ダーク・ファンタジー小説
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- クチ
- 日時: 2018/05/25 16:56
- 名前: サエキ (ID: x84wZqnr)
──その魔物は、大きなクチを開けて、人間を食べちゃいました。
──怖いよ…
──大丈夫…お母さんが守ってあげるからね…
──お母さん…? どこへ行っちゃうの?
待ってよ…僕を置いて行かないで。
──いやだよ……僕は…
- Re: クチ ( No.1 )
- 日時: 2018/05/25 17:28
- 名前: サエキ (ID: x84wZqnr)
「20xx年4月6日。
私は友人の住むアパートにこっそり来ている。
今日は友人の誕生日で、サプライズをしたいと思ったのだ。
玄関から普通に入るのも…と悩んでいた時、私はふと窓を見た。
『開けろぉ……開けろぉ……』
私はその場に凍りついてしまった。
二階の窓を叩いている女の人がいるのだ。
こういう話はよく読む。あまり実感が湧かなかったが、今やっと分かった。
女の人は二階の窓を叩き続けている。
友人は家の中にいるのだろうか。
なるべく足音を立てずに、玄関から家の中に入った。
友人がいつもいる部屋は、二階。
女の人が叩いていた窓がある部屋だ。
恐る恐る二階に上がっていく。
ゆっくり…ゆっくり…
恐怖で胸の高鳴りが止まらない。
友人の姿を見つけるとともにそれは治まったが、代わりに今度は金縛りに…。
なんと、女の人が、窓を割り、友人の首を締めていたのだ…。
女の人は私に気がついた途端、友人の首を締めるのをやめた。
逃げるのかと思いきや、今度は私の方に近づいてきた。
そして、友人と同じように首を締められ…段々と意識が遠のき……
了」
「なにそれ全然怖くないじゃん」
私の友達、早川麻里は、怖いもの好き。
「今度はもっと面白い話持って来なさいよね、舞。」
そして私は、清水舞。
私も実は怖いもの好きで、お互い気が合うことから友達になった。
「はいはい。だったら麻里さんも持ってきたらどうなの。私だって忙しいんだから。」
「断る」
「じゃあ、今ここで怖い話を作ってみてよ。」
「いいとも」
これはあっさり受け入れてくれて、3、4時限目に自由時間があったので、そこで話してもらうことにした。
「じゃあ話すね。
ある町に、『サエキ』という名の男がいました。その男は、夜になるととても怖い魔獣に変わってしまいます。魔獣に変わった男は、町の子供を食べては吐き、食べては吐くのを繰り返しました。
ある日、一人の町の男の子を、昼の間に誘拐しました。
そして夜になり、その男の子を苦しめ、食べました。
えぇ……と…それで…、男の子のお母さんは…苦しみ…えっと…。」
「全部考えてなかったの。」
「だって…先生にバレると嫌じゃん…」
このままでは何かが引っ掛かるので、私が続きを考えることにした。
「その男の子を苦しめ、食べました。
その子のお母さんは、」
「静かにしろ!大事な話がある」
先生がいきなり大声で叫んだ。
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