ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【旧】白と黒の魔法戦争
- 日時: 2021/12/10 19:45
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ (ID: 0bK5qw/.)
知っていますか? ある預言者のお話。その人は、こんな預言をしたんだそうです。
”白き勇者、白と黒の戦に終わりを誘われん”
でも、預言者の言葉は信じられることがありませんでした。今、その預言を知るすべは、田舎にある書庫にある、埃をかぶった預言者の日記だけだそうですよ。
―――――――――――――――――――――――
☾主な登場人物
レイヴィー・フリーザメイズ‐この物語の主人公。白い髪に紫の瞳をもつ少女。
エマ・アフター・ハイ‐白の魔法騎士団団長。金髪で赤と青の瞳をもつ女性。
サーミリ・???‐黒の魔法騎士団団長。苗字、容姿共々不明。
ジェイラル・アヴェーランス‐この世界と、ラジャリスの世界を繋ぐ扉の管理人兼案内人。
☾注意事項
・流血表現、暴力表現、死ネタがあります。ハッピーな展開とは程遠いシーンもございます。
・作者が掛け持ち魔なため更新がかなり遅いかもしれませんが、暖かい目で見守っていただけると嬉しいです。
・この小説は作者が真面目に書く初めての小説です。下手くそなとこもあるかと思われますがよろしくお願いいたします。
・コメント(感想やアドバイス)頂けると凄く嬉しいです。お気軽にどうぞ。
☾お知らせ
・2021/7/18 >>13の内容を一部変更
・2021/12/10 リア友のアドバイスを得て新しくやり直します。しばらくは既存の内容に色々凝っていく。
☾目次
最新話 >>17
・プロローグ
【扉を開けて】 >>1 全一話。
・第一章
【大図書館】 >>2->>8 全六話+番外編。
第一話「朝ですよ」 >>2
第二話「変わらない光景」 >>3
第三話「朝ごはん」 >>4
第四話「大図書館」 >>5
第五話「大図書館のお化け」 >>6
第六話「白き勇者」 >>7
番外編「羽セスが全巻ある!?」 >>8
・第二章
【祀られる少女】 >>9-
第七話「戦闘訓練」 >>9
第八話「保健室にて」 >>10
第九話「援助拒否」 >>11
第十話「勇者様がいるから」 >>13
第十一話「出発」 >>14
第十二話「牢獄」 >>15
第十三話「少女ライレン」 >>16
第十四話「解術」 >>17
- Re: 白と黒の魔法戦争 ( No.3 )
- 日時: 2021/03/20 15:54
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ (ID: 0bK5qw/.)
-第二話「変わらない光景」-
朱髪の女性――ライトという女性は、マイが退出した後、自分が穴を空けてしまったパジャマを見つめていた。
毎度直すのをマイに丸投げしているのだ。それは怒られる。
いや、普通に買えばいい話なのだが、白団の経済管理をしている、センドという少年が実家が貧乏なためかかなりの節約家なので「こういうとこに資金を使うな! 直せ!」と言われている。
そうすると、ライト自身裁縫が苦手なので、マイに丸投げするしかない。
「……今回は下手なリにも自分でやってみるかぁ」
しかし、まだ問題はある。裁縫セットがない。「それこそ買えよ」と思うかもしれないが、これで買ったらセンドの雷が落ちる。とても怖い。メイヴェルに借りよう。
