ダーク・ファンタジー小説
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- 異世界の端くれ
- 日時: 2020/12/01 20:41
- 名前: 追佐龍灯 (ID: /b8.z0qR)
「異世界」
「異世界」とは、人のイメージによって大方全て異なっている。だが、その全てに共通していること。それは、このせかいとはまた違う、が、世界であることは確かと言うこと。
そして、誰もが思い描く「異世界」と言うのは、理想像であることも、はたまた絶対に訪れたくない自分の中の最大の恐怖像であることもある。
つまり「異世界」とは…………まぁよくわかんねぇよってハナシ。
- 四月七日Part1 ( No.1 )
- 日時: 2020/12/09 19:29
- 名前: 追佐龍灯 (ID: /b8.z0qR)
四月七日
朝
今日から新しい生活が始まる。そう、高校生活だ。オレの名前は本城 紅人今日からキラキラの高校生だ。
後ろから誰かが近づいてきて、突然話しかけてきた。
「うぃーっす、おっはぁ。」
中学時代の同級生である三谷 彰だった。
本城:「おはよう。」
三谷:「今日から…二人になっちまうな。」
本城:「うん、でもまぁ…対して変わりゃぁしねぇだろ。」
三谷:「確かに…それもそうか。」
午前
入学式が始まった。と言っても、今年の入学式は簡易的に行われるものだった。
隣の席の男子:「よぉ、お前、三谷だろ?」
本城:「断じて違うぞ。」
隣の席の男子:「うぇ、マジかよっ!三谷ってやつが黒谷中学校のエリート五本の指に入るってハナシきいて、同じ黒谷の奴から聞いたのによ。⦅あいつだぁ⦆って言ってたのによ。朝。」
本城:「あぁそれなら、オレの隣にいたメガネが三谷だよ。君、名前はなんていうの?」
隣の席の男子「おいおい、そんな堅苦しくなくていいぜ、気軽に三波って、呼んでくれよ。三波 虹草っていうんだ。変な名前だよな?」
本城:「フフッ、確かに…。」
三波:「だろぉ?」
本城:「オレの名前は紅人。本城紅人。」
三波:「お前も変な名前だなっ!……ってか、お前もしかして…。」
本城:「あぁ多分そう。」
三波:「五本エリートの一人じゃんけ!」
教員:「ちょっと君たち!」
三波:「うげっ!」
昼休み
三谷:「こいつは誰だ?」
三波:「ういーーっす。」
本城:「こいつ、オレの一つ後の出席番号、三波。」
三波:「三波 ニジクサって言いまぁす。よろしくうっっす。三谷先輩!」
三谷:「誰が先輩だぁっ!同級生だろうがぁ!それに、三波だったら俺と三が被るじゃねぇか!」
楽しく昼ご飯を食べた。
三波:「そういえば、二人とも、何の部活に入る予定?」
本城:「部活?」
三谷:「おい本城、うちの学校絶対部活はいらないといけねぇぞ。」
三波:「そうだぜ、本城!」
本城:「部活かぁ。」
変な人:「君たち!」
三谷:「うおっビックリしたぁ!」
変な人:「何の部活に入るかは決まっていないのかね。」
三谷:「いやぁ、決まってないですけどぉお…。」
変な人:「君たち!」
三谷:「うおっビックリしたぁ!」
変な人:「名前は!」
本城:「本城紅人」
三波:「三波虹草」
三谷:「三谷彰…って、言っていいのか名前!?」
変な人は三枚の紙を懐から取り出して、何かを書き込んだ。
変な人:「これで三人か。君たち!」
三谷:「うおっビックリしたぁ!」
変な人:「放課後、旧館二階の元技術室に来たまえ。ではっ!」
本城:「何だったんだろ。」
放課後
三波:「で、あの変な人の言ってた旧館二階、行くのか?」
三谷:「オレはパスだ!」
本城:「なんで?」
三谷:「教は塾があるのでな!ではっ!」
三谷はそそくさと駆け出して行った。窓からは、三谷が全速力で走っているのが見える。
三波:「うわっ、すげぇ逃げ腰。」
本城:「おしっ行くぞ!」
三波:「どこに…ってもしかして行くのか!旧館二階!」
本城:「とりあえず先生に旧館が何処か聞こうぜ。」
三波:「まじかよぉ。」
先生に聞くと、先生は少し顔を歪めた後に、校門の前の横のわき道をまっすぐ行ったところだと言った。言われた通りに道を進んだが、三十分ほど進んでも森の様な道が続く。
