歓声が巻き起こる。
その様子に、何故か、その者は微笑む。
「罪人、前へ出よ。」
その者は、前に何歩か歩む。
その、目と鼻の先には、ギラギラとした鈍い光を放つギロチン。
しかし、その者は笑みを絶やさない。
「首を入れよ。‥‥‥‥‥‥これから、大罪人リア・ミラティアの、刑罰を執行する。」
また、歓声が飛ぶ。
様々な罵倒の語彙が被せられる中、その者は尚も微笑み続ける。
「最後に、言い残すことは?」
男が問う。
その者は、少し首を傾げてから、言った。
「無い。」
そう言い終えると、首をギロチンの中に入れる。
次に、手を入れる。
そんな中でも、微笑む。
「刑罰を、執行せよ!」
男が手を振りかざす。
この男が、手を振り下ろすと、ギロチンの刃が落ちる。
しかし、何処かで声がした。
「さようなら、貴方達の命。」
その声の方向には、黒い帽子に、藍色の短い髪を肩に垂らした、シックなドレスを身に纏う、大きなバッグを持った少女。
「せめて、ご冥福をお祈りいたします。リア・ミラティア。」
少女が次の言葉を紡ごうとした時、男の手が振り下ろされる。
その刹那、その者は言った。
少女が紡ぐ言葉と、重なるように。
「「愚かな者に、裁きを。」」
ギロチンの刃が、その者に当たるその瞬間。その者は消えた。
困惑する、周りの民衆。
しかし、すぐに考えは閉ざされた。
視界が暗くなったからだろう。
‥‥‥‥‥‥きっと、目が覚めたら、そこには川が三本、美しく水が流れてるのだろう。
数分が立つと、そこに残されているのは、
その者、少女、そして、一人残された記者。
「‥‥‥‥‥世に、伝えろ。」
そして、さらに言葉を紡ぐ。
〝私は、死なない〟
〝私は、いつもお前達のそばにいる〟
〝誰よりも、お前達が最初に出会い、最後に会う者〟
〝私が、生ける者すべてに贈る、たった一つの〟
〝贈り物を〟
〝お前達は、拒めない〟
〝知れ〟
〝私は、死神〟
〝冥府に住まい、魂を狩る者〟
〝私は、死神〟
〝お前達の命は〟
〝いつも私の、手のひらに〟

「‥‥‥‥長い口上は終わりましたか、リア。」
「ダリア!」
パッと、その者‥‥‥‥リアの目が輝く。
「服!男物の貴族の服がいいな。」
「‥‥‥今度は誰になるんですか?」
少女‥‥‥‥‥‥ダリアは、うんざりとするように問う。
「そうだなぁ。ヒルサはもう使えないし、ハバキマも‥‥‥」
「いっそのこと、また作ったらどうです?」
「珍しいね。いつもは無意味に増やすなというのに。」
「今回は無意味ではありません。」
「そう?なら、遠慮なく。」
そういうと、姿が変わる。
白い長い髪は、前髪は少し目にかかるほどの、後ろ髪は肩までの長さに縮む。
白い髪から、薄い緑に色が変わる。
身長は伸び、175㎝くらいだろうか。
顔つきは、好青年に。
「どう?ダリア。」
「悪くはありません。それでは、最後に名前を。」
「名前かぁ‥‥‥‥‥適当でいいよね?ベトロン・バキラス。」
「本当に、適当ですね。まぁ、いいんじゃ無いですか?では、英国政府の情報に、バキラス公爵として、情報を入れておきます。屋敷は調達済みです。」
「仕事が早いね。感心する。」
「では、まず、屋敷にご案内します。」
そうして、赤い舞台から、二つの影が降りた。


はい!どうもこんにちは!
初めましての方は初めまして!
旧コメディで〝陰陽師の女〟を連載中の、素人作家。山桜です!
ダーク・ファンタジーでいいのかな?と思いつつ、陰陽師の女とは、がっつり系統が違うので、とりあえずのような感じでここに分類しました。
便利屋死神の依頼録。
いかがでしたでしょうか?
まだ、全然本編には入っていませんが、続きが気になる!と思ってくださったら幸いです。
これから、様々な出来事が起こります。
しかも、この作品。
〝陰陽師の女〟と違って、全然原本はできてませんので、色んなことを起こるのは決定なんですが、まだまだ先の展開が、作者でもわかりません。
なので、リア・ミラティアの素顔を、皆様と一緒に探していこうと思います!
今日はこの辺で閉めさせていただきます。
それでは!
「ご閲覧ありがとうございました!」
次回!part2 その公爵、断る。
明後日投稿予定だよ!