「メイヴェルー」
「なんですか?」
耳をぴょこっと上にあげ、振り返るメイヴェルの愛らしい仕草にライトは微笑み、言いずらそうに口を開く。
「そのー、なんだ。……裁縫セット、貸してくれないか?」
苦笑交じりでそう言うライトに、メイヴェルは一瞬きょとんとし、すぐに驚いた様子で自分のベッドのすぐ横にある棚を開ける。
「なんと、いつもマイさんに任せているライトさんが! どういう風の吹き回しですか?」
そして、裁縫セットを取り出し、ライトに渡す。
「で? まだ要件があるんでしょう?」
と、笑顔で首を傾げてそう言うメイヴェルに、ライトは苦笑する。どうやら、何でもお見通しのようだ。
「えっと……裁縫教えてください」
「素直でよろしい。……訓練後、時間空けておいてくださいね?」
そう言ってニコッと笑うメイヴェルに、ライトもつられて笑う。
メイヴェルは、レイヴィーを見て、話しかける。
「レイヴィーちゃんもどう? お裁縫!」
「いえ、私は大図書館に行くので」
「えっ、また? 昨日も行ってたよね」
メイヴェルが言うように、かなり前からレイヴィーは大図書館に通いっぱなしである。毎日どころか、時間が空いたら読書か、大図書館に赴いている。
「はい、面白い本が多いので」
「今度、私達も行っていいかな?」
「えぇ。お客がたくさん来た方がバラット……大図書館の主も喜びますよ」
そう言いつつ、朝食を食べ終わったら大図書館へ行く用に、返す本を何冊か持つ。
一足先に部屋を出たライトとメイヴェル、それから紫の髪の女性――アゲリ(本名はアゲリーヴェッタだが、長いので省略している)に続く。
「アゲリ、平気? ふらふらだよ?」
と心配する様子でアゲリを見る。
「だいじょぶだいじょ……」
「って危ない!」
倒れかけたアゲリを、メイヴェルが支える。
「今日は夜更かしさせませんよっ!」
「えっ、やだ。まだ途中……」
「やだじゃありません。まったく、戦場で倒れたらどうするっての?」
「薬あるし……」
「駄目なものは駄目」
「縛り付けてでも寝させます!」
賑やかな光景。いつもと、まったく変わらない光景。絶対に、誰一人とて欠けることはない光景だと、レイヴィーは信じていた。
保証できることでは決してない。白団は、黒の魔法騎士団と戦う立場にある。いつか、誰かが欠けるかもしれない。明日には、この場に己は存在しないかもしれない。それでも、このときは、この瞬間は、あったかい気持ちでいれる。
不意に、ライトが振り返る。
「レイヴィー、聖刀はちゃんと持った?」
「はい」
返事して、自分の首にかけているひもを指で持つ。
「ん、よし」
確認すると、また前を向く。
女子寮を出ると、晴れた青空と、爽やかな景色が広がる。
「んー、今日もいい天気ですね!」
と言って背を伸ばすメイヴェル。
「そうだな」
微笑み、そう言うライト。
そして、黙ったまま皆、空を見上げた。
「……さっ、食堂行こう!」
しばらくの沈黙を、ライトが破る。
「そうだね」
頷き、歩き出すアゲリ。
食堂に入ると、数人の団員がいるのが見える。
「よっしゃ、今日も残さず食べるぞー!」
ライトが笑顔で言い、列に並ぶ。それに、三人も続いた。
-第二話「変わらない光景」終-
- Re: 白と黒の魔法戦争 ( No.4 )
- 日時: 2021/04/30 21:15
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ (ID: 0bK5qw/.)
