ダーク・ファンタジー小説
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- 戦神乱火
- 日時: 2017/12/09 13:29
- 名前: 匿 (ID: KE0ZVzN7)
天正10年6月2日。この日、魔王と恐れられた織田信長は本能寺でその生涯を終えようとしていた。
炎に包まれる中、信長は一人何を思ったのだろうか。
それは、共に本能寺で命を落とした森蘭丸にも、謀反を企てた張本人明智光秀にも分かり得ぬことだった。
1431年5月30日。この日、聖女と呼ばれ人々を救ったジャンヌダルクはその身を焼かれていた。
聖女と呼ばれ奇跡を起こした彼女が何故死ななければいけないのか。
それは、後のフランスの王シャルル7世にも、異端審問にかけたピエール・コーションでさえも、分からなかった。
歴史は常に謎で溢れ返っている。
それは、誰の記憶にも残っていないからだ。残っているのは信じ縋るしかない、記録だけだ。
もし過去に記録とは違う何かが起こっていたとしても、それを確かめる術は人間には無い。
そう。これは、記憶にも記録にも残らなかった、誰も知らない不思議と神秘に溢れた一つの歴史。
誰も信じない、誰にも分かってもらえない、たった一つの奇跡。
物語は、信長とジャンヌダルクが出会いを果たす事から始まる。
* * *
初めまして。匿です。
歴史モノを書きたいけど、バチバチの能力バトルも書きたいなー。戦国だけじゃなくて色んな時代も書きたいなー。
そんな願いが詰まったのがこの作品です。まあ、ごちゃ混ぜになってます。
まぜるな危険を混ぜ合わせたような作品ですので、恐らくですがほぼ確実に駄作です。それでも読んでくださるという方がいらっしゃったら、感謝の気持ちでいっぱいです。
長話になる前にこの辺りで切り上げます。それでは、戦神乱火をよろしくお願いします。
* * *
〜目次〜
〜お知らせ〜
〜執筆開始〜
2017年12月9日。歴史には残りません。
〜執筆終了〜
不明。歴史に残るはずがありません。
- 戦神乱火 ( No.1 )
- 日時: 2017/12/11 18:35
- 名前: 匿 (ID: KE0ZVzN7)
〜序章〜
「ここまで、か」
燃え盛る炎に囲まれ、織田信長は一人立っていた。
いずれこうなる事は分かっていた。しかし、出来る事なら天下を手に収めてから死にたかった。
それももう、叶わぬ幻想と化してしまったが。
「光秀、天晴ぞ。だが、余の体は誰にも渡すわけにはいかぬ」
そう言って手に取ったのは、火薬が詰め込まれた爆弾だ。
体に括り付け、火薬に火をつけた。
自らを裏切った重臣、明智光秀を思い出しながら。
「クックック。こうして生涯を終えるのも、また一興」
炎が立ち上がる本能寺において、織田信長はこうして生涯を終えた。
その様子を遠くから眺める人物が一人。
謀反を起こした張本人、明智光秀だ。
その瞳に炎を映しながら、彼はその光景を目に焼き付けた。
「どうだぁ?復讐に成功した気分はぁ」
突如隣に赤髪の男が現れた。
肩に手をかけられながら聞かれた光秀は、落ち着いた声で言った。
「復讐などではありませんよ。これは誰かがやるべき使命なのです。その役目がたまたま私に流れてきただけですよ」
「けっ。相変わらず食えない男だなぁ」
「貴方こそ、私の計画に手助けをしたではありませんか。いまだに私はその理由が分からないのです」
「理由かぁ。そうだなぁ、それこそ復讐と言ったところかなぁ」
「そうですか。何はともあれ、手助け感謝します」
暗闇の夜を照らす、憎悪の炎。
二人はその炎を見つめ続けた。
これで終わりではない。ここから始まる全ての為に。
「そんじゃ俺は行くぜぇ。またなぁ」
「はい。本当にありがとうございました──」
去って行く男を横目に、光秀はその名を口にした。
「《軻遇突智》様」
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