ダーク・ファンタジー小説
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- 黒蛇殺しの鎮魂歌
- 日時: 2021/02/06 21:50
- 名前: ひにゃりん (ID: PNMWYXxS)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12719
初投稿です。誤字脱字、間違った表現などありましたら、教えてくれると嬉しいです。
お知らせ:2021/02/06に、大きく調整を行わせていただきました。物語の内容は変わっていませんが
キャラクターごとの心情が分かりやすくなっているので、初めから読み直すことをお勧めします。
第一話 >>1-5第二話 >>6 >>7 >>9 >>
お知らせ >>8
プロローグ
外の風景。町というほどではないが田舎でもない。制服を着た女子が歩きながら何か話している。
「ねぇ、今朝のニュース見た?」
「うん、密室の連続殺人でしょう?妖の仕業かマギアを使った
人間の犯行か分からないって・・怖すぎるよ」
「だ、大丈夫だって!一人にならなきゃいいんだよ。菜々の家両親仕事でしょう?今日うち泊まって行きなよ」
「ありがとう・・・でもやっぱり怖いよ。だって被害者の電話には最後・・」
そんなやりとりを窓から聞いている一人の少女がいた。
整った顔立ちに色素が薄く灰色っぽい髪をし、片方のサイドを黄色いリボンで結んでいる。
『ジリリリリリリリリリリリンっ!!!!』
唐突に鳴り出した部屋の黒電話に少女は恐る恐るといった様子で近づき、受話器を耳にあてた。
『モシモシ・・・ワタシ・・メ・・・リサ・・・』
受話器から聞こえてくる途切れ途切れの声。しかし少女は怯えることも無く、むしろ安心したかのような表情で机の上にある意味深な黒い機械を手にした。
『イマ・・アナタノ・・ウシ』
その瞬間少女が素早く右手を後ろに回すと、電流が流れる音がして
何かが倒れる音がした
- Re: 黒蛇殺しの鎮魂歌5ノ赫 ( No.5 )
- 日時: 2021/02/06 19:59
- 名前: ひにゃりん (ID: PNMWYXxS)
ーーー視点ナシーーー
夜、星空が覗く廃工場の広間で、メリーは黒蛇の死体を見つめていた。
「アレは貴女じゃなくてわたしのせい。わかってる。でもごめんね、わたしが正気でいるためなの。」
メリーは開いたままの少女の目を閉じてやると、悲しそうに瞳を閉じて呟く。
「わたしは、仲間を持ちたいなんて思っちゃいけない。」
言い聞かせるような独り言が星空に消えていった。
- Re: 黒蛇殺しの鎮魂歌 6ノ赫 ( No.6 )
- 日時: 2021/02/06 20:30
- 名前: ひにゃりん (ID: PNMWYXxS)
ーーー???視点ーーー
…優しい家族。十分な富。そう、全部足りていた。
……………………高望みなどしなかったのに。
ーーーメリーーーー
朝、わたし達は工場から出て東に向かって歩いていた。
「聞き出した情報によると、リイアル村をさらに東へ行った先に
黒蛇が居るらしい」
村!?
聞き慣れない単語に、思わず反応する。
「村…ですか?」
「あぁ、とても大きい」
大きい村なんて、もっと無い。
「…驚きました。マギア戦争の後残った村はほとんど無くて、あっても都市を直す
材料のために壊されたと習ったんですが」
小さい頃からずっと、わたし達はマギア戦争について教えられてきた。昔起きた戦争。外国との間の
戦争で、マギアの乱用が原因だと。あの授業では随分嫌な思いをした。
「王の結婚相手がそこのご出身で、残されたらしい」
しばらく黙って歩いた後、わたしは口を開いた。
「なんだか…酷い話ですね」
リリカさんがチラッとこちらを見る。わかってる。こんなの、軽々しく言うことじゃない。
「みんな何か大事なものを失って辛いはずなのに、そういう恵まれた人だけが
優遇されるなんて…。やっぱり嫌です」
つい、言葉が溢れる。案の定リリカさんはこちらを振り向いて言った。
「そんなので、社会が廻るとでも」
「……っ、分かってます。でも、」
そこまで言ってから、口をつぐむ。
言葉が、出て来なかった。
全く話が合わない。けど、きっとわたしがおかしいのだ。
そのまま、何も言わずにわたしとリリカさんは歩き続けた。
- Re: 黒蛇殺しの鎮魂歌7ノ赫 ( No.7 )
- 日時: 2021/02/06 20:26
- 名前: ひにゃりん (ID: PNMWYXxS)
ーーーメリーーーーー
歩き続け、日が落ちてくるとリリカさんは地面を指差した。
「ここで野宿する。用意をするぞ」
「ゑ!?」
え、ちょっと嘘ですよね。のじゅ……ゑ!?
