ダーク・ファンタジー小説
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- 転生聖女、魔王の娘になる
- 日時: 2021/05/04 16:21
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
※attention※
魅了、洗脳、流血表現、暴力表現、死亡などの要素を含んでおります。
誤字や脱字、表現のミスなども多数あります。
それでも許せる方は見て下さい。
【目次】
・プロローグ
「何度目かの人生」>>1
第1話「魔王の娘アルス」>>2
第2話「魔王軍四天王」>>3
第3話「魔王の娘、魔術に興味を持つ」>>4
【登場人物(名前と称号のみ)】(称号は時々変わっていきます)
・魔王side
『魔王の娘』アルス
『暴虐の魔王』クヴェル
〈魔王軍〉
『魅了の覇者』エルヴィス
『破壊の暴君』ロイ
『疾風の獣人』クルト
『生命の秘術』アエル
・勇者side
『歴代最弱の勇者』エド
- Re: 転生聖女、魔王の娘になる ( No.1 )
- 日時: 2021/04/28 18:19
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
-プロローグ 「何度目かの人生」-
「勇者様っ!来ます!」
「おらぁぁぁぁぁ!」
勇者が持っていた聖剣が、敵が着ている金属の鎧に突き刺さる。
金属が擦り減りボロボロの鎧になっているがとても手強い敵だった。
「ヒール!」
「聖女、助かる!おりゃぁぁぁ!」
聖女が回復魔法を掛ける。
引き続き諦めず攻撃をしている。
だが、敵から強力な攻撃が来た。
勇者に必死に攻撃が来た事を伝えたが、勇者は全く動かなかった。
「ぐはっ……何で……?」
「勇者の役に立てたんだ。光栄に思え雑魚。」
勇者が聖女を肉壁にして逃げたのだ。
魔王の目の前で。
目標がいるのにも関わらず逃げていった。
あの勇者は、勇者なんかじゃ無い。
ただの卑怯者だ。
どうせ、私はもう助からない。
そして、
気付いたら小さな赤ちゃんになっていた。
- Re: 転生聖女、魔王の娘になる ( No.2 )
- 日時: 2021/04/28 18:41
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
-第1話「魔王の娘アルス」-
私の名前は、桃瀬 華乃……だった者。
異世界に聖女として召喚されて来て、勇者と旅を共にして来た。
最期は勇者に裏切られて肉壁にされちゃったんだけどね。
でも、今は何故か自分が赤ちゃんで目の前に魔王がいる。
そして、魔王が言っていた言葉から察するに、私はあの魔王の娘なのだろう。
勇者に裏切られて死んで、魔王の娘になって。
私、波乱万丈な一生…?を送ってたなー。
ところで、魔王種は子供の時の成長が早いらしく、1日程で人間でいう3歳〜5歳児に成長するそうだ。
まぁ、折角魔王の娘に転生したんだし、魔王の娘として気ままに楽しい人生を送っていこうかなー。
前の世界でもロクな目に遭って来なかったし、前世は裏切られたし、今世くらいゆっくりしても罰は当たらないよね。
「アルスは良い子だなー。」
「ば〜ぶっ!」
流石にまだ喋れないか……。
でもどうやら私はアルスって名前らしい。
もしもまだ勇者が生きていてこの魔王の討伐を目標にしているのなら、復讐が出来たりしたら……なんてね。
- Re: 転生聖女、魔王の娘になる ( No.3 )
- 日時: 2021/04/29 15:03
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
-第2話「魔王軍四天王」-
数日後、まぁなんやかんやで5歳くらいの女児になりました。
魔王クヴェル...お父様?かな。まぁ、魔王種っていうのは何もしないだけで勝手に遺伝子を引き継ぐ子供が出来るらしいけど、原理的にやばいよね。
子孫繁栄だなー。
「アルス?食事だぞー?」
「はーい!」
まぁこの通り、元気に暮らしています。
後は1人、魔王軍四天王の1人である吸血鬼のエルヴィスを魔王城で見かけたんだけど、まぁ食事の時もいるから実質お母様みたいなものでお母様って呼んでるんだよねー。
でもやっぱり魔王に恋してる気しかしないんだよね。女の勘?っていうのかなー?
今日は魔王クヴェルことお父様と魔王軍四天王エルヴィスと共に魔王軍とかそこらの人に挨拶をしに行こう。という訳で。
「アルス、こっちが鬼人のロイだ。そしてこっちが人狼のクルト。」
「お初にお目に掛かります。姫様。俺の名はロイと申します。」
「魔王軍偵察部を率いておりますクルトと申します。姫様。」
いやいや、魔王の娘なだけで姫な訳では無いんですが......?
そんな畏まられてもアルスは小さい子なんで分からないんですがー?
