ダーク・ファンタジー小説

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現実は辛いぞ 【短編小説】
日時: 2020/11/26 07:26
名前: 烏 (ID: OYJCn7rx)

こんにちは。烏です。
“烏”としては初めての小説になります。
現実世界の小説大会で佳作や次点をとった事があるので
小説を書くのは下手ではないはずです。
思いついた時に適当に書いていきます。



♯1 ボジョレー・ヌーボー

♯2 夢の彼方に

♯3 思考コントロール

Re: 現実は辛いぞ 【短編小説】 ( No.1 )
日時: 2020/11/24 16:37
名前: 烏 (ID: OYJCn7rx)

第一話 ボジョレー・ヌーボー



🎵あの日に呑んだボジョレーヌーボー
何とも言えない味がした


蕏塚 尚人は、自身がまだ成功していなかった時のことを思い出していた。
あの時は若かったなあ……曲がウケなくても、ライブに来た人が一桁でも挫けずに
新しい曲を考えていた。
でもそれももうキツくて自暴自棄になって暴飲暴食を繰り返した。
財布はほとんどからっぽ。
でも酒が呑みたい。そんな時に、コンビニの貼り紙を見つけた。


[ボジョレーヌーボー解禁日!]

今日はボジョレーヌーボーの解禁日です!
ぜひ呑んでみませんか?



そうか……今日が解禁日なのか。
日付を確認した。今日は俺の誕生日だ。
ボジョレーヌーボーの解禁日が誕生日なんてな。
縁があるのかな?


🎵今日は俺の誕生日
誕生日が解禁日なんて
運命じゃないか


これは運命だ。俺はボジョレーヌーボーを買った。
安かったから俺の財布でも買えた。
色々なものが混ざっている味がした。

どんなに努力しても結果が出ない悔しさ。
彼女にフラれた時の虚しさ。

本当に色々なものが混ざっていた。
俺はボジョレーヌーボーを取りに行く。


🎵悲しいことがあったときは
ボジョレーヌーボーを手にしなよ
慰められるしー


俺はボジョレーヌーボーを一気飲みした。

Re: 現実は辛いぞ 【短編小説】 ( No.2 )
日時: 2020/11/24 21:01
名前: 烏 (ID: OYJCn7rx)

第二話 夢の彼方に



「1255円になります。」

1255円か……今月の残金は2万3000円。これであと十日を過ごす。
今買ったのは食材。前は冷凍食品や菓子パンで食事を済ませていたけど、
体に良い食材の方が肌もツルツルになってオーディションに受かって一躍時の人?

また妄想をしてしまった……
私の名前は壱原果奈。芸能事務所に勤めているの。
いつか大女優になることを夢見て活動中!
でも……仕事は全然はいってこない。確かに私は顔も可愛くなくて芸能界に向いてるところが
一つもない。月収10万円足らずの月もある。
私はこのまま成功できないだろう……

それは分かっている。でも、大女優になる日を夢見ずにはいられない。



残金が2000円になってしまった。どうしよう。
実家に帰省するしかない。連絡を入れる。


果奈 明日帰って良い?

恵美 ええ。分かったわ。女優の仕事がうまくいってないなら
いつでも相談してね!


恵美とは母のことだ。帰省できることになったから、2000円をパーっと使ってしまいたい。
映画を見に行こう。シネマまできた。なんのチケットを買おうか。
これにしようかな?


映画が始まった。王道の恋愛ラブストーリーかと思いきや、
スパイサスペンスの要素があった。
悪の組織のボス、美世を演じていた娘に見覚えがあった。
映画が終わってエンディング曲が流れ出した。



美世役 枉内 音峯


枉内音峯って!ネネっちじゃない。高校時代の私の親友の。
ネネっちに連絡を入れる。


果奈 ネネっち!映画に出てたの?


返信はすぐに来た。



ねね ごめんね。果奈。歩いてたらスカウトされて、色々あって
映画に出ることになって……
新しい作品にも出演するの。本当にごめんなさい。
果奈が女優目指してるの知ってたから言えなかった。


ネネっち……ネネっちはすごい。映画で名前のある役をもらって……
私とは大違い。
ネネっちは、私とは違って美人だし、演技力があるし、当たり前かあ……
ここでネネっちに嫉妬してもしょうがない。
ネネっちに負けないように頑張らなくちゃ!



壱原果奈。彼女は三年後、名脇役として名を馳せることになる。

Re: 現実は辛いぞ 【短編小説】 ( No.3 )
日時: 2020/11/26 07:24
名前: 烏 (ID: OYJCn7rx)

第三話 思考コントロール


朝起きたらまずやること。それは思考コントロール。
お腹が空いたという感情を消して、眠いというファイルに書きかえる。
そうすると空腹は収まるし猛烈に眠くなってうつらうつら。
そのうちに寝ている。
唯一困っているのは、まだ思考を書き変えていない朝だ。
書きかえる前は、今まで消していた空腹が一気にくる。
今日は気絶しそうになった。
これではいつか死んでしまう。


ん?

私は“生きたい”という感情に囚われているのではないか。
生きたい。だから感情を書きかえる。
生きたい。だから死を恐れる。
生きたい。だから感情を制限する。

そう、私は生きたいんだ。


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