ダーク・ファンタジー小説
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- Alter/Jeanne(一部R18注意)
- 日時: 2019/12/28 16:44
- 名前: 祝福の仮面屋 (ID: G9VjDVfn)
【舞台は極東の島国。】
【人類の中に、《SPEC》と呼ばれる特殊能力を宿した人類が現れ始めた近未来。】
【新設された高校【木更津黎明高校】にて繰り広げられる、残虐非道なスクールカーストとデスゲーム。】
【下克上を果たす為、少女は戦う。】
【己が正義の為に、牙を剥け】
代壱編【百花繚乱の章】
>>1
代弐編【豪華絢爛の章】
代参編【天真爛漫の章】
- Re: Alter/Jeanne(一部R18注意) ( No.1 )
- 日時: 2019/12/28 17:08
- 名前: 祝福の仮面屋 (ID: G9VjDVfn)
『レディース・エン・ジェントルメェェェン!貴族・王族階級の皆様!本日は見世物小屋【木更津】へお越し頂き、誠に有難うございます!』
今から遠いようでそう遠くないようで、でも遠い未来の極東の島国。そこに荘厳に立ち並ぶ数多の学舎、かつてその国の首都と呼ばれた場所は今や【学園都市】と呼ばれ、突如として人類が手に入れた天性の力・【SPEC】を持つ者達を育てる共同養成区域となっていた。
そして【学園都市】の中央にドスンと鎮座するここは、【木更津黎明高校】と呼ばれる【学園都市】屈指の名門校として有名な場所だった。
その名門校の地下には、かつて核シェルターとして利用されていた場所を改装した見世物小屋が存在し、そこのメインステージではピエロの格好をした生徒達が大道芸を行なっていた。
『司会はいつも通り私、浜田 柴木が務めさせて頂きます!』
「良いぞ良いぞ!」
「今回はどんなショーを見せてくれんだ!?」
「早く早くぅ!」
男女問わずの多数の生徒達から声が上がる。
この時代になってから【学園都市】の全校で実施され始めた【スクールカースト】制度、優秀な生徒と劣悪な生徒を分けるのに最適だったから適用されたらしいが、この会場の雰囲気を見る限り、その制度はこれ以上ない程に機能している事が一目でわかる。無論、生徒達各個人が所持している【SPEC】には必ずしも優劣が存在する。
それ故に能力を持たない者を【奴隷】・この学校の大半を占める、そこまで強くない能力者を【平民】・強力な能力を有するが、軍用とまでは行かない能力者を【聖職者】・非常に強力な能力を持ち、単騎で一個中隊と渡り合うレベルの能力者を【貴族】・【貴族】以上に危険で強力な能力を持ち、一個旅団を壊滅させられる程の能力者を【王族】と定めて来た。
まぁ、スクールカーストと言う訳あって想像もつくだろうが、見世物小屋に入れるのは貴族から王族までで、平民はステージで女は踊り娘・男はピエロとして興を盛り上げている。【聖職者】は入れないのか?まず考えてみて欲しい、見世物小屋に入っていく聖職者なんて居たら幻滅しないか?では、【一体誰がステージの上で見世物になる】のか?答えは簡単だ。
【奴隷】階級の者達が見世物になるのだ。
そんな細かい事を説明して行くうちに、司会から
『余興はここまで!それではメインイベントへと移りましょう!』
とアナウンスが入り、司会が手を叩く。
すると幕の陰から屈強な体格の男2人が、華奢な体の少女を鎖で強引に引き摺りながら現れる。
「へぇ、今回はコイツが見世物か!」
「何だ何だ?まさかアダルトな展開行くか!?」
「うわ、可愛そー」
「でもしょうがないよね、【学園都市】じゃ能力を持たない【奴隷】に生まれた時点で負け組なんだからさ」