「後は現在勇者の対処で忙しく来れなかったが大精霊のアエルもいる。それと、主に俺の世話をしてくれている吸血鬼のエルヴィスだな。」
エルヴィスって世話係だったんだね。
それよりも、鬼人に人狼に大精霊に吸血鬼と様々な種族がいますね。
それよりも勇者って言ってたけど、もしかしてあの卑怯者だったりするかな?
「お父様、勇者の名前は?」
「確か今はエドとかいう奴だったな。結構序盤の方で消耗してるし、この前偶然買い物先で会って戦いを挑んで来たけど聖女とかいうのを肉壁にして逃げて普通に生きているな。」
「最悪のクズ。」
「アルスは本当に何処でそんな言葉を......」
勇者エドはまだ現役らしいね。
てか、偶然だったんだアレ。
あの時はついにダンジョンの最深部に行って追い詰めたぞーってなってた筈だったんだけどね。
「主にアルスの世話はエルヴィス以外の四天王に任せる。俺は魔王の仕事などで忙しいから多分だがアルスの世話をする事はほぼ無いと言ってもいい。だから、四天王諸君に任せる。」
「「「御意」」」
しれっとエルヴィスも返事してた。
わー2人切りでラブラブじゃーん。とかいう戯言は置いておこう。
- Re: 転生聖女、魔王の娘になる ( No.4 )
- 日時: 2021/05/04 16:20
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
-第3話「魔王の娘、魔術に興味を持つ」-
まぁ、世話係って言われても何も世話して貰う事も無いんだよねー。
2度目?いや、転移する前を含めたら3度目?の人生、特に目標がある訳でも無いからさー。
勇者への復讐.....?いや、歴代最弱の勇者に復讐なんて幾らでも出来るわ!
じゃあこの世界で最強目指してみる?.....いや、お父様に勝つなんて無理無理。
それに魔王って何人かいる筈だし.....。
四天王使って贅沢生活?まぁ今も充分贅沢だしねー。
ま、てことでのんびり暮らそう!
「アルスお嬢様、魔王城を探検してみますか......?」
「クルト、行きたいのです!」
「それでは行きましょうか。」
人狼のクルト。獣人の一種であり、獣の感覚が備わっている。
疾風の様な素早さと獣の感覚で偵察を行う。だっけか。
聖女時代は何か作戦や秘密を話す時は結界を張る様にと命じられてたけど、エドが気配察知で見たけどいないから張らなくても大丈夫。って言ったから張ってなかったけど結果的に全部丸聞こえだったらしい。
「此方、図書館で御座います。お嬢様はこの世界での日も浅いですし、知識を蓄えたい時に立ち寄ると良いですよ。」
「ね.......」
てか、いつの間にかお嬢様呼びになったー。
姫よりはマシかな?
「魔導書、ある?」
「はい、御座いますがそれは......」
「魔術、覚えたいのです!」
残念ながら魔法はかなりの魔力量が無いと駄目なのだ。
魔力を確認したけど、多いのではあるが魔法までとはいかない量だった。
聖女時代の時も、周りに魔法を使えるのは私しかいなかった。
後は精霊が使ってたくらいかな。
てことは大精霊のアエルは使えるのかー。
少し俯いてこう告げた。
「残念ながら、魔王クヴェル様の指示で、魔術を習う事は禁止されております。」
「そう......。お父様は何処?」
「それも、お伝えする事は出来ません.......。」
お父様ぁ?何かと禁止事項ありすぎでは?
こうなったら直接講義して来ます!
でも、魔王城の構造も分からないから執務室までの道が分からない......。
とでも言うと思ったかボケェ!
最初はそうだったよ。でも聖女時代に気配察知だけは習得してたんだよ!
魔王の気配を辿ればおーけー!
「はぁっ.......!」
「お、お嬢様何を!?まさか.....気配察知!?まだこの世界に来たばかりなのに......」
「お父様、見つけたぁ!」
子供、全速力で走る。魔王城の廊下を走る。
廊下は走るな?魔王城はどうかは知らん!
まだ子供なら許される!
執務室を突き止めて、扉を勢い良く開ける。
「お父様!魔術!」
「あ、アルス.....?どうしてここに.....それに魔術って.....」
「お父様!魔術、覚えたいのです!」
「.......。アルスの事は俺が守るのだから、魔術なんていうものは知らなくても良いんだよ?」
「それでも魔術覚えたいのです!」
the・ゴリ押し。
だって魔術だよ?便利だよ?
覚えない訳無いじゃん.....!
「はぁ......。仕方無い。アルスがそう言うのなら許可しよう。だけど、魔術の勉強の時は必ず四天王誰か1人連れて行くんだよ?良い?」
「はーい!やったー!」
子供って最高だなー。
超英才教育やん。
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