ダーク・ファンタジー小説
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- ラポール
- 日時: 2020/01/01 17:44
- 名前: 枢木 (ID: xs5T8t9X)
ラポールとは心理学の用語で実験者と被験者、もしくは面接者と
被面接者の新愛と信頼のきずなをもった快適な社会的関係の事。
舞台は並行世界の2020年、東京。そこは常人と超人が入り混じる
日本だ。そこでせかせかと仕事をこなす若い女作家、四葉刹那は
作家として頑張りつつ独学で学んだ心理学で様々な人間の心理ケアを
したりもしている。作家、殺人鬼、警察、さらに格闘家などなどの
人間が入り混じり裏の東京の正体を暴く。
- Re: ラポール ( No.1 )
- 日時: 2020/01/01 17:57
- 名前: 枢木 (ID: xs5T8t9X)
高校三年生になってからの虐めは酷かった。悪口は当たり前だった。
それでも生き残れたのはとある男子生徒と隣の席になってからだった。
四葉刹那、名字からして幸運だらけに見えるがそんな生活はして
いなかった。コンプレックスに挟まれていた。
「なぁ少し良いか?お前、結構頭いいんだろ?ここ分からないんだけど」
隣に座る彼とのこの会話こそ幸運が舞い降りた瞬間だと気づいた。
「おぉ、スゲェ。ありがとな刹那」
そうだった彼は幼馴染だ。四面楚歌の状態で奥の人間には目も
向けてられなかった。私を四葉の名字に相応しい人生に変えて
くれたのは武藤優という。名前に相応しい人格の持ち主だ。この学校
には運動部でボクシング部に所属して活躍していた。二人で同じ
大学へ進み同時に卒業、私は作家の道を優はそのまま選手として
生活することを決めた。
そうプロローグは『一期一会』だ。
- Re: ラポール ( No.2 )
- 日時: 2020/01/01 19:02
- 名前: 枢木 (ID: xs5T8t9X)
優がデビューしたタイミングで新たなチャンピオンが誕生した。
天草竜星という若い選手だ。優は彼に試合を申し込んだ。
「えぇ?私ぃ?そんなに役に立てないと思うけど…」
カフェの壁側の席に向かい合って座る優と刹那。彼は刹那にセコンドに
なってくれないかと申し出て来た。セコンドとは選手に作戦を教えたり
色々サポートやケアをするサポーター、選手の頭脳だろうか。
「でもちゃんとした試合ってワケじゃないんでしょ?じゃあルールを
正確に理解しきってる人に頼めば…」
「そうじゃねえよ。純粋に安心するんだよ。頼む!!」
ここまで頭を下げられては…。刹那は溜息を吐いた。一生懸命な
人間を応援しないのは非道である。彼が所属するジムに行くと
既に相手が待ち構えていた。
「優、早く着替えて来いよ…って、まさかセコンドか?その人」
「あぁ、俺の頼れる助っ人だ」
「そんなに話を盛らないでよ」
小さなジムのスペシャルな試合が始まった。短い時間だ。だが試合は
既に相手側へと偏っている。まだまだスタミナもパワーも少ない、
優は火力不足である。既にロープ際に抑え込まれている。相手の良い
的、サンドバッグ状態である。タイマーが鳴り二人が座り込む。
「大丈夫?…なワケないよね。火力不足かな。私には策が無いけど
分かったことがある。今役立つってよりもこれからかな?」
汗を拭き刹那の方を向いた。
「…音的に結構火力が高いはず。それを防ぎ切ったと言うことは
優は多分スタミナタイプ、そこを伸ばせば武器になる」
刹那の分析を聞いて刹那は構える。顔、ボディを竜星は器用に
狙っていく。一瞬の隙も見逃さない。片目が腫れている。意識が
朦朧としてきた。次に優が目覚めたときはベッドの上。カチカチと
キーボードを叩く音が近くで聞こえた。そして右目がひんやりする。
「…俺、負けたのか」
「そう。右目の腫れが酷かったから氷を拝借したの。一晩、ここで
泊まっていい?どうせここで部屋借りて生活してるんでしょ」
「天草は?」
「帰りました」
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