本城:「くそっ遠すぎやしねぇか?」
三波:「何が⦅まっすぐだ。⦆だよ!どこがやねーん!」
本城:「てかこの道、さっきも通らなかったか?」
三波:「えっ?」
本城:「おいお前そこたってろ!」
三波:「どういうことだよ!」
オレはまっすぐ道を走った。三十秒もしないうちに三波の姿が見えた。
三波:「どういうことだよっ!」
本城:「俺たちは何度も同じ道を通ってたんだよ!」
三波:「えぇ!」
本城:「三波、一つだけ聞いてくれるか?」
三波:「何だ?」
本城:「………………後戻りする気は?」
三波:「ねぇな!」
本城:「だよな!」
つづく
- 四月七日Part2 ( No.2 )
- 日時: 2020/12/09 19:27
- 名前: 追佐龍灯 (ID: /b8.z0qR)
本城:「ひとまず、ここから出るためには、ここをぐるぐると回ってる理由を探さねぇとな。」
三波:「怪奇現象…としか言いようがねぇよな?」
本城:「オレもそう思う。この現象科学的に証明するのなんて、絶対に無理だな。だが、前に進む以外に行く道はないしな。」
三波:「でもそれってよぉ。」
本城:「………どうした?」
三波:「道を自分から作ればいいんじゃないか?」
本城:「自分で道を作る?…そう言うことだよな。」
三波:「まっすぐ進む、だけじゃない。右にも左にも方向自体はあるじゃねぇか。」
本城:「なるほどな。」
おれと三波は話し合ったが、特に何も思いつかなかった。
本城:「虹草、お前格闘術は?」
三波:「やったことあると思うか?」
本城:「ねぇと思う。」
三波:「大当たりだ。でも、とりあえず右に進もうぜ。」
本城:「そうするか。」
右に進むと、俺たちは見えない壁にぶつかった。
三波:「いてっ!」
本城:「何だこれ?」
三波:「おいちょっと待て、何か聞こえないか?」
三波の言う通り、耳をすませてみると、細い声が耳の中にこだました。
『オマエラニガサナイ…』
『シュクンノメイヲシヌマデハタス…』
本城:「どういうことだ?誰なんだよお前!」
三波:「本城、あぶねぇ!」
慌てて後ろを振り向くと、後方から三本の矢が飛んできた。
奥には人間の様な姿形をした黄色い目をした「何者か」が立っていた。
本城:「誰だテメェ!」
「何者か」は自分の右手に持っていた弓を大きく構えた。
三波:「しゃがめ!本城!」
弓から高速で奔った矢は、まっすぐにオレの右胸を貫いた。
三波の忠告から数秒もする間もなくしゃがんだ俺だったが、避けきることはできなかった。
本城:「くっ……。」
三波:「本城ぉぉっ!」
::::::::::::::::::::::::::::::::
男の声が耳元で聞こえる。
???:「何とも無様な姿だな。」
体が動かない。
???:「いつまで寝ぼけて倒れこんでいるつもりだ。」
目を見開くことも、何かを感じることも難しい。
???:「………。」
???:「この場所は⦅イメディアテリ⦆。終焉を待つものの場所。最後の一歩手前。」
???:「いくつもある異世界の中でも、簡単行くことができない、終焉を待つもののみに託された場所。」
???:「貴様も、終焉を迎えるのか?」
いや…。
本城:「…………ち……ちが……ぁ…う…。」
???:「ほう、貴様今違うと申したな。」
クックックと静かに聞こえた。
???:「……………意地悪はこの辺にしておくか…。」
???:「貴様は稀な人間だ。異世界を渡る旅人の力を持つ…な。」
本城:「たび…び…と……?」
???:「私から君にささやかなプレゼントをしてやろう。」
???:「位階なるものに対抗する手段。」
彼はオレの額を軽く触った。
???:「⦅カルマ⦆だ。」
何か温かいものを額で感じる。
???:「うまく使うといい。」
本城:「お前……な…名前は…?」
???:「それはまた今度だ。」
目は開けないが、彼が笑っているのが感じ取れた。
::::::::::::::::::::::::::::::::
三波:「本城!」
三波の声が聞こえる。
「カルマ」…。
「カルマ」……
「カルマ」!
