ダーク・ファンタジー小説
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- 虚実遊戯
- 日時: 2017/12/03 01:56
- 名前: うるふ (ID: KE0ZVzN7)
うるふという者です。以後お見知り置きを。
第一作の今作のテーマは、一言で言えば人狼ゲームです。
嘘つきを暴くという従来の人狼ゲームが、更に複雑化したのが今作です。人狼ゲームとは全く別物になっていると思ってもらって構いません。
作品を始める前に注意書きをしておきますので、そちらの方をお読み頂けると嬉しいです。
初作品なので不安な点もありますが、最後まで頑張ろうと思います。それでは、嘘と血に溢れた醜い遊戯にご招待します。
†注意†
∮誤字脱字多いと思います。ある意味一番ホラーです。
∮普通に人死にます。もし気に入ったキャラができてもすぐに死ぬ可能性大なのでこの作品ではキャラを好きにならない事をオススメします。小説の大前提を否定しているような気もしますが。
∮今作品は、誰がどのような役回りなのかが最初から決まっています。もし良ければ誰が嘘つきなのかを考えながら読んでいってください。めんどくさいと思う方は別に良いです。読む気無いという方はどうぞブラウザバックを。(読んでくれる方いるんですかね……)
∮不定期更新です。失踪はありません。〈〈〈多分〉〉〉
∮コメントしてくれたら嬉しいです。もう注意書きじゃないですねこれ。
∮以上の事を踏まえて今作品をお楽しみ下さい。面白さは保証できませんが……。
†目次†
†お知らせ諸々†
- ∮ハジマリ ( No.1 )
- 日時: 2017/12/03 14:53
- 名前: うるふ (ID: KE0ZVzN7)
「お前が嘘つきだったのか……」
うるさく降る雨の音にその声はかき消された。
壊れ、崩れ、瓦礫だけが残ったその場所で、誰かは叫んだ。
今はもうこの場にいない、誰かを思い出して。
「どうして……平然と人を殺せた!?」
叫ぶ先にいるその人物は、口を開かない。
届かない叫びは、雨に再びかき消される。行き場のない怒りは、その場に残り続ける。
流される事の無くこの世に残り続ける彼らの生きた証──血は、悲劇を物語っていた。
二人だけが残ったその場所は、かつては多くの人々がいた。
騙し合い、嘘をつき合い、それでも確かに生き続けた。
その時間は儚く、そして美しかった。
今となってはもう、ただの記憶でしかないが。
嘘と血にまみれた醜い遊戯は。
真実と愛に溢れた美しい現実だった。
始まりは、全てあの時から。
思い出そう。この虚構と現実が混ざり合った日々が始まった、あの日を。
- ∮一章 ( No.2 )
- 日時: 2017/12/05 16:10
- 名前: うるふ (ID: KE0ZVzN7)
記憶が曖昧だ。
正確に言うと混乱している。
黒髪の青年──氷室月咲は、見知らぬ一室で目覚めを遂げた。
白い壁で囲まれた、ベッドと机だけが置かれた正方形の部屋。ドアの様なものだけが、外と通じる手段だった。窓や通気口は一切存在しない。
何故この様な状況に置かれているのか思い出そうにも、眠りに落ちる前の記憶が思い出せない。いや、存在しない。
過去一日分の記憶が、ごっそり脳から抜かれた様な気分だ。
誘拐や拉致といった犯罪に巻き込まれたか、それとも記憶が存在しない間に罪を犯してしまい捕まっているのか。今の状況を説明できる仮説は二つ存在した。
前者の場合は命の危険がある。後者の場合は──考えたくもない。
とりあえず今は行動を起こさなければ。
突然の事態に、驚く程の冷静さで判断を進めていく月咲。
その脳裏によぎるのは、懐かしき家族との記憶か。愛しき友との時間か。
否。そんな記憶も時間も、氷室月咲には存在しない。
『全員が目覚めた。これよりチュートリアルを開始する。部屋の扉を解錠する為、直ちに部屋から出て中央広間へと集まるがいい。場所は、各自机の上に置かれているスマホのマップで確認するように』
部屋の天井に設置されていたスピーカーから、無機質な機械声が聞こえた。
言われた通りに机の上を確認すると、そこには確かにスマホが存在した。
地図アプリが一つだけ入っているスマホを手に持ち、月咲は部屋を後にした。
何が起こっているかは分からない。だが、分からないまま止まっていても意味が無い。
今はとにかく、行動しなければいけない。
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