ダーク・ファンタジー小説
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- もう一回
- 日時: 2021/03/30 12:43
- 名前: AOI (ID: 4Z4ZmL8P)
ーーここはどこ?
豆電球に薄暗く照らされた部屋。数人の人の気配。
ーー気持ちが悪い
視線を感じ、直感的にそう思った。上半身を起こす。そこにいた者ーー10人くらいだろうーーは皆私を見つめていた。私のよく知る目。異質なものをみつめるアノ目。なにか変だったろうか。ふと自分の現状と見比べる。なにも変なものはない。
「ねえ、なに?」
我慢ができなくなり声をかける。返事はかえってこない。皆がスッと顔を背けるだけ。少し…ほんのちょっとだけムカッとしたがまあいい。慣れている。
薄暗い部屋を見渡す。かなり広い。部屋のすみにかかったクモの巣やたまったホコリ。不快になるほどではないが汚い。完全に起き上がって部屋の中を歩き回る。
Q.ここはどこだ?
A.分からない。
Q.私は誰だ?
A.相楽胡桃
Q.私はなぜここにいる?
A.分からない。
Q.あの人たちは誰?
A.恐らく……………中学の時の同級生。
そう、恐らく彼らは中学の時の同級生。仲が良かった子。よくちょっかいをかけてきた子。驚いた。意外と覚えているものなのだ。大人になって歪んだ見方しか出来なくなった私には意外なことだったのだ。
「くるみちゃん?くるみちゃんだよね?」
「ひな?」
井川陽那。可愛らしく小柄で明るい性格は昔から男女ともに人気があった。私のような陽キャの皮をかぶったオタクとは違う。そんな彼女は今も御健在のようだ。先程とはうってかわって明るく話しかけてくる。
「え!やだ~まじ!?めっちゃ久しぶりジャーンwww」
「ね!まってひなめっちゃ綺麗になってる~」
これも女性の性だろうか?思ってもないことがポンポンと口から飛び出す。しかし私達の明るい声で心なしか部屋の雰囲気が少し明るくなった気がした。