ダーク・ファンタジー小説

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3分で読める超短編 男赫夜姫
日時: 2021/02/01 16:14
名前: 陽夜 (ID: xxFx3C/2)

薄暗く生暖かく気持ち悪い。
妙に湿った床に叩きつけられゆっくりと自分の命が朽ちてゆくのを感じる。
その床には、自分の腸の一部が引きずり出され眼球に滲む血がその残酷さを引き立てる。
穴の開いた肺から漏れ出す空気。
いよいよ、視界が端から欠けてゆく。
後は、死に体を任せるだけだ。
それだけ。
なんとか、灰色の天井に向かい仰向けになる。
すると、鼓膜の破れた耳から微かに音が漏れてきた。
ガレージの開閉音だ。
少しずつ、少しずつ。
死の音が遠ざかってゆく。
死神が私を見捨てる。
生の音がゆっくりとゆっくりと近づいてゆく。
天使が私を地上へと引きずりおろす。
「ぁ”…。」
情けない声が口から漏れ出す。
私に決定権はない様だ。
地獄から月明かりに照らされた男の赫夜姫は私を抱き上げた。
それは、母が如く温もり。
そして、私の意思は完全に途絶えた。


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