ダーク・ファンタジー小説

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G.P(ゴーストポイント)夕霧の幻影
日時: 2020/05/19 10:09
名前: 追佐龍灯 (ID: /b8.z0qR)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12771

この町では、夕方になると霧が現れる。その現象はもう科学的に証明されている。
しかし、その霧の中から自分に関係ある人たちが現れることは、まだ解明されていない。
ゴーストポイント管理局に連絡。捜索隊より。
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「今日は4時間授業なのでここまでです。6時30分より夕飯の支度をはじめます。 はっいカイサン。」
夏期勉強合宿も3日目。明日で終わり。今日は自由時間が長いお楽しみデイになる。
「ねぇ亜理紗〜山の下に町があるらしいから行かない?」
「わかった一緒に行く。課題がだいぶ残ってるからちょっと減らしてから行く。」
「おっけ〜〜」
わたしは伊野亜理紗。フツ〜の女子高生。
とりあえずっこのページだけでも終わらせて行こうかな。
母親が亡くなってから約三年がたつ。このくらいになるともう安定してきた。周りのみんなも私が親がいないことを気にせず話してくれるし。こういうのは気にされるのが一番きつい。
「お〜い亜理紗。」
「何ですか?先生。」
「お前何まだ勉強してんだよ。早く遊びに行け。」
「えっでも課題...」
「そんなもん気にするくらいがちょうどいいんだよ。いいからいけ。」
先生は優しかった。
宿泊施設の玄関を出て坂道を下った。みんなはどこに行ったんだろうか?
玄関から出て何時間がたったんだろう?自分は見知らぬ土地で誰もいないところに迷い込んでしまった。
「ここはどこだろう。」
曲がり角を右に曲がってすぐに昔風味の家が立ち並んでいた。
その中に一軒。木の門があいている家があった。
「人、いるかなぁ?ここが何処か聞こうっと。」
そのときだった。いや?道を歩いていた時から感じていたのかもしれない。
「この家...妙に懐かしいな。」
やっぱり入るのをやめようと思った。そもそも人の家だし、誰もいないかもしれないじゃないか。
踵を返したそのとき。
あたりが一面真っ白になった。
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「えーこの宿泊施設より少し低いところに町があります。持ってきたお小遣いは、そこで使ってください。...といっても買うものもないんですけどね。」
みんなからハハハハと笑いが聞こえた。
夏季勉強合宿の一番最初にあった宿泊施設の人による諸注意だ。なぜこれを思い出したのだろう?
「アッそれともう一つ。下町には夕方になると霧が出ます。水分の多い山から下りてきます。それ自体は心配いらないのですが...出るんですヨ」
アァここからだ。
「幽霊が。」
エェェェとみんなが声を高くする。
「行方不明...とまではいきませんが、みんな帰ってきたら泣いてるんです。」
「亡くなったひとににてるひとがでるらしぃンデスケド。まぁそんな話信じませんよね。」
あハハハハハハハハハ...
なんでもない話がこんなにも痛感することになるとは思いもよらなかった。
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霧の向こうから現れたのは、死んだはずの母だった。
「お母さん?」
ゆっくりとこっちのほうに近づいてくる。私も一歩ずつ近づく。
たとえ人違いでも、後で誤ればいい。
ズサッ ズサッ ズサッ
そこで私は気づいた。
おかしい。お母さんはすり足では歩かないはずだ。
おかしさに気づいたのもつかの間、お母さん(?)は近づく。
「・・・・・・・・・っぁっ」
声が出ない。助けてとも言えない。叫んでも言葉の粒は霧の中にしみこんで消えそうだ。
お母さん(?)はスーーコーースーーコーーと人間のものではない音を立てている。
「アァーもう面倒くさいなぁ。ハァ。」
お母さん(?)は後ろを振り向いた。そこには二十代半ばの黒い革ジャンに身を包んだ男が立っていた。
「んっっっうぅぅぅっ・・・」
お母さん(ではない)は呻き始めた。
「ユウレイトドマリシチにオリ、エイエンムクノネガイヲキキトドケン!」
「うぁぁぁぁぁがっっぁぁうぅぅぅぅぅぅっっっっっ」
お母さん(じゃない!)は大きな声で叫んだ。  しかし霧の中に音の粒は消えた。
「ゲイン!」男は声を張り上げた。
「サヨナラノネガイ、ダイコウニンガホフリシタモウコトヲ、ユルシタマエ。」
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私は無事に宿泊施設に戻った。布団の中で今日のことを考えた。
自分の胸ポケットに入っている男の名刺を見た。
(ゴーストポイント管理局 屠り代行人  湖岐 奈弥)
「湖岐 奈弥・・・なんてよむんだろう?」
      おしまい

ここから先は本編と関係ありませんのでご了承下さい_(._.)_

      あとがき
カタカナ部分をわかりやすくします。
幽霊留まりし地に降り、永遠無垢の願いを聞き届けん! 外印!
さよならの願い、代行人が屠りしたもう事を、許したまえ。
2000文字程度ですが読んでいただきありがとうございます。_(._.)_
つづきは今のところ出す予定はないです。  で八ッ。


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