便利屋死神の依頼録 ( No.1 )
日時: 2017/11/12 09:47
名前: 山桜 (ID: oN2/eHcw)

part2 その公爵、断る。
「帰れ。」
「帰りません!」
「帰れ。」
「帰りません!」
二人の男が睨み合う。
その様子に、ハァ、とダリアはため息をつく。
「‥‥‥ベトロン、何がそんなに嫌なのですか?」
「つまんない。面白くない。小生に得がない。以上!」
「貴方は何に面白さを求めてるのですか‥‥‥?」
おどろおどろしく、ダリアは問う。
「発音がおかしいよ?ダリア。まぁ、それはともかく、つまんないんだよねぇ。あと、小生に得がないじゃん。」
「私には得があります。貴方が仕事を引き受けさえすれば、お金が入ります。十分な得です。」

そのダリアの言葉に、青年が頷く。
「そうですよ!何がつまらないんですか!?俺を裏切った友人を殺してくれ!」
「それだよ。」
「へ?」
変な声を出す。
「ハザギ・ラナイン君。裏切られただけで、何故、人を殺さなきゃいけない?」
「だけって‥‥‥貴方、その裏切りがなんだと思って‥‥‥!」
「小生は殺し屋じゃない。〝便利屋〟なんだ。出来る限りの仕事はするが、君のはほとんど、君の逆恨みじゃないか?恋人を取られて、お金を騙し取られただけだろう。」
「それがどんなに辛いか!?貴方にわかるんですか?」
「分からない。分かりたくもない。裏切られた程度で、人を殺さなきゃいけない理由はない。」
「黙っていればいい気になりやがって‥‥‥金ならある!引き受けろ!」
「断る。」
ベトロンの服の胸ぐらを掴み、殴りかかる。
しかし、それより先に、ダリアがベトロンに鉄拳を下した。
「イダァ!」
「引き受けなさい、ベトロン。お金は、余裕があるに越したことはないんです。」
「‥‥‥‥‥‥はい。」
渋々、承諾する。
「ハザギ・ラナイン君、料金は一千万ドル。」
「ハァ!?」
「金がないのなら帰れ。」
「一千万ドルって‥‥‥ふざけてんのかテメェ!」
「小生、ふざけてなどいない。ふざけているのならお前だ。命は金では買えない。それを、金で解決してやろうと言うのだ。なんの代償もなく、願いは叶えられない。」
もっともな正論に、口を塞ぐ。
「‥‥‥‥‥‥金を揃えて、また来る。」

「ベトロン、貴方、ひねくれてますね。」
「そりゃあそうさ。もう一件、殺しの依頼があるんだ。やっぱり、便利屋から殺し屋に変えるか?」
「勝手にどうぞ。」
そう言いながら、背中を丸くして歩くハザギをダリアが見下ろす。

はい!どうもこんにちは!
素人作家の、山桜です!
いかがでしたか?
では、登場人物紹介をさせていただきます!
リア・ミラティア
・天才
・神ってる
・馬鹿
・阿保

はい、こんな感じですね。
矛盾してますが、こんなもんです。
聡明な天才と、馬鹿は紙一重ですからね。
ダリア
・謎に包まれている。

終わり。
少ないですが、ここでは、開かせる設定しか言えないので、こんなもんです。
今後、ダリアが話の肝になってきます。
ハザギ・ラナイン
・わかんない

分かりませんね。
と言うか、リアとダリア以外、モブだと思ってるので、そもそも設定を考えてません。
ま、少ないですが、ここで終わろうと思います!
それでは!
「ご閲覧ありがとうございました!」
次回!part3 Assassinとtarget
明後日投稿予定だよ!
〝陰陽師の女〟もよろしく!

