ダーク・ファンタジー小説

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灰と瓦礫と鬼退治
日時: 2019/08/11 20:06
名前: 神崎晒 (ID: s/RKTKvj)

1:反撃開始

20xx年。弍本にほんにて突如出現した鬼。殺戮の限りを尽くし弍本を混乱に貶める。兵器を用い対抗するも鬼の硬い皮膚には、傷一つ付かない。それから数日が経ち次々と人類が殺されていく中、急遽設立された鬼対策本部の前に1つの鬼の首が置かれた。今までどんな攻撃も効かなかった鬼の首がそこには、あった。対策本部は、急ぎ鬼の首を解析し、遂に1本の刀を発明する。その刀は、今までの通らなかった攻撃が嘘かのように鬼を斬り捨てる事が出来た。対策本部は、すぐさま武器を量産する。刀や銃。爆弾までもが開発され、それらの名前を【鬼喰きしょく】と名づけた。人類は、遂に反撃を開始した。

瓦礫の上で辺りを見渡す|九条瑛葉くじょうえいはは、小さなため息を1つ吐いた。
「ここが鳴羅ならか...」
崩れたビル。ひび割れた地面。見渡す限り瓦礫の山だった。
「ぐるるるぅぅぅ....」
何者かの唸り声が背後から耳に届く。振り向くとそこには、鬼が立っていた。
身長は2.5メートル程。ガタイが良く赤黒い肌が特徴的。2つの大きな牙が口の両端から顔を覗かせ2本の角が頭から伸びている。手には大きな棍棒。あれに殴られたら人間は、ひとたまりもない。
「一匹だけか?なんだ?迷子か?」
瑛葉の言葉は、通じずドシドシと歩み寄ってくる鬼。そして...
「るぁっ!!」
地面を蹴りあげ迫り来る鬼。大きなガタイの割に中々の速さだ。
「そう焦んなよ」
瑛葉が刀に掌を乗せる。鬼は、もう眼前。棍棒を空に掲げ今にも振り下ろそうとしていた。
「その首置いていけ」
刹那。瑛葉は、鬼の背後にて宙に飛んでいた。右手には、振り抜かれた1本の刀。
「ぐぁ...!」
鬼の首から大量の黒い血が流れ出す。そして鬼の首が地面へと落ち鈍い音を立てた。
「つまらん...」
刀に付いた血を振り払い鞘に納める。すると今度は、女性の声が耳に届いた。
「何者だ!」
声のした方へと視線を向けるとそこには、こちらに向けて拳銃を構えた女性が立っていた。
桃色の長い髪に端正な顔立ち。更にモデル顔負けのスタイル。こんな状況でも綺麗だと思ってしまった。
「白い制服に青色の帽子...それに紅葉の章定しょうじょう鏡執きょうと真殲組しんせんぐみか」
「ここは、鏡執の対策区域だ。見るところ|鬼喰者きしょくしゃのようだが所属はどこだ?章定も見当たらないが」
章定とは、所属した対策県たいさくけんを1目で分かるようにそれぞれのマークが入ってるワッペンの事だ。制服の右肩辺りに縫われている。
「所属なんてした事ねえから答えられんな」
「貴様ふざけてるのか?鬼喰者は、必ず対策県たいさくけんに所属する事になる。さっさと答えろ!」
1歩詰め寄ってくる彼女。だが本当に所属なんてした事の無い瑛葉は、答えられない。
「だから所属なんかしてねえって言ってんだろ」
「...どうやら眉間に風穴空けられたいらしいな。これは、立派な違反行為だぞ。最後のチャンスをくれてやる。今すぐ答えろ。そしたら殺しは、しない」
彼女が銃口を瑛葉の頭に向ける。だが瑛葉は、微動だにしない。
「なんだ?今の鬼と女は、せっかちなのか?」

パンッ!

瑛葉の軽口が引き金となり、乾いた銃声が荒廃した世界に鳴り響いた。


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