ダーク・ファンタジー小説

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東奔西走、魔術師少女
日時: 2018/03/28 09:46
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

夜、魔術師(見習い)の桜風 瑠美は物陰に隠れていた。
一人の銀髪の少年は黒いコートを身に着け何かを見下ろしていた。
その足元には紅い血だまりが——

第一声 裏路地巡り ( No.1 )
日時: 2018/03/28 10:53
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

その日のことはよく覚えている。夜にある道を通って帰った。
人もいないので結構不気味で街の街頭には小さな光が灯っていた。
「あれ?」
その時に偶然見かけてしまったのだ。銀髪の少年を…黒いコートを身に着けた銀髪の少年を。
どうしても気になってしまい物陰から様子を見ていた。
「あれは…冬夜?でもなんで?」
白神 冬夜、友人の一人で明るい性格で接しやすい人物だ。そんな彼があんなところで
何をしているのだろう。だがその手には紅い液体がポタポタと垂れる短刀が握られていた。
それに足元にも紅い海が…。
「なっ!?っ!?」
急いで口をふさぎ隠れた。声が出てしまい彼にばれてしまった。
「誰だ!?そこに——」

「いるの…か…ッ!?いない!?」
彼が去った。壁に張り付き同化魔法を使っていた。よく見たら彼の顔にも紅い液体が。
「まさか…人殺し…!?」

 ◆

その数日後の現在。
ギルド青色の突風、その基地にて。
「ルミ、大丈夫?」
声をかけてきたのは緑色の髪をした少女だった。レミィ・トーリアという少女で
銃を扱っている。
「確かその子を見たのは夜で裏路地だったのよね?ならそこを色々辿ってみれば何か
 ヒントがあるかもしれないわよ?」
「は、それだ!ありがとうございます!早速行ってきます」
「あ、ちょっと待って!」
レミィに引き留められる。何かあるのだろうか。
「この辺の裏路地って結構血気盛んな人が多いのよ。喧嘩屋って呼ばれてるわ。
 絡まれたら逃げてね」
「り、了解!」
そう元気に答え外に出ていく。あ、どこから回ればいいか聞いてないや。
まぁいっか…。

第二声 喧嘩観戦 ( No.2 )
日時: 2018/03/28 11:10
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

少し隠れながら裏路地を除く。なんか…ガヤガヤしてるなー。
「なんか観戦してる?」
人混みをかき分ける。ほとんど大人というか身長が自分より高い人ばかりなので
全く何をしているか見えなかったが…。
「これ…もしかして喧嘩?こんな風になるものなの?」
行く間際にレミィが追ってきて話をしてくれた。
「この写真の人なら貴方のことも襲わないだろうし教えてくれるはずよ。話はもう
 つけてあるから」
などということを言ってたような。
今考えればなんて交渉力だ、と感心してしまう。渡された写真と見比べる。
「あの人が…レオさん?」
あ、終わったっぽい。負けちゃったみたいだけどとりあえず——。
「わっぷ!」
「すまない」
「私が悪いので…大丈夫です」
ぶつけた顔から手を放し倒れるレオさんのもとに駆け寄る。
揺すっても目を開くことはない。おそらく気絶。
「ここでもいいけど…私じゃ対処は…」
仕方ない。そこまで重くなさそうだし背負って上に。
背負ってみると予想より軽かった。

廃ビルの屋上しかなかったのでそこに彼を寝かせる。
レミィに渡されたリスト…数枚の写真。この写真の人物に彼女は話をわざわざつけてくれた。
感謝感激だ。
「ぐっ…いてッ…」
「ホッ、よかった」
傷もひどくはないらしいので安心。
「あの大丈夫ですか?ごめんなさい急に話をして…」
「あ、いや気にしないでくれ。それより手当てしてくれたんだろ?礼を言う」
レミィの言う通り悪い人ではないようだ。むしろその逆。

第三声 私は友を止めたい ( No.3 )
日時: 2018/03/28 11:42
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

よし本題に入ろう。
「あのレミィって人は知ってますか?」
そう聞くと頷く。つまり話は聞いているらしい。
「じゃあお前がルミなのか?」
「え、あ、はい。それで銀髪で黒いコートを着た人を探してるんです。名前は
 白神 冬夜、彼のことで何か知りませんか?」
夜で暗くても銀髪なら結構目立つはず。
「…すまない、知ってることは一つも」
「…「でも」
「ちょっと噂を聞いたことがあるんだが。銀色の悪魔が至る所の路地裏を赤く染めているって。
 それもだんだんこっちに向かってきているらしい」
ここに…。なら会えるかもしれない。
ここからギルドまでは近いしすぐに駆け付けられる。
「なぁ」
「なんでお前はその白神 冬夜ってやつを探してるんだ?何かあったのか?」
「私、彼が人を殺すところを見たんです。それでなんでこんなことをするのか知りたくて
 悪いことをしてたら止めたいなー、と…」
レオは深く考え込んでいた。
そのうち顔を上げる。
「こんな身なりだが俺も列記としたギルド青色の突風のメンバーだ。協力してやるよ。
 お前の志に惚れた」
「え、いいんですか?」
「当ったり前だ!」

 ◆

「戻りましたー!」
そう言って中に入った。
「どうだった?ルミ」
「ばっちりです」
親指を立てた。後は待てばいいはず。

第四声 死の予告 ( No.4 )
日時: 2018/03/28 12:11
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

ドカンッとドアが開き一人の少年が中に入ってくる。
あんな感じの服、見たことある。
「ルミって奴はどいつだ?」
「へ?それは私だけど…」
すると周りに結界が張られどこかへ送られる。
「ち、ちょっと!?」
「安心しろ。用件が済めば返す」

 ◆

どこだろう、ここ…。
闘技場っぽい。
「じゃあ…さっきの結界は転送魔法みたいな」
「流石魔術師だな」
背後から声がした。さっきの少年だ。
「お前、白神 冬夜を探してるんだろ?お前死ぬぞ」
「え?」
どうして、と聞こうとするも彼は舌打ちをする。
「俺は冬夜の心が具現化した存在。もう会うことはない」

 ◆

ひどい目に合うかと思ったがよかった。
だけど…死ぬってどういうことなんだろ?
気にしないでおこう。


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