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ダーク・ファンタジー小説
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- 夜桜
- 日時: 2017/12/12 16:30
- 名前: カリン (ID: 9RGzBqtH)
- 参照: http://karinkaririn.yozakura
森の奥深くに、古い神社がある。
たいして大きな訳でもなく、有名な訳でもない。
いつ、誰が、どのような理由で造ったのか…全ては謎に包まれている。
その神社の境内には、大きな桜の木があった。
その桜は、夜こそ最も美しく咲き乱れる。
平安の、どこまでも続く紺の空。
儚く、美しく舞う桃色の花弁。
空に浮かぶ、美しい月。
————————————————それはそれは、息を呑むほど美しい。
これは、桜の木の下で出会った、妖と人の子。本来出会う事のない二つの話である。
- Re: 夜桜 ( No.1 )
- 日時: 2017/12/12 17:07
- 名前: カリン (ID: 9RGzBqtH)
- 参照: http://karinkaririn.yozakura
—桜子side—
【死にたい】
この言葉が、私の頭の中をかけ巡る。
気の赴くままに足を進め、森に入った。
「こっちへ来るな!鬼!」
「お前など、産まれてこなければよかった。」
「生きる価値もない。」
「死ねば良いのに…」
周りの誰からも必要とされない。
私には、いる価値がない。
こんな自分大嫌いだ。
私は、目と髪が碧い。
そのせいで、私は生まれたときから、『忌み子』、『鬼の子』と呼ばれた。
目の前を、薄桃色の花弁がよぎった。
驚いて顔を上げると…一人の少年が立っていた。
幼いが、整った顔立ち。銀色のふわふわした毛が風になびく。
私と同い年くらいだろうか?
神職のような服を着ている。気づくと、私も、さっきまでのボロボロの服から、巫女のような服に変わっている。
男の子がこっちを向いた。
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