-第三話「朝ごはん」-
列に並び、朝ごはんを受け取っていく。
「お、3バカ&レイヴィーやん、おはよう!」
と言って元気に手を振り、四人に朝ごはんを渡す、巫女服の女性。暗い藍の髪色で、左目には傷があった。
「おはようございます、アヴェーニャ姉さん」
「アヴェ姉、おっはよー!」
レイヴィーとアゲリがそう答える。
藍髪の女性――アヴェーニャは四人の顔を見回すと、満足したように頷いた。
「うん、今日も調子よさそうで何よりや。今日も一日、超元気に、やで」
そう言って微笑み、手を振って席を探しに行く四人を見送る。
レイヴィーを除いた三人は、もう既に座る席を決めていた。走り出しそうな勢いで、レイヴィーを半無理矢理連れて目的の席に向かった。その先には、これ以上ないくらいに美味しそうに食事をしている金髪の女性の姿があった。
「団長!」
「んっ、ふぇいえる(メイヴェル)!」
そう言うと一度黙り、口の中にあったものを飲み込むと、再び喋り始めた。
「やっほ、一緒に食べようか」
そう言って、ここに座ってとでも言うように、隣の椅子をぽんぽんとたたく。
レイヴィーは早く食べ終わって図書館に行きたいのか、急ぎ気味にエマの隣に座った。
「あぁあ~! レイヴィーずるい! エマの隣は私が座る!」
「いや子供か」
レイヴィーがエマの隣に座ったのを見て頬を膨らませてそう言ったアゲリに、ライトがツッコミを入れる。
別にエマの隣に座りたかった訳でもないので、朝ごはんを持ち上げて、エマの向かいに座った。
アゲリは満足そうな笑顔で、レイヴィーが座っていた席に座り、レイヴィーを見る。
「ありがとう!」
「いえ、別に、団長の隣に座りたかった訳でもないので」
「それはそれで私が傷つくなぁ、珍しくレイヴィーが可愛いとこ見せてくれたと思ったのに」
「戦場で爆薬積んでる馬車に火をつけて敵側に吹っ飛ばした人に可愛げを求めないでください」
そんな会話をしている間に、ライトがメイヴェルにジャンケンで負け、メイヴェルはエマの隣に、ライトはレイヴィーの隣に座った。
「くっ、また負けた……」
「ふふ、ジャンケンで私に勝てるとは思わない方がいいですよ」
悔しがるライトに、ドヤ顔でそう言うメイヴェル。
小さい頃からジャンケンで負けなしだった。メイヴェルに勝てるのは、故郷にいるメイヴェルの姉くらいだろう。
「それにしても美味しいなぁ」
「良かったですね、生ハムあって」
「うん!」
笑顔でそう言い、また一口食べる。
ライトはそんなエマを見て、微笑んだ。
「さっ、アタシ達も食べよ」
「そうですね! いただきます」
「いただきまーす!」
「いただきます!」
「ごちそうさまでした」
三人揃って手を合わせ、食べ始めると同時に、レイヴィーはもう既に食べ終わり、片付けに行く。
「レイヴィー食べるの早っ、エマよりも先に食べ終わってる……」
「私はよく味わって食べたいからね、ちょこっとずつ食べれば美味しいのを何回も味わえる」
と微笑み、自慢げに言うエマ。
「そうですね、私達は特に用事はないですし、このままゆっくり食べましょう」
「そうだな」
そう言っては、談笑を楽しんだ。
-第三話「朝ごはん」終-
- Re: 白と黒の魔法戦争 ( No.5 )
- 日時: 2021/04/11 16:06
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
-第四話「大図書館」-
朝ごはんを食べ終わり、片付けが終わったレイヴィーは本を持ち、白団の寮を出る。
いつも通りの賑やかで人が多い平和な街。その奥の奥へと進むと、その大きさの割にはひっそりと立っている大図書館がある。
ギィと音をたてて扉を開け、大図書館の中に入る。そのままレイヴィーは迷うことなく、大量の本が積まれたカウンターのような場所に向かった。
レイヴィーよりも背丈がある本の壁を軽くノックする。上の本が少し崩れ落ち、音が鳴る。