するとリリカさんはわたしを横目でチラッと見ると
「かたきを取るんだろ?」
そう言われたら、わたしは黙るしかない。
心のなかでそっと、「嫌なやつ」と呟いた。
テントなどの用意が出来たのは、星が1つ2つ見えてきた頃だった。
夕焼けと溶け合った星空、素直に綺麗だと思う。
わたし、なんか流されてるなぁ。今はまだ良いけど。
リリカさんがライターで焚き木に火をつけようとしている。
……なんか、たどたどしいんだけれど、大丈夫?
すると、そこに一匹のリスがテテテと走って来て、リリカさんの前で止まった。
「わぁ!可愛い」
「…………」
リスはわたしとリリカさんをキョロキョロと見回すと、なんとリリカさんのひざに登り始めた。
やばい、リリカさんおっかなさそうだし、危ないよリスちゃん!!
リリカさん何も言わないし、表情も変えないけどそれが逆に怖いから!
しかし特に降ろされたりする事なく、リスはリリカさんの肩まで進み、
到達するとちょこんと座りまでした。
恐る恐るリリカさんのほうを見ると、何故か少し頬を染めている。
……ん?もしかしてこれ、リリカさん。もしかして結構動物好きだったりするの
だろうか。先程からリスに気を使っているのか、焚き火つけも中断してるし……
「 意 外 だ 」
「?。何か言ったか?」
「いえ、何も」
さりげに可愛いところが見れた気がする。
- Re: 黒蛇殺しの鎮魂歌 お知らせ ( No.8 )
- 日時: 2021/02/06 20:29
- 名前: ひにゃりん (ID: PNMWYXxS)
雑談掲示板で猫と少女と陽だまりというレス開きました。(陽菜凛ひにゃりんTwitterがわりから改名)
更新告知とかもしようと思います。
- Re: 黒蛇殺しの鎮魂歌8ノ赫 ( No.9 )
- 日時: 2021/02/06 20:33
- 名前: ひにゃりん (ID: PNMWYXxS)
ーーーメリーーーー
翌朝。しばらく歩いたあと、村にぶち当たった。
「リィアル……村」
そう書かれた石造りの門を前に、わたしとリリカさんは立ち止まる。
「本当に大きい……。ほとんど石やコンクリートで、火事対策もしてある。
まだこんなところがあるなんて……って、リリカさんどこ行くんですか!?」
いつの間にか、村を添うように回り道しようとしていたリリカさんだったが、
わたしが声をかけるとビクッとして立ち止まった。
「なに遠回りしようとしてるんですか!?このまま村を突っ切れば1日も
かかりませんが、周りを歩いていけば3日もかかる可能性もあるんですよ?」
リリカさんは何も言わずに、黙って聞いていて。ちょうど良い。今のうちに
言ってしまおう。
「それにもう9月なんです。わたし達って野宿ですよね。今もう肌寒いのに
冬になったらどうするんです?」
すると、リリカさんは諦めたのか、まっすぐ村の方へと足を進め始めた。
勝った。わたしも、良い気分になってずんずん歩き出す。
けれど、リリカさんが村から出てきた男性と少しぶつかった瞬間。
「ふぁっ」
リリカさんはおかしいレベルで耐性を崩すと、地面に尻餅をついてしまった。
「リリカさん!?」
さすがに、スルーするわけにはいかなくて、わたしはリリカさんに
駆け寄った。
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