ダーク・ファンタジー小説

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あなたの世界
日時: 2019/09/25 17:46
名前: t (ID: 1BwboFjv)

オレの名前は、田中慶太。
高校1年生だ。
今日も、あの場所に向かう。

Re: あなたの世界 ( No.1 )
日時: 2019/09/25 17:56
名前: t (ID: 1BwboFjv)

朝目が覚めると、「学校に行かなきゃ」という意思にかられ、衝動的に起き上がった。時計を見ると、7時30分。頭をボリボリかきながら、布団から出た。
支度などをし、8時ちょうどに家を出た。曇りでも晴れでもない絶妙な天候だった。自宅から学校まで、バスに乗ったり歩いたりして、20分くらいで着く。

学校に着くと、自分の机にカバンを置き、座りはせず、一旦教室を出た。廊下には多くの生徒が見受けられる。始業のベルまであと30分はある。それまでに、あることを済ませないと。
校庭に来た。大きな広場になっているベンチの1つ。晴天に変わりつつある天気の下、一人の女子が座っている。スマホを持ち、イヤホンで音楽を聴いている様子だ。軽く深呼吸をすると、オレは彼女に近づいた。目の前まで来ると、「おはよう」と声をかけた。すると、
「おはよう」
と何気ない返事が返ってきた。オレは、「イヤホンを外せ」という指示を手ですると、周りを見回し、誰もいないことを確認すると、一言、告げた。
「まだ、死んでないから」


同じ空の下で、帰り支度を済ませ、適当に教師の談話を聞いていた。たまにある、避難訓練のあとの、校長の話。皆直立不動で耳を傾けているが、だるさが雰囲気で伝わってくる。「では、さようなら」と校長が言うと、皆ぞろぞろと解散した。教室にカバンを取りに行くのも面倒だ。
皆クラスに向かう列の中に、朝の、例の女子がいるのを偶然見た。彼女は友達と楽しそうに会話をしている様子だ。
彼女と、オレだけの秘密が、オレの朝を狂わせていた。

Re: あなたの世界 ( No.2 )
日時: 2019/09/25 18:19
名前: t (ID: 1BwboFjv)

現在午後6時2分。コンビニに寄り、漫画類を数冊立ち読みし、パンを1個買った。コンビニを出た。
家まで数分歩く。帰宅すると、パンの袋をゴミ箱に捨てた。
寝る前。布団の上で、明日の朝のことを考えた。
アイツがいる。あのベンチに座っている。いつもの時間。毎日何か聴いている。オレが来たときはいい加減イヤホンを外せ。それに毎日「死んでいない」という言葉を発し続けるのも嫌だ。嫌だが、朝に彼女に会わないという選択肢は取れない。だから面倒なんだ。しかし、全てはオレのせいなんだ。だから、仕方のないことなんだ。
明日の朝も、彼女に「死んでない」ことを告げに行く。


土曜日。学校の無い日は、ダーツをしに行くことが多い。1人で行くが、ダーツの店には知り合いがいる。午後1時。ダーツを堪能した後、自動販売機の側で、ジュースを片手に「毛利」という20代のダーツ友達と話した。

日曜日。明日のことを考えた。昼間に何気なくテレビを見ながら。彼女に会わないといけない、明日も。もはや意地でしかない、彼女に会う「意味」が。


そして月曜になった。朝、再び彼女の座るベンチに行った。
「おはよう」
そう言うと、彼女は珍しく自分からイヤホンを外した。そして、無表情ではあるが、少しためらいの感情のあるまなざしで、言った。
「お前が殺したネコが、明日、街に来るらしい。戦う準備をするぞ」


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