本城:「カルマァァ!」
叫ぶと同時に視界が開けた。温かいものを感じる。いや?熱い…。
三波は負傷して倒れこんでいる。「何者か」は、三波に覆いかぶさるようにして立っている。
何者か:「グ、グゥゥ!」
「何者か」は俺が起き上がったことに気づいた。
三波:「本城!」
自分の中に熱い意志を感じる。
形に表せるだろうか?
本城:「相手にダメージを与えるためには、刃が必要だ。それにこの熱さを上乗せして…。」
何者か:「クタバレェェ!」
本城:「カルマ!ファイアサーベル!」
右手から一メートルにも満たない刀身をした炎でできた刀が生まれた。
「何者か」は、大きく振りかぶって同時に四本の矢を放った。
だが、オレは無意識のうちに体を動かし、その四本の矢を切り刻んでいた。
本城:「鉄刀術 新月の祓⦅黒円⦆」
三波:「やっちまえぇぇ!」
本城:「一気に仕留める!」
何者か:「ウガァァッ!」
「何者か」は無数の矢を多方向から飛び出させた。」
本城:「少ないなぁっ!」
本城:「鉄刀術 月華の祓⦅瞬き⦆」
上から下に一瞬の間に三閃。「何者か」は塵となって消えた。
三波:「やったぜ!」
「何者か」を斬った後に、炎の刀は消えた。それとともに、胸に刺さっていた矢も消えた。
本城:「うっ…!」
三波:「どうしたんだ?」
変な人:「刺さっていた矢が消えたんだ。出血が始まったんだろう。」
三波:「お前…!お前の言う通りに来たらこんなことに…。まさか、さっきの人型もお前の手下か!?」
変な人:「そーだけど。何か?」
三波:「てめぇっ!」
三波を無視して、変な人はオレのほうに寄った。
変な人:「カルマ。リフレイン。」
変な人の力で、胸の傷は回復した。
本城:「はぁっ…はぁっ…死ぬかと思った…。ハァ。」
三波:「てめぇっ!何者なんだこんちくしょぉ!」
変な人は踵を返して向こうへと足を進ませた。
よく見ると昼休みに学校の制服を居ていたのとは打って変わって、膝丈まである長いコートを羽織らせている。
変な人:「君達。積もる話もあるだろうが、今日はひとまず帰りたまえ。親御さんが君たちを心配して待っていることだろう。」
変な人は手をひねらせて構えた後、指を鳴らした。
パチンッ!
一瞬の間に、自分の家に帰ってきた。
本城:「!?」
三波に電話でもしようかと思ったが、今日知り合いになったばかりなので、連絡手段を持ち合わせていなかった。
夜
今日は不可解なことが起こりすぎたので、勉強をすることにした。
「知力」が1上がった。→現在合計値1
そして早々に寝ることにした。明日になったらまた発展があるかもしれない。そう期待を込めて寝ることにした。
つづく
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