ダーク・ファンタジー小説
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 幸せなんていらない。
- 日時: 2019/07/13 18:59
- 名前: 月菜ゆあ (ID: BSNeBYwh)
私、町野亜夢は学校が終わり家に帰る。
そうすると、家には喧嘩中の姉、町野恋鴉と町野実雨奈、2人が居る。
「気持ち悪いんだよ!早く出てけ!」
「いや、人に気持ち悪いって言わない方がいいよ。」
「顔に書いてあるじゃん。気持ち悪いって言おうが言わまいが、私の勝手でしょ!前まであんなに出てく言ってたのに、もう早く出てけよ!」
そう。これは毎日の日課になってしまった。姉は以前から一人暮らしすると言っていたのだが、今になっては普通に毎日家で過ごしてる。そんな中、2人の姉、長女と次女が物凄く仲が悪い。
ほぼ毎日が喧嘩。次女は母親と一緒になって悪口を言う。しかも、私が居る所で。私はただ、それを黙って聞くことしか出来ない。
本当は、心の中では助けたい。
けど、助けたら助けたで母親と次女の仲間割れが起きる。もっと喧嘩が悪化してくるからだ。
それにきっと、私が怖いだけ。弱虫なだけなんだと思う。何も出来ない、頼りがいもない、そう言う自分が大嫌いだ。
色々な事があり、ここの家庭はほぼ壊滅寸前。
「生きてる意味ってないよね。私が我慢すれば良いだけだよね。」
長女が諦めの言葉を発した。
私はなんて声を掛ければいいんだろう。
死なないで?そんなのダメだよ?生きてる意味はあるよ?
そんな事私にはやっぱり言えない。どうやって声を掛ければいいのかも分からない私が嫌いだ。もう、こんな事言って逃げ回るのは辞めたはずなのに。
「早く出てけ。」
次女が呟く。
「分かったよ!」
ちょっと!恋鴉姉!!
恋鴉姉、何を考えてるの?
次回に続きます。
- Re: 幸せなんていらない。恋鴉side ( No.1 )
- 日時: 2019/07/17 22:16
- 名前: 月菜ゆあ (ID: BSNeBYwh)
「早く出てけ!」
この家には私の居場所がない。出てけと言われるのもなんとなく分かる。今は無理なんだ。
でも、それで家庭内の雰囲気、仲が皆が悪くなるなら、私は……。
「分かったよ!」
選択肢は1つしかない。
死。その道を選ぶしか今の私にはなかった。
「恋鴉ー。」
「あ!蓑島ー。クラス離れてから久しぶりだねー」
「うん。学校順調に行ってるー??」
「学校はまだマシだけど、家庭内がマジでやばい。」
「また妹達と喧嘩したの?」
「喧嘩っていうか言い合いだなー。まぁ、いつもの事だし、我慢してるけどね」
「へー。私なら我慢できずに、その妹に言い返してるわ」
「でも一応妹だし。迷惑は掛けたくない。」
「流石妹思いだね」
「姉としてのプライドが凄いからさ。親にもグチグチ言われるしー」
「そんな家逃げちゃえばいいのに」
「逃げたら、こっちの負けだし。それに1番下の妹とは仲悪くはないから、出来るだけまだそばに居たい。」
「我慢してない?」
「そう?私はきっと我慢しなきゃいけない立場だからねー。」
この時から薄々気づいてた。
私は家族に居てもいなくても迷惑を掛けていて、私の中の選択肢は死しかないって事に。
家に帰ったら、また言われるんだろうな。
私が居なければ……。
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