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ダーク・ファンタジー小説
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 片割れ夜月
- 日時: 2021/02/21 21:17
- 名前: 柊 (ID: 8nwOCftz)
びぃー、びぃー、
頭に響くこの音は、何だ? 僕は、重たいまぶたを勢いよく開いた。
ん....僕はとまどった。それはなぜか??
僕の隣に温かい何かがあったからだった。
僕は、恐る恐る布団を剥いだ。一人の女の子がうずくまって寝ていた。何だ何だ誰だこの子は?見覚えのない赤の他人がなぜいる? 疑問が押し寄せる波に飲まれそうになったとき、またびぃー、びぃー、と鳴り始めた。さっきの音の正体は、やはり携帯だ。彼女の手の中で光っている。少しためらってから、携帯をとった。今気付いたが、これはガラケーでメールが届いているようだ。ゆっくり開いて読んでみた。
”あなたに命令します。私の名前を見つけて。”
「どういうことだよ。」と思わず呟いた。
”ビックリするわね!いきなりしゃべって。”
液晶画面に言葉が現れると共に、彼女の目が開いた。 彼女は黙ったまま見つめている。こちらの様子を伺うように。【困ったことになったな】と心の中で深く思った。 わずかに、開いているカーテンから片割れた月が見えた。 不気味なぐらいに......
つづく
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