ダーク・ファンタジー小説
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- LAST
- 日時: 2020/10/30 18:45
- 名前: 水黽 (ID: WHyGh.XN)
- 参照: https://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=form
「これで…終わりッ!!!!!!」
気づいたら、また切り裂かれていた。
ゲームで殺された敵の気持ちって考えたことありますか?
可哀想ですよね。
え?思わない?
とりあえず、救いのないはずの敵が生存した話を聞いてください。
きっと面白いですよ。
異世界と呼ばれる世界。ここには、テンプレ通り魔王や勇者が存在する。
長年両者動かなかったが、勇者がある代に変わると状況は一変した。
勇者は人間の町でのんびり働く魔獣や怪獣をどんどんと殺戮していったのだ。
そのため、魔界の者たちは日々勇者に怯えながら暮らすことになってしまったのだ。
[ 魔界 魔王城 ]
「今月に入って殺された住民は25名。先月より5名多いです。」
紅玉の精霊、イアは魔王レミールに報告をしていた。イアは、レミールの秘書。魔法においてはこの世界で一番と言われている。
「はぁ…絶えないね。勇者じゃなくて悪魔だ」
レミールはため息をついた。イアも暗い顔をしている。
「そもそも、私たちがいるから人間界は経済が安定するんじゃないか。人間だけだったら、数少ないし経済は回んないよ」
レミールの言葉にイアは頷く。人間と魔物の数は2:5。人間だけだったら様々なデメリットがある。
「とりあえず、魔界の王達に声かけといて。勇者が入らないように結界強くしといてって」
「了解しました。」
レミールが指示を出すとイアは丁寧にお辞儀をし、部屋を出ていった。
「…何とかならないのかな」
レミールは、窓から覗く月を無意味に見つめながら呟いた。
[ 勇者 ]
「どっかに強いやついないかな」
「ここら辺の奴らは全滅させましたよね」
勇者達は町から少し離れた集落にいた。もちろん、殺しをするためだ。
魔物を倒すことにより、人間界の平和が保たれる。批判する人もいるが、そんな奴は殺せば役目を全うできる。
改めて、辺りを見回すと血の海だ。死体があちこちに転がっている。
「これ、片付けるんですかぁ?面倒臭いですねぇ」
魔法使いマギサは露骨に嫌そうな顔をした。
「もっと綺麗に殺してもらえない?お二人さん」
マギサは剣士ミカドと、ナイフ使いのラスタを睨みながら言った。
「血を出させず殺すなんて難しいよ」
「そうなのね。じゃあ火とか使えば」
「と、とりあえず片付けよ!早く帰りたいし!」
いつまでも続きそうなので、ミカドは慌てて止めた。マギサもこのままだと日が暮れてしまいそうだと気づいたようだ。
「ごめんなさい。早く片付けよう。1箇所に集めてくれたら燃やせるから、お願いね」
その言葉に一同は頷き、それぞれ動き始めた。