Re: 便利屋死神の依頼録 ( No.2 )
日時: 2017/11/18 16:17
名前: 山桜 (ID: ZFblzpHM)
参照: http://灯籠と篝火

part3 Assassinとtarget
足を組み、目の前に出された札束を眺める。
「‥‥‥五百万ドルだ。なんとかこれで手を打ってくれ‥‥‥。」
「金が足りないではないか。小生、一千万ドルと言った。‥‥‥それとも、何かの冗談か?」
「内臓を売った。」
胸を押さえながら、ハザギは言う。
「‥‥‥フム。」
「肺を一つ、肝臓、腸を四分の一、血を限界まで‥‥‥。」
「分からんな。そこまでして、こんな男を殺す意味がわからん。」
「だから俺は‥‥‥。」
「命は変えられん。命と命でもない限りな。」
そして、ベトロンはハザギの胸をトンとつく。
「代金は、この金と、お前の心臓だ。」
「なっ‥‥‥。」
「どうせ、もう死期が近いんだろう?ならば、小生に殺されろ。」
頭を抱え、俯く。
そして、決したように頭を上げた。
「それでいい。あいつを、殺してくれるなら。」
「ならば、死ね。明日、小生に殺されろ。」
「‥‥‥‥‥‥分かった。」
「では、依頼に関する問いをする。送りたい花はあるか?」
「花?」
「小生が殺す前に、その花を渡す。」
そして、そばにあった花言葉の辞典を渡す。
「決めろ。そして、明日死ぬときに、その花を一輪もってこい。どの様に殺すのかも。」
ハザギは頷き、辞典を持って屋敷を去った。

ハァ、とダリアはため息をつく。
「どうしたんだい?ダリア。」
「いえ、うまくもう一つの依頼を達成したと思いまして。」
その言葉に満足そうに頷き、頭をトントンと叩く。
「ここの出来が常人とは違うからね。」
「関係ないでしょう?貴方は、あの人のご友人と、臓器売買の業者に成りすましただけじゃないですか。」
「しょうがないだろう?そうでもしないと、ここまで誘導できないんだから。」
ベトロンは、もう一つの依頼をを受け持っていた。
それは、ハザギ・ラナインの殺害。
依頼主は、ハザギが殺してくれと依頼してきた、ロン・アルバート伯爵。
彼は、親を彼の父に殺され、その恨みの末、ハザギの会社と恋人を奪った。
その上、殺そうとするのだから、その恨みの深さがうかがえる。
互いに、殺そうとし合っていたのだ。
故に、ベトロンは、まずはハザギを殺そうとした。
ロンからの花は、〝スノードロップ〟花言葉は、『貴方の死を望みます』。
この花言葉になるのは、贈り物としたとき。
そして、ハザギを殺すときの〝テーマ〟は、『苦しみ』。
だから、まずは自分から苦しみに陥る様、わざと高い金額を言った。
誰かに金を借りるのを見越して。
そして、友人を殺害し、その人物になりすます。
そこで、借りるのを断り、臓器売買の存在をほのめかす。
食いついてきたら、そこの電話番号を教える。
ハザギと別れた後、臓器売買の業者になりすます。
そこで、すぐには死なない程度に、臓器を取り出す。
そして、金ができ、苦しみながら屋敷に来る。
全て、ベトロンの思惑どうりだ。
「フッ、しかし、やっぱり小生天才!」
「ベトロン、寝言は寝て言ってください。」
その辛辣な言葉を気にせず、ベトロンは続ける。
「あいつ、小生との関係を、Assassin(殺し屋)とidiom(依頼主)だと思ってた様だが、飛んだ思い違いだな。」
「target(標的)‥‥‥でしょう?」
問うダリアに、満足そうにベトロンは頷くのだった。


はい!どうもこんにちは!
平和主義者で、素人作家の山桜です!
part3 Assassinとtargetいかがでしたでしょうか?
危なく、タイトル詐欺になるところでした。
そして、閲覧回数二十回突破!ありがとうございます!
これもひとえに、読者の皆様のおかげでございます。
それでは!
「ご閲覧ありがとうございました!」
次回、part4 死せる二人に添える花
明後日投稿予定だよ!お楽しみに!