「まぁ、しょうがないよね…」
ボロを着て体から傷が見え隠れする少女をみて興奮する男子達と、憐れな少女に少しの同情を掛ける女子達。一般生徒の制服とは異なる制服に身を包んだ生徒達は、その光景を特別席から見下げていた。
「相変わらずひでーことやんなー」
「口が過ぎるぞ《ケテル》、俺達【セフィラ】は生徒達の模範でなけりゃならん。万が一の時にも対応できるようにしておけ」
「まぁまぁ、落ち着いてよ《ホクマー》。いいじゃんいいじゃん、私ああ言うの興味あるし♪」
制服の下に着込んだパーカーのフードを目深に被った少年の軽口を、どうやって発注したのか不明だが、雲の模様が描かれたパオともアオザイともつかないアジアンテイストな制服に身を包んだモノクルの少年が咎めるが、女子用の制服に丈の短いクロークを羽織った少女が宥める。
「あれ?そう言えば《ビナー》は?」
「アイツなら、恐らくだが他の【セフィラ】と共に勤務に当たっているのだろう。アイツは真面目だからな」
「じゃあ、こんなとこに来てるお前は不真面目だって?」
「何とでも言え」
《ダァト》の質問に対し《ホクマー》は答え、さらにその発言を茶化す《ケテル》の言葉を軽く遇らう辺り、彼も真面目な部類なのだ。
そんなやり取りをしている内に、急に下の一般席から一斉に声が上がり、少し驚いた3人は下を見る。
つい先程までメインステージに居たのはボロを着た少女だけだったが、新たに鳥かごを巨大にした様な檻の中に入れられている獣を見据えた《ホクマー》は、物珍しい動物を見る目で獣を見据えた。
「ほう、捕まえられたのか」
「え、何?知ってるの?」
「【霊獣】だな、本来なら【学園都市】郊外の山岳部にしかいねぇと聞くが、まさか生け捕りにでもしたってか?」
「ふーん」
《ケテル》の説明に対して興味が湧かなかったのか、少しだけ目を逸らしながら感謝を述べる《ダァト》。
すると不意に司会から声が上がる。
『それでは!これが本日のメーンイベントォォォォォッ!この鎖に繋がれた【霊獣】を相手に、この【奴隷】の少女には戦って頂きます!勝てば自由!負ければ………お分かりですね?それでは行ってみましょう!』
「「「ウオオオオオオオオオオオオオオ!」」」
「ッ!?」
「嘘っ、あの子無能力者でしょ!?」
「正気の沙汰じゃねぇな……!」
驚愕の《ホクマー》に《ダァト》と静かに怒りを露わにする《ケテル》、この手の見世物は過去にも数回あったが、何かしらの武器は与えられていたのだ。少なくとも、素手という理不尽な条件ではなかった。
檻の中から解き放たれた【霊獣】は、一直線に少女を見据える。そして少女は、迫り来る恐怖に身を震わせた。
其ノ壱
【美女の魔獣】
「ガァァァァァァァァッ!」
「っう!」
「「「ウオオオオオオオオオオオオオオ!」」」
迫り来る【霊獣】の顎門を紙一重でかわす少女、その少女の身のこなしに感心してなのか、少女が【霊獣】に殺されるのが楽しみなのか不明だが、生徒達から歓声が上がる。
その歓声を聞いた司会は、不気味に口角を上げる。
『まだまだ、休む暇はありませんよ!貴方が負けを認めれば!それは即ち貞操の喪失か!?それとも人で無くなるのか!?………勿論、嫌ですよね?ならどうすればいいか!答えは単純、勝てば良いのです!』
「ゴアァァァァァァァァァアアアッ!」
「っ………うぅ!」
「「「おおおおおおおおおおおおっ!」」」
振るわれる【霊獣】の剛爪、少女はそれも紙一重で躱すが、完全に躱しきれず背中をザクリと切り裂かれる。
そして再び観客から上がる歓声。
その状況に耐えきれなかったのか、《ケテル》は特等席を飛び出してステージへ乱入しようとするが、途中で《ホクマー》に止められる。
