ダーク・ファンタジー小説
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- closslum
- 日時: 2018/10/08 01:19
- 名前: 第六天魔王 (ID: uKR9UL7u)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=1030.jpg
国立 日ノ本幼稚園。
そこに通う園児たちは
───気が狂っていた。
ハッキリ言おうが言うまいが、気が狂っていた。
内乱、殺戮、暗殺、テロまで起きる始末。
2003年に初代園長が就任。そこから怒涛の暗殺ラッシュ。
園児たちは躊躇うこともなく園長や先生を殺していった。
おかげで園長は既に五代目だ。
先生も防弾服を着ている。
───────────
こうなったのには、ワケがある。
まあ、ワケもなくこんなことになる筈がないのだが。
この国は乱れに乱れていた。
外交失敗、消費税20%、企業トップやスポーツ監督の不祥事、政治家の汚職等々。
物価は高騰し、年金は途絶え、収入は激減し、国民は貧困を極めた。
マスコミは不安を煽り、政府は「遺憾」の一点張り。
ついには赤旗が政府高官を殺す事態にまで発展した。
そして、
そうした不安感は世代を越えていくものだ。
老人から大人へ
大人から子へ
子から「園児」へ───
ついに伝播した。
園児らは政治への不信感から荒んでしまった。
最早軍隊すら敵わないレベルの軍事力を持ち、悪質な者は議事堂を狙ったテロを企んでいる。
非常に危険だ。
それが、日ノ本幼稚園なのだ。
だが───
───────────
「ほう、ここが日ノ本幼稚園」
一人の園児の登場により、混沌は更に深まることとなるのであった。
- Re: closslum ( No.1 )
- 日時: 2018/10/08 10:45
- 名前: 第六天魔王 (ID: 9RGzBqtH)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=1032.jpg
「…この幼稚園を教団本部にするか」
そう言って、摩莉鴉は歩き始めた。
一歩
また一歩
確実に日ノ本幼稚園に近づいていく。
──────
「死ねぃ」
「この豚、家畜小屋で飼い慣らしたらァ」
「だァーしゃッ!!」
…恐ろしいやり取り。いつものことだ。
今日もいつものように、園児相手に機動隊が返り討ち。
官房長官はいつもと変わらぬ敗北と遺憾の意を国民に報せる。
新聞の紙面の大半を彼らの凶行が飾り立てる。
最早幼稚園児ではない。
社会が悪い、社会が悪い。
そう思い、ここまで狂暴に成り果てた彼らはまさにテロリストだ。
目の前で共食い。目の前で豪笑。目の前で死体量産。
だが、園児たちにとっては「正義」。
国にとっては「悪」。
絶対的正義や絶対的悪などない。
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