ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 復讐劇はお静かに 1話2話
- 日時: 2020/09/01 14:57
- 名前: 四ツ谷 (ID: 5K27D2Vq)
血飛沫と共に生臭い匂いが鼻についた。
目の前は深紅の海と化し人であった者がよこたわっている。
今回は手こずってしまった。出血量が多い。
小さなため息をつくと後処理に取り掛かった。
人に近づくと匂いの強さが増し思わず鼻をつまんだ。
手際よく解体し袋に詰める。次にある程度の血液を拭き取り洗剤をかけこする。何分か続ける。
重たい袋を肩にかけ室外に出る。冷たい風と潮の香りが頬を撫でる。
海が近いようだ。
袋をトランクに置き運転席に移る。エンジンをかけ暖房のスイッチを入れた。重音を響かせながら暖かい空気が包み込む。それと同時にクラシックが流れた。
クラシックは好きではない。彼女が好きだったCDを差し込むとオレンジジュースの様な甘ったるくポップな音楽が流れた。彼女も喜んでいるだろう。
海にでも寄ろうか。
そう考えているとトランクから先程の匂いが漂ってきた。
匂いが染み付くかもしれない。
急いで車を走らせた。
1話完
- Re: 復讐劇はお静かに ( No.1 )
- 日時: 2020/08/31 21:28
- 名前: 四ツ谷 (ID: 5K27D2Vq)
部屋に鳴り響くアラームの音で目が覚めた。
時計は午前6:00を指している。
新品のスーツに袖を通しカバンを手に取る。
「行ってきます」
誰もいない部屋だが彼女が聞いてる様な気がした。
通勤・通学者の間を縫うように進み満員電車に揺られながら警察署に向かう。
自分のデスクに着くと一枚のメモが貼られていた。
【屋上で待つ。上都】
屋上に向かうと一つしかないベンチに小太りの中年のような奴がどっしりと座っていた。
横には空のコンビニ弁当が山積みにされ右手には半分ほど食べられた弁当が握られている。
ベンチの後ろに立ち「食べ過ぎだ。」と声をかけると不機嫌そうに顔を歪め「この後聞き込みがあるんだ。」
とまた弁当を食べ始めた。
「ところで要件はなんだ。」
上都は食のことで頭がいっぱいだったのか少しびっくりしたような声を出し急いで米をかきこんだ。
「去年退職された犬田圭さん 、今行方不明なんだ。今日の朝早く捜索届けが出された。もう一週間は帰ってきてないらしい。連絡も取れない状態らしくて。」
「それがどうした。」
またびっくりした顔をすると
「犬田さん2年前の事件の担当者だっただろ。お前なんか知ってるかと思って。彼女さんの事は残念だった。でもお前は警察官だ。道だけは間違えるな」
「誰かを殺したって雪は帰ってこないのはわかってる。それくらいの知力はある。」
上都はそうか、、と弁当を抱え去っていった。
道だけは間違えるな。この言葉が頭からこびりついて離れなかった。
自分の進む道が正しいとは思っていない。治安を守る者としてあるまじきことだろう。しかし俺には俺の正義がある。その正義のためならなんだってするつもりだ。
上都に続き屋上を降りた。
「あっ高虎さん!探しましたよ!三鶴雪さんの事件に進展があったらしいです!」
2話完
すいません。2話はここに投稿させてもらいます。
感想など待ってます!これからもよろしくお願いします!
コメントをもらうと作者は泣いて喜びます!
Page:1