ダーク・ファンタジー小説
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- 片手にナイフ、足元に君
- 日時: 2017/12/25 18:06
- 名前: なこと (ID: 57S6xAsa)
少年が1人、部屋の隅に座り込んでいる。少年は、年齢は15、6ぐらいで、襟足の長い、漆黒の髪をもっていた。それに、美しい容姿をしていた。少年の顔は、人形のように美しく神秘的だったが、その顔からは、感情というものがごっそり抜け落ちているようだった。
その少年がいる部屋には窓もなく、コンクリートが打ちっぱなしになっていた。
『武器を装備してください』
部屋の上に設置されているスピーカーから、無機質な音声が流れた。少年は、音声が流れると、ゆっくりと身体を起こし、部屋の中央に置かれていた机に歩み寄った。机の上には、ありとあらゆる武器が揃っている。サバイバルナイフ、ピストル、マシンガン、ショットガン、ボウガン、手持ち爆弾、地雷、毒ガスが入った容器、日本刀もちゃんとある。
少年は、サバイバルナイフとピストル、手持ち爆弾を3個選ぶと、左腕についている腕時計のようなものを操作した。すると、サバイバルナイフとピストル、手持ち爆弾はその腕時計に吸い込まれるように消えた。
少年がまた、腕時計を操作すると、少年の白いシャツとズボンというみすぼらしい格好が、軍隊の兵士が着るような迷彩柄の制服に変化した。
「……準備完了」
少年がそう言うと、突如、何の変哲もなかった壁が鉄の扉へと変化した。
『扉のロック解除まで、5、4、3、2、1……扉を開けて、フィールド【炎の森】へ降り立ってください。制限時間は2時間です。』
少年は扉を開け、燃えさかる森へ一歩踏み出した。
2時間後、フィールド【炎の森】には10以上の無残な姿をした人間と、無傷なままの少年、霧江剣斗がいた。
『勝者、霧江剣斗サマ、以上1名。』