ダーク・ファンタジー小説
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- 08-ゼロ・エイト-
- 日時: 2018/08/13 22:26
- 名前: ニコ神'ω (ID: /tWbIoNn)
家畜に、人権を与あたえぬことを罵った国家が居るだろうか。故に、体と性別の違う誰かを、力の違う誰かを色の違う誰かを、祖先の違う誰
かを、異端の存在を、人の形をした家畜と定義
したのなら、そのもの達への抑圧も威圧も利用も虐殺も、人理を損なわず非道では無く。
誇る事である。
ーーーーウィリアム・アームズ
『目録書』
- 08-ゼロ・エイト- 序章 ( No.1 )
- 日時: 2018/08/13 22:37
- 名前: ニコ神'ω (ID: /tWbIoNn)
序章 失う大地
「開戦まで約三十秒。膨大な砲弾がくるぞ。最大速度で敵砲撃域を突破するぞ。」
『よし、いくぞ』
<<バースト・コンバット・オープン>>
『マニューバ・リーダーよりマニューバ小隊!回り混ませるな!背中を取られると死ぬぞ!!!!』
『十時方向に敵隊!お願い!逃げて!』
『アストリア・リーダーは戦死。これよりアストリア・ワンが指揮をとる!』
『ライズ・ワンから各位。ごめんね…終わりみたい…』
『マニューバ・リーダーより、回り込んで撃つ!』
『ーーー了解。幸運をマニューバ・リーダー』
『頼むぜ。……なぁ、エイジ。ナイトメア。』
「?」
『約束、覚えてろよ』
「……あぁ」
<<E2 制圧完了>>
<<支援ユニット:0>>
雑音混じりの上官の声が、取って放り出して置いたヘッドセットから遠慮なく夕暮れの涼風に混じっている。
『……より…位…ハンドラー・ワンより戦隊各位。聞こえるか。応答せよ第一戦隊……』
有機的なフォルムの機体に体を預けたままコックピット内に手を伸ばして無線機の送信ボタンを押す
「ナイトメアよりハンドラー・ワン。敵迎撃部際を殲滅、敵艦隊の後退を確認、帰還します。」
『了解。……ナイトメア。その、貴官の他に何人が、』
「通信終了」
聞けた義務でもない馬鹿げた問いの途中で無線を切り、コックピット内を出て外に目を向ける。
夕映えののに、燻ぶる火と機械仕掛けの内部を覗かせ、うずくまる鉄の獣と三足の蜘蛛の残骸がひっそりと影を落としている。それは、敵と、仲間の成れの果て。
生きているものなど、どこにもいない。どこまでも、遥
か遠くまで、あるのは死体と死んだくせにいる亡霊だけ
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