ダーク・ファンタジー小説
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- 男女戦争
- 日時: 2019/11/09 22:16
- 名前: 坂本加賀 (ID: j24nS2D/)
「早く昼飯いこーぜ」「俺はこっちのモデルがタイプだ」東京都立泉岳寺高校では昼休みで賑わっていた。悟志は一人、昼食をすませると、足早に図書室に向かった。悟志は親友と呼べる友達がおらず、いつも図書室に通っていた。正確には、一人ではないのだが・・・。「悟志君、また一人できたの?」彼女、摩耶は僕が密かに想いを寄せているクラスの人気者だ。短編集ぐらいしか読めない僕が図書室に通うのも彼女がいるからだ。「悟志君、新しく出たこの本どこにあるか知らない?」彼女の胸がわずかに腕にあたり、僕は赤面しながら「ご、ごめん。わからない。ちょっと聞いてみよう。」と顔を背けて言った。「あ、サユリ〜。この本どこにあるか知らない?」彼女は仲良しの図書委員の友達に聞いている。僕は彼女の横顔をぼーっと見ていた。「あ、悟志君まだいたんだ。せっかくだからご飯食べに行こ。」「え、いいよ。」さっき食べたんだ、言いかけた言葉を喉に押し込めて僕は再び食堂に向かった。
- Re: 男女戦争 ( No.1 )
- 日時: 2019/11/10 20:42
- 名前: 坂本加賀 (ID: j24nS2D/)
- 参照: :
7月1日午前10時15分、3時限目は数学だ。悟志は隣の席の摩耶の顔をぼーっと眺めていた。文系の悟志は数学が苦手だった。「悟志、この問題の式は?」突如、先生が悟志を指名した。「あ、え、えーっと・・・。」あたふたしていると摩耶が「これだよ。」とこっそりノートを見せてくれた。「〜〜〜です。」危機一髪でセーフだったが、摩耶に格好悪い所を見せてしまった。そんなことを考えていると3時限目が終わった。その時だ。「パーン」と甲高い音が聞こえた。「何だ?事故か?」「こわ〜い」生徒達が騒ぎ出す。「みんな、静かに。先生が見てくる。」先生が教室を出ようとしたとたん放送が流れた。「泉岳寺高校の諸君、我々は性別統一戦線だ。我々はこの学校の各所に爆弾を仕掛けた。三年生は全員、体育館に集合せよ、ただし、教員は生徒を誘導したあとはただちに学校外に退去せよ。従わなかった場合はこの学校を爆破する。」「えー」「どういうこと?」また生徒が騒ぎ出した。「どうせ悪戯だ。みんな落ち着け。」数学の教師がそう言った途端に隣のクラスの担任が駆け込んできた。「せ、先生!大変です。ぶ、武装した人達が職員室に入ってきて、じ、銃を撃って・・・。」「何!」数学の教師も、顔をあんぐり開けている。「ひ、ひとまずみんな体育館に行こう、さぁ。」怖いなどの声も上がったがみんな体育館に移動し始めた。7月1日午前10時22分、前代未聞の事件が幕を開けた。
- Re: 男女戦争 ( No.2 )
- 日時: 2019/11/10 20:40
- 名前: 坂本加賀 (ID: j24nS2D/)
体育館に行ってみるとそこには既に三年生の生徒達が集まっていた。教師は生徒が集まったのを確認すると逃げるように体育館から出て行った。「泉岳寺高校の諸君、私は性別統一戦線、世間体から言うと右翼の一つだ。」リーダーらしき人がいう。その手には銃を握っている。よく見ると他の人も何かしら武器を持っている。「ああ、この銃はAK47と言ってね、君たちなら瞬殺だよ。」ザワザワと騒ぎ始める。「帰りたいよ〜」と一人が騒ぐとリーダーらしき人は「ここからが本題だ。」と口にした。「私達は性別は一つでいいと思っている。強い性別の人間が生きていけば異性に気を使わずに自由に生活ができる。そこで君達に実験台となってもらいたい。ルールは簡単、これから一週間、君達に男女に分かれて戦ってもらいたい。学校内のものなら何でも使っていいし、所々にエアガンを隠している。ただし、私達に刃向かうのならばすぐに爆弾を爆破する。」「意味わかんねーよ。」最初に口に出したのは2組の蜂谷哲也だ。彼はやんちゃで時々問題を起こしている。「ならば今すぐ殺してあげようか?話は終わりだ。男は南棟の屋上に、女は北棟の屋上に行け。一週間分の食料がある。」三年生の生徒達は爆弾と言う言葉を恐れてすぐにそれぞれの屋上に向かった。悟志も体育館をでると摩耶がいた。「悟志君。大丈夫?顔色悪いけど、」摩耶を心配させまいと「大丈夫。じゃあまた会おう。」と返した。「う、うん。ばいばい。」と摩耶は不安そうに言った。僕は摩耶に絶対に怪我をさせまいと心に誓った。
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