積まれた本が、小柄な色白肌な手でどかされる。現れたのは、白髪に近い水色髪に、紅い瞳の本を読んでいる少年――いや、小柄な男性と言った方が正しいか。
「……いらっしゃ、ってレイヴィー‼ おはよう!」
最初はかなり気だるげにしていた男性だったが、相手がレイヴィーだと分かるが否や、パッと笑顔になった。
「相変わらず私とエマさん以外の人にはその態度ですか、バラット」
「今日は何をしに来たの?」
どうやらまったく話を聞いてない様子だ。
レイヴィーはため息をつくと、先ほど積まれた本がどかされたことにより空いた隙間に持っていた本を置く。
「これを返すのと、新しく本を借りに来たんです」
「いつもこんなとこに来て、レイヴィーつまらなくない?」
頬杖をついて微笑みながら問いかける。
「いえ、別に。それに、いつも来たところで迷惑じゃないでしょう? 貴方いつも暇ですし」
「一言多いかなー」
ニコニコしながらレイヴィーの話を聞くバラット。そして、自分が読んでいた本を閉じ、レイヴィーに差し出す。
「これ、オススメだよ。大昔の預言者の話。結構田舎んとこから取り寄せたんだ」
「へぇ。それでは、それとあと何冊か借りて帰ります」
そう言い差し出された本を受け取り、天井まで伸びる本棚が並ぶ方へと進んだ。
☽
本棚の横をゆっくり歩き、興味を引いた本を二冊ほど引き抜く。既にレイヴィーの腕には三冊ほど本が抱かれていた。
そして次に、魔法を使って上の段をあさる。一冊の本に手をかけ引き抜くと、思った以上に本が重く、下に落としてしまった。
魔法を解除し下に落ち、床に触れる直前にふわりと浮き、足をつける。
バラットが読み漁りそのまま放置した本がごった返しており、先ほどの本を見つけるのは苦労しそうだ。
一冊一冊持ち上げ、先ほどの本の重さに該当する物を探す。しかし、何度も何度もやっても、そんな本は見当たらない。どうしたものかと考えていると、これだけ苦労する原因になる張本人が現れた。
「やぁやぁお姫様、何か探し物?」
「えぇ、貴方のせいでかなり大変になっていますが」
「え? 酷くね?」
せっかくだしこいつにも協力させようと思い、さっき起こったことをバラットに説明する。
「あぁ、それ大図書館のお化けの仕業だねー」
「え?」
-第四話「大図書館」終-
- Re: 白と黒の魔法戦争 ( No.6 )
- 日時: 2021/04/30 21:33
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
-第五話「大図書館のお化け」-
「あぁ、それ大図書館のお化けの仕業だねー」
「え?」
お化け、という単語に反応したレイヴィー。その次には、体が異様な速さで震え始めた。
その犯人のことを詳しく知っており、それがお化けでもないことは知っているバラット。レイヴィーの大のホラー嫌いを知っているため噓をついたが、中々面白い反応が見れて内心ニヤニヤしながらレイヴィーを見ていると、次の瞬間、頬にかなり鋭い痛みが走った。
「だぁれがお化けじゃこのバカットォォ‼‼‼‼‼」
「ぐえっ⁉」
頬に思いっきり飛び蹴りをくらい、壁まで吹っ飛び、背中を打つ。
「げっほ、いった⁉ ハァ⁉ ふざけんなバレット!」
赤くなった頬を手でおさえ、飛び蹴りしてきた相手を見る。
「人をお化け呼ばわりした自分を恨みやがれ!」
ローブを着たバラットに似ている少年が、そう叫ぶ。
一方レイヴィーは急に現れた第三者をお化けと勘違いし、しゃがみ込み頭を腕で隠し、震えながらブツブツと何かを呟いていた。
「悪霊退散悪霊退散悪霊退散」
「だから誰がお化けだ! って……お前誰?」
怒った声でレイヴィーを見やり、首を傾げる少年。
かなり痛む背中と頬をさすりながら起き上がり、2人に歩み寄るバラット。
「客だよ、客。数少ない人なんだからお前失礼働くなよ」
「は? マジ? あれ噓じゃなかったんだ」
と顔をしかめる少年。バラットはレイヴィーに手を差し出す。
「すまんすまん、大丈夫だから、な?」
「……」
まだ少し警戒しながらその手を取り、立ち上がる。
