ダーク・ファンタジー小説

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屍が歩くなら
日時: 2020/01/08 17:25
名前: ごあら (ID: 9Zr7Ikip)

※注意
世界観は現代、ちょっとした異能モノ、ローファンタジーになっております
メインキャラのうちの一人は無敵状態で完成されています
過度なグロテスク表現はありませんが、ダークファンタジーですので苦手な方は閲覧注意です
この小説独自の用語が多いです、説明スレッドは希望があれば建てます
超亀更新です



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生きる屍、その名を「undead」彼らは死してなお蘇り続ける。
「undead」には強靱な肉体、そして特異な能力が備わっている
「undead」になる条件として3つ挙げることが出来る

1.この世に強い恨みや怨念など負の感情を持つこと
2.生存時に身近な人間の死を目の当たりにしたこと
3.人としての感情が欠如していること

現段階として考える最低条件だ。

「神」は彼らのことを「悪の化身」と呼ぶようだが、科学者にとっては最高の研究材料でしかない。
我々は今後とも「undead」の研究に全力を尽くすつもりだ▼


極秘サーバー:屍
undead №1
個体名:inferno
「地獄の体現者」

undead №2
個体名:seraph
「裁く者」

undead №37
個体名:espace
「輝く星雲」

undead №44
個体名:unendlich
「虚無の龍」





屍が歩くなら 序章 ( No.1 )
日時: 2020/01/08 18:12
名前: ごあら (ID: 9Zr7Ikip)

序章:生きる屍

「屍が歩くなら、きっとそこは地獄だよ」

上から男の声がする。しかし全身火傷を負った今、顔を動かすのもままならない。姉は生きているのだろうか、そんな思いが横切った。

「助かるのは君だけだね。彼女には意欲が無い」

そうか、生き残るのは自分だけか、なんと皮肉なことだ。こいつも救世主ではない。そもそもそのような人物は存在していない。それは姉を殺した人物たちが教えてくれた。彼の心には恨みだけが募っていく。
全身の火傷はすでに彼の命を蝕んでいた。喉からはヒューヒューと、今にも死にそうな音を出している。

「聖人君主に等しい君だって、人を恨むんだ。いや悪を裁きたい気持ちに近いのかも知れないけど」

男は言葉を放つだけで、一向に目の前の少年を助けようとはしない。しかしその間にも火傷による苦痛は止まることを知らない。彼は助けを男に乞う。

「た、たすけ…て、しにた、く、ない」

「いいけど、これをやったら『死ねない』よ?」

待ってましたと言わんばかりに不気味な笑みを浮かべるも、まだ焦らしてくる。少年は最後の気を振り絞って

「いいから、たす、け、ろ」

その言葉を最後に、少年は息絶えてしまった。
すると男は自身の腕を引きちぎった。

「運がいいよ、君は」

そして引きちぎられた腕からでる自信の血を彼に飲ませる。

「君とは仲良くやれそうだ」

男は嬉々とした顔で、血を飲んだ少年が蘇るのを待った。すると少年の火傷は消えていき、みるみるうちに彼の健康的な姿へと変貌した。

「ようこそ、屍の世界へ。っていっても僕と君以外いないけどね」

少年はあたりを見渡す。黒い霧がかかってよく見えないが、多分誰も生きていない。死体のようなモノが見える。

「ここら辺は僕の毒気があるからしんでるかな。同族である君以外は人間だからなぁ」

男はその場で胡座をかく。

「お前は一体なんなんだ」

「神様ではないし、かといって人間ではないし。一言では表せないけど…『屍』みたいな感じ」

目の前の男は異形の何かであると少年は理解した。そして自分も同類になったのだということも。

「さ、行こうか。僕はちょっと教皇に用があるけど寄り道をしてしまった。友人第一号」

「シエルだ」

友人第一号が不服で少年は訂正をした。

「ノワールだよ、よろしくねシエル」


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