ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

シークレットシティ
日時: 2019/10/26 14:00
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

能力者が現れ始めた近未来都市、高校生の主人公、咲野千里もまた

ひょんなことで能力に目覚めてしまった。そこから能力者関連の事件に

巻き込まれていく。

Re: シークレットシティ ( No.1 )
日時: 2019/10/26 18:30
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

咲野千里、「本家ノ能力者」シンプルなサイコキネシス。

「千里ちゃ〜ん!!」

家の扉を開けてすぐ抱き着いてきたのは兄、咲野輪廻。実は千里は二人の兄がいる。
次男の輪廻は重度のシスコン、そして自傷癖がある。

「と、とにかく…中に入らせて〜〜」

リビングのソファに長男の阿吽が先に席に座っていた。

「お帰り千里…また輪廻がお前を困らせたようだな。後でコイツは俺がシバいておく」
「い、いいよ、そんなことしなくて」

輪廻も阿吽も能力者。阿吽は斥力操作、輪廻は痛覚操作。輪廻は元々無痛覚である。
自傷行為が目立ってきたのは彼が能力を使えるようになってから。

「ヤダなぁ兄貴ィ、これは唯の愛情表現だよ〜」
「程々にしておけ」

スキンシップが激しい輪廻を阿吽は宥める。千里が眠ってからリビングには二人だけが
残っていた。ナイフを器用に弄り輪廻は無我夢中で自身の腕を斬り始めた。薄ら笑いを
浮かべながら自傷する輪廻を阿吽は黙ってみていた。

「また自傷か…」

彼の自傷行為が激しくなるのは千里が眠った後。変わった兄にずっと千里は大切にされて
来た。

Re: シークレットシティ ( No.2 )
日時: 2019/10/28 19:42
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

「ふぅ…これで全員か」

そう言って気絶した大男の上に座り込む青年は上を向く。黒縁メガネの女は辺りを
少し見渡して彼に向けて親指を立てる。ここには多くの能力者が存在する。その能力を
犯罪に使う者も少なからずいるのだ。彼らを取り締まるのが異警、異能犯罪警察課だ。
そこに所属する警官の一人、深山草一ふかやまそういちは「結合」という能力を持つ。
相手の拘束や直線に進む銃弾を追尾型にすることが出来る。そしてもう一人の女、
新妻百合は「透視能力」を持つ。彼女から半径300m以内の範囲なら彼女にとっては
筒抜け同然だ。

「そうね。彼らには事情聴取をして牢獄に送るだけよ」
「お、じゃあ今日はこれで仕事は終了か?」
「そうなるわね。まぁとりあえず乗りなさいよ。私が運転するから」

車に乗り込み二人はその場を後にする。彼女はチラッと眠っている草一を見た。
眠っているにもかかわらず彼はしっかり能力を発動している。何時犯罪者が目を覚まし
暴れ出すか分からないため能力は解かないようにと言っておいた。彼の恐るべきところは
能力ではなく運動神経の良さと呑み込みの速さ、武器は勿論扱えるがそれ以上に
格闘術に長けている。別の場所にて。異能力研究施設「side」そこには元々、輪廻が
被検体として所属していた。無痛症の子どもなら激痛で喚くことも無いと考え
狂った研究者たちは人工的に能力者を作り出した。彼の要望に応え「痛覚拡張」という
能力を彼に与えた。

「あら、随分と久しぶりね。大きくなったわね輪廻」

30代とは思えない女性は輪廻を見た。咲野輪廻の元、担当医である松島夏希。

「そんなに大きくなってないですよぉ。あ、俺の妹は凄く大きくなりました」
「嬉しそうね輪廻。今度、その子に会いたいわ。傷も増えたわね」

輪廻の腕を掴み夏希は悲しそうに呟いた。見ていて痛々しい傷だが当の本人は首を傾げていた。


Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。