ダーク・ファンタジー小説
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- 三分咲きのグリモワール
- 日時: 2019/11/23 22:09
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
異種族も存在するこの世界。とある国に所属する中級王族エメロード家の娘
アスタ・エメロードに初めての専属執事クロノが現れた。才能がありながらも未だ
その才能を否定し続け使わないアスタとそれを使わせるために動く従者クロノを
中心に描く物語。
- Re: 三分咲きのグリモワール ( No.1 )
- 日時: 2019/11/23 22:53
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
「本日から貴方様の従者となりましたクロノと申します。これからよろしくお願いいたします。
アスタお嬢様」
そう言ってクロノはスッと片膝をついて頭を下げる。精錬された動きだ。2,3秒してから
彼が再び顔を上げ立ち上がった。黒髪に青い瞳をしている。一方アスタは青がかった黒髪に
緑色の瞳をしている。3回ノックが聞こえてアスタは「どうぞ」と声を出す。扉が開き
また一人の男がやって来た。彼は一礼してアスタの前に立つ。眼帯をしている。元、
戦闘用奴隷だった若き騎士アギだ。
「あ、アギ。紹介するね新しくここに来たクロノ」
「成程、貴方にとって初めての使用人ですね。僕はアギ、よろしく」
「はい、よろしくお願い致します」
穏やかな雰囲気を持つアギと少しクールな印象に感じられるクロノが握手を交わした。
握手を交わした後、アスタに手に持っていた袋を渡した。その中には服や靴下、靴が入っている。
「貴方の御父上が買ってきてくれたものだよ。幾つかもう小さくて着ることが出来ない
服があるでしょう?さぁ、持ってきて」
「分かった。持ってくるね」
アスタはクローゼットを開き幾つか服をハンガーごと持ってくる。ハンガーには新たに
買ってもらった服を掛け、元々あったものは袋の中にしまう。それをクロノも手伝う。
それが終わり袋を持つとアギはアスタの耳元で囁く。
「とても手慣れているみたいだね」
アスタは静かに小さく頷いた。
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