便利屋死神の依頼録 ( No.3 )
日時: 2017/11/18 16:12
名前: 山桜 (ID: ZFblzpHM)
参照: http://灯籠と篝火

part4 死せる二人に添える花
次の日、ハザギは草花を持ってベトロンの屋敷に来た。
「‥‥‥二つ?何故だ。」
「片方は、ロンに。もう片方は、死にゆく俺に。」
「柿と、月桂樹の花か。分かった。お前の望むとうりにしよう。」
そう言われ、ハザギは目を閉じる。
「柿の花言葉は、〝美しい自然の中に私を埋めて〟か。らしいな。」
「その枝で、私の胸を一突きに。」
「最後に問う。殺す時の、テーマを。」
「テーマですか。」
目を閉じたまま、言葉を並べた。
「意外だな。小生は、〝残忍〟や、〝残酷〟とかを想像した。」
「俺からの、最後の贈り物だ。それくらいはしてやらないと」
「勘違いするな。小生からの、贈り物だ。お前は、ただのidiom(依頼主)だ。」
「なんでもいい。」
心残りがない。とでもいうように、フッと息を吐く。
「行くぞ。」
枝を構え、狙いを定める。
そして、最後にこう、呟いた。
「さらばだ。偉大なる、Avenger(復讐者)よ。」
その言葉を告げ終わると、枝を突き刺した。
血しぶきが飛ぶ。
とても、派手に。
ベトロンに返り血はもちろんつき、
ダリアの頬にも、数滴の雫が飛ぶ。
ハァ、とダリアはため息をつく。
「他の場所でやってくれればよかったのに‥‥‥。掃除が大変じゃないですか。」
「‥‥‥‥‥‥」
無言で、ソファに寝転がる。
「寝ていないで、さっさともう一つの件を終わらせて来てください。」
「やはり‥‥‥慣れぬな。」
「何がです?」
「ハーピー(愛し仔)を殺すのは。他のモノと違い、嫌な感触が残る。」
「‥‥‥当たり前です。人間ではない、あなたが、唯一苦しめる事柄です。」
ベトロンは立ち上がり、スノードロップをそっと添える。


ロン・アルバートの屋敷
「報告に来た。ハザギ・ラナイン。殺害完了。これにて、お前との関係を白紙に戻す。」
ニコニコしながら、ベトロンの前に座る男が答える。
「はい、ありがとうございます。」
「しかし、お前も大分恨みが深いな。それでこその、Avengerだな。褒めてやらんでもない。」
そう言いながら、月桂樹の花を出す。
「なんですか?その花は。」
「もう一件仕事があってな。」
「それはそれは、ご苦労様です。」
「さようならだ。ロン・アルバート。」
「へ?」
ベトロンは顎に手をかける。
そして、その手を引いた。
緑の短い髪から、銀色の長い髪が現れる。
身長も一気に伸び、190センチほどに。
しかし、胸には膨らみが存在し。
瞳は二重で、らんらんと光っていた。
「どうだね?ロンくん。」
「美しいですね。次の仕事は、そのお姿で?」
「そうさ。女型なのに、タキシードだ。」
確かに、銀髪とは対照的な黒いタキシードを着ている。
ベトロンにしては、タキシードなんて、珍しいと思ったものだ。
さらに、シルクハットまで被っている。
「それでは、次の仕事もお気をつけて。」
「気をつける?そんな必要ないさ。」
「何故です?」
「ここで、終わるからだ。」
そういうと、いつの間にかに持っていた、大きな大きな鎌で、ロンの首を飛ばした。
そして、月桂樹の花を添える。
月桂樹の花の花言葉は、〝裏切り〟。
「ーーーー彼のテーマは、〝格好良く〟」
そして、天井を見上げる。
「二つの仕事は完了!」
そして、その鎌で、天井を壊す。
高いジャンプで、天井の穴から抜け、屋根に乗る。
そして、大きな声で、こう叫ぶ。
「ladies and gentleman!boys and girl!」
シルクハットをかぶり直し、長い髪を、簡易的に後ろで一つに結わえる。
「さぁ!蒼い月の光の下!せいぜい眠れよ!?人間ども!」
そして、ペロリと、己の唇を一舐めする。
「死の聖夜の、始まりだ!」
そう、大声を出すと、屋根を降りる。

次の日の新聞の一面は、〝死神、アメリカに現る!〟だった。


はい!どうもこんにちは!
反暴力反対派の、素人作家、山桜です!
いかがでしたでしょうか?
死せる二人に添える花。
添えたのは、〝あなたの死を望みます〟と、〝裏切り〟。
どちらも、本心から芽生えた結果です。
そして、最後の一文。
死神、現る!
でしたね。
まぁ、それは次回までのお楽しみ!
それでは!
「ご閲覧ありがとうございました!」
次回!part5 金と愛を選ぶ意味
明後日投稿予定だよ!お楽しみに!
あと、英文は、女性に男性!少年に少女!です。(多分‥‥‥。)



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