「紹介するよレイヴィー、俺の妹のバレットだ」
「……え? 女?」
「誰が男だ!」
カッとなりレイヴィーに殴り掛かったバレットを、バラットが捕まえる。
「ごめんな、こいつ女のわりに血の気多くってさ」
「うるせぇ死ねやクソ兄貴」
そう言うと自分をホールドしている兄の腕に嚙みつく。
「ん゛っ……。まぁ、とりあえずこいつがさっきのレイヴィーの話の真犯人ってとこ」
「実の妹をお化けって……」
「そりゃレイヴィーの面白い反応見たいじゃん?」
「一回天国行って私のこと脅かしに来ます?」
「申し訳ございませんでした」
☽
その後説明されたことによると、バレットは普段2人の家に居るらしいのだが、暇つぶしに大図書館に来てはさっきみたいに本を魔法で重くして落としたり、面白そうなのがあれば読んで帰っていくそうだ。
ちなみにバラットが小声で、
「鬼! 悪魔! 本当にお前人類を救うための騎士団入ってんのか!」
と言っていたので軽く(結構強めに)殴っておいた。
「これとこれ、借りていきます」
「はい、500*セダットです……(涙)」
お金を置いて大図書館を去る。早く帰ってこれらを読もう。
*セダットとは
ラジャリスの世界共通のお金の単位です。この世界のお金はほぼ全て紙幣で、後は特に模様が描かれていない金貨などです。
-第五話「大図書館のお化け」終-
- Re: 白と黒の魔法戦争 ( No.7 )
- 日時: 2021/04/09 20:46
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
-【第一章最終話】第六話「白き勇者」-
寮に帰り布団に飛び込むと、借りてきた中の、バラットがオススメだと言っていた物を読み始める。
本の内容は、どうやらどこかの預言者の日記を無理矢理小説にしたようだった。
「……白き勇者」
白と黒の戦に終わりを誘われん、か。そんなのが居たらこちとら苦労しないんだよ。
そう思いながらペラペラとめくっていく。
「……便利そうな魔法。今度マイさんに教えましょうか」
中には魔法のことが書いてあり、それが中々面白く、あっという間に読み終わってしまった。
本を閉じ、他の本を手に取ってまた読み始める。それはシリーズ物の小説で、ラジャリスの世界の伝説のお姫様の話が元になっている。ちなみに、まだ完結しておらず絶賛連載中だ。
「……スゥーッ…………今回も最高ですね」
あそこの大図書館は主の性格はともかく、こういうのが発売されたら即何冊も入荷されてしかも空いているからとてもありがたい。
次回も入荷したら教えてくれるだろうし、楽しみで仕方がない。
「ただいまー! ってレイヴィー何読んで…………え?」
「どうしたんですかライトさ……ふぁ?」
「何々何して……………………ハァァァ⁉」
3人が帰ってきて、レイヴィーの読んでいる小説に目を向け、驚いている。
まぁ仕方のないことだろう。この小説、『羽ばたき姫様』、通称*羽セスは男女関係なく大人気な小説で、手に入れるのがかなり難しい物だからだ。
「え? え? なんで持ってるのレイヴィー⁉」
「あっ分かった! 最近通い詰めの大図書館だな!」
「レイヴィーちゃんズールーいー! 羽セスある大図書館なら早く紹介して欲しかった!」
困惑した様子でレイヴィーに質問攻めする3人。
いつもは帰ってくるのはもう少し遅いので、完全に油断していた。
「……教えてあげてもいいですけど、絶対に誰にも言いませんね?」
「分かった!」
「絶対ですよ?」
と言い、大図書館の奥の方の本棚にあると伝える。
「凄く広いので、迷わないでくださいよ」
ため息交じりにそう言った。
☽
「……気付くかな」
本を読みながらそう呟く。
「白き勇者。……俺的には、レイヴィーだと思ってるんだけど」
静かにそう言い、読んでいる本のページをめくった。
*どうして羽セス?
姫、は英語でプリンセス。それのセスとタイトルの羽ばたきの羽をとっている。
-第六話「白き勇者」終-
第一章【大図書館】-終-