ダーク・ファンタジー小説
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- 彼女から完全に笑顔が消えるとき
- 日時: 2018/06/14 13:57
- 名前: 三花 (ID: Nz4uGIp4)
初めまして、三花です。
複雑・ファジーからこちらのジャンルに引っ越してきました。
「彼女から完全に笑顔が消えるとき」は
複雑・ファジーでプロローグだけ書いています。
続きをこちらで書こうと思うので、
暇があれば、読んでください。
- Re: 彼女から完全に笑顔が消えるとき ( No.1 )
- 日時: 2018/06/15 14:59
- 名前: 三花 (ID: Nz4uGIp4)
第1話 「奇妙な予言」
「うっわ〜、暑〜!」
今は春。にしては異常な暑さだ。
おれと美雪はクラスが違う。
おれは3時間目の体育の授業が今終わったばっかだが、美雪のクラスはもうとっくに終わっているだろう。
「な〜にダラダラ歩いてんだよっ!次の授業遅れっぞ?」
「あ〜、分かってるよ。」
こいつは、おれの中学からの友達で進藤だ。
「で、どうなんだ?」
「どうって何が…」
「叶羽美雪だよっ!とぼけんなよな〜。」
「まぁ、それなりに…。」
「なんだよそれなりにって。ってか、何顔赤くしてんの?」
「そりゃ、赤くもなるだろ!」
「ムキになるなよ(笑)」
「うっせ、だまれ。」
(完全におれで遊んでる。お前だって彼女いるくせに…。なんでおればっかからかわれるんだよーー!)
「あー、もう!気にくわねぇ。」
そうおれが怒鳴ったからか、進藤は急に黙った。
「 …。」
「…なんで急に黙るんだよ?」
「お前に、こんなこと言うのひどいと思うけど…。」
「…何急に改まって。」
「叶羽美雪は、やめといたほうがいい…。」
「…は…?なんで…?」
「あいつの、奇妙な噂があるんだ。」
「なに?」
「あいつは…、呪われてるとか…。死神だとか…。」
「はっ、くだらねー。そんなんただの噂だろ?」
「たしかに、そうなんだけどな…。」
そんな会話をしていると、学校の花壇のところに美雪がいるのが見えた。
「あ…、悪い、おれちょっと行ってくる」
「おい、月間!?」
「ついでにこれ、おれの荷物持って行ってくれ!じゃ、あと頼んだ。」
「頼んだって…、おい!!」
おれは美雪に駆け寄った。
「美雪!」
「あ、雷斗〜!」
しゃがんでいた美雪は、立っておれのところによってきた。
「何してたの?」
「ん〜、ちょっとね。観察!」
「一体何のだよ(笑) 」
「もうすぐで死んじゃう虫の!」
「…は?そんなもん見てんの?」
「そんなもんって言わないで!」
美雪は、頬をプクッと膨らませた。
可愛かった。
でも今はそれどころではない。
「その死にそうな虫ってどこだよ?」
「こっち!」
美雪はおれの腕を引っ張った。
そして、おれが見たのは…
「こいつが死にそうなの?」
「うん…。」
「普通にピンピンして元気じゃん。」
「あと、10秒…。」
「は…?」
「死ぬまでのカウントダウンだよ。あと5秒…。」
「ちょ、何言って…!」
「3、2、1…。」
第1話 〈終わり〉
- Re: 彼女から完全に笑顔が消えるとき ( No.2 )
- 日時: 2018/06/20 21:00
- 名前: 三花 (ID: Nz4uGIp4)
第2話 「ごめんね」
「3、2、1…0。」
「? な、なんだよ、なんも起きねーじゃ」
ヒュンッ
おれの目の前を、何かが上から下へ思いっきり通り過ぎた。
そして…
ドシャッ!
「…は…?」
「うわぁ!?…ビックリしたね〜!まさか上から“石”が降ってくるなんて…!」
「は…!?」
「え…?」
「分かってたんじゃねーのかよ?上から石が降ってきて、さっきまでピンピンしてた虫が死ぬって…。」
「雷斗…?」
「分かってたんじゃねーのかよっ!!!」
おれは、今起こったことに頭がついていかず、パニック状態になり気づけば美雪に怒声をあびせていた。
上から降ってきた石に虫が潰されて死んだんだ。辺りには、体液が飛び散っている。
大方、上(屋上)でふざけてたやつがうっかり落としてしまったんだろう。
「おーい!!悪りぃ!怪我してねーか?ふざけてて、石落としちまった!」
…ドンピシャだ。
「いや、おれらはだいじょーぶだ!つか、気をつけろよな!」
「悪りぃ、悪りぃ!でも、怪我無くて良かった!じゃあな!」
「おぅ!」
シーン…
「あ、あのね!雷斗…」
「悪りぃ、おれもう教室戻るわ。」
「待って…!」
「じゃあな。」
「雷斗…は…、受け入れてくれると思ってたのに…。」
涙目で美雪は言う。
「は…?」
「気を許しすぎてた。だからあんな奇妙なこと……、素で言っちゃったんだ……。」
「みゆ…」
「ごめんね。……ほんと、ごめん…。」
涙目で、必死で笑顔を取り繕って、彼女はそう言って
おれの前から姿を消した。
第2話 〈終わり〉
- Re: 彼女から完全に笑顔が消えるとき ( No.3 )
- 日時: 2018/06/25 23:13
- 名前: 三花 (ID: Nz4uGIp4)
第3話 「違うんだ(雷斗編) 」
美雪がおれの前から姿を消してから早2年。
彼女は今、どこで何をしているのだろう…。
楽しく過ごせているのかな…。
笑えているのかな…。
なんて、彼女を泣かせたおれに気にする資格はない。
けど、違うんだ。
おれは、あいつを泣かせたかったわけじゃない。
そうじゃなくて、おれはあいつを理解しようとしたんだ。
だから、少し時間が欲しかっただけ。
第3話 (雷斗編) 〈終わり〉
- Re: 彼女から完全に笑顔が消えるとき ( No.4 )
- 日時: 2018/06/25 23:30
- 名前: 三花 (ID: Nz4uGIp4)
第3話 「違うんだ(美雪編)」
雷斗は、元気にしてるかなぁ。
あーぁ、今までずっと隠してきたのに。
ずっと、疎まれて、気持ち悪がられて、それでも耐えてきた。
てゆーか、私がこの奇妙な力のことを言わなければ、気持ち悪がられることもないんだけどね。
な〜んで、雷斗に言っちゃったのかなぁ…。
しかもあんな気持ち悪いシチュエーションで…。
私にとって、“生き物の寿命が見える”のは普通だからつい…!
他の人にとってそれは、普通じゃないのに…。
そう、分かってたのに…。
雷斗に甘え過ぎちゃってたのかな。
雷斗は、受け入れてくれるって…。
ううん、受け入れて欲しいって思ってたから…。
違うんだ、やっぱ私と雷斗は違う人種(?)だから一緒にいたいなんてねがっても、無理なんだね。
でも、叶うなら、雷斗のところに戻りたい…。
第3話 (美雪編) 〈終わり〉
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