「落ち着け《ケテル》!」
「離せ《ホクマー》!あの野郎!ふざけやがって!」
ショーも終盤に差し掛かって来たのか、最初はゆっくりと奏でられていたピアノのスピードが速くなって行く。聴く者の焦燥感を駆り立てるその旋律に、観客達は固唾を飲んだ。
「グルルルル………!」
「うぅ………お願い!離してよ!」
『おぉっと残念!制限時間まで後少しだったのですが実に惜しい!ここに来て彼女、脚をやられ転倒したところを【霊獣】に押さえつけられてしまいました!これから彼女を何が襲うのか!?』
「ガルルル………」
少女を押さえつけたまま、【霊獣】はどこか体を震わせる。
《ケテル》は『【霊獣】の体調に悪影響を来したのか?』と安堵の息をついた刹那、己の判断の軽率さを呪った。
身を震わせた【霊獣】からそそり勃つそれは、盛った雄の獣が雌を犯す時に使う【それ】だった。
- Re: Alter/Jeanne(一部R18注意) ( No.2 )
- 日時: 2019/12/28 18:00
- 名前: 祝福の仮面屋 (ID: PZX6sAnA)
「そんな……やだ……!」
『さぁ、さぁさぁさぁ!さぁさぁさぁさぁさぁ!実に惜しくも!遂に盛る【霊獣】に捕らえられてしまった!彼女の運命やいかに!?』
「ヤれヤれぇぇぇぇぇ!」
「良いぞ良いぞ!ヤっちまえ!」
「あの子処女でしょ?最悪じゃん」
「初めてが【霊獣】かぁ…」
『それでは皆様!景気良く行ってみましょう!』
「い……いやぁぁぁぁぁぁ!」
少女の悲鳴も御構い無しに、【霊獣】はそそり勃つ魔羅を少女の陰核に容赦なくぶち込む。少女の声にならない悲鳴と興奮する男子達と、その悍ましい光景に目を当てられず目を両手で覆い隠す女子達。
そして少女が犯され始めてから数分が経った頃、少女の小さくて華奢な体に変化が訪れた。
「な、何これ!?嫌…嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!」
『さぁ盛り上がって参りましたァ!どうやら彼女の体に何らかの変化が訪れた様です!果たして、彼女はどんな姿になってしまうのか!?』
「ゔぅ……、あ"ぅぅ……!」
彼女の四肢から獣の体毛が生え、声をまともに上げる事も出来なくなって行く。おそらく、彼女は今なお焼ける様な痛みに耐えているのだろう。
「がうぅ……うっ、げぇぇぇっ」
「おいマジかよ!吐きやがったぜあの女!」
「っひゃー、あんなんなるのかよ。男で良かったと思うわ」
「可愛そう……」
「ここまでしなくたって……」
変化に拒絶反応を引き起こしたのか、尿を漏らしながら吐瀉物を吐き出す彼女の姿にやはり男子は興奮し、女子の中には泣き出す者もいた。しかし、【霊獣】はそんな事も御構い無しに彼女を犯し続ける。
そして彼女は、遂に人の姿で無くなりーーー
「クルルル……キューーーン!」
悲鳴一つすら上げられず、か弱く細い鳴き声しか出せなくなった彼女は今、何を思っているのだろうか。本来なら、こんな事を仕出かせば即刻大学は間違いないだろうが、残念ながらここは【学園都市】でも数少ない【放置圏外】だ。故にこの見世物も秘密裏に行われているし、真相を知る者もその場にいた観客達だけであり、誰も口外しなければ事故死となる。
しかし、それでも尚この状況を見過ごせなかった《ケテル》は血の玉が滲み出るほどに、拳を握り締めていた。
「ケテル……」
「なぁホクマー、俺はどうすれば良い?」
「……5秒だ」
「は?」
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