ダーク・ファンタジー小説

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またねじゃなくて、さようなら。
日時: 2021/07/07 18:54
名前: ねむねむ  ◆ImDwVl1n2. (ID: HAhG.g1E)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13040

これは、悲しい物語。
昔、あるところに、優しい娘がいたの…………




ねむねむの5作目です。
今回は明るくありません。しっとりしてます。
自己紹介長すぎるとつまらないと思うので、さっそく本編へどうぞ。

<目次>
プロローグ    >>1
鬼の娘      >>2
不安と決心    >>3

Re: またねじゃなくて、さようなら。 ( No.1 )
日時: 2021/06/14 20:17
名前: ねむねむ  ◆ImDwVl1n2. (ID: HAhG.g1E)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13040

プロローグ

「おばあちゃんおばあちゃん、昔話を話してー!」
かわいらしい8歳くらいの女の子。私の愛しい孫娘。
「わかったわ。じゃあ、今日は悲しいお話をしましょう。
 昔、あるところに、優しい娘がいたの……」
孫も、もう8歳なのだ。そろそろ悲しい話をしてもいいだろう。私は、ゆっくりと話し始めた…………

Re: またねじゃなくて、さようなら。 ( No.2 )
日時: 2021/06/14 20:18
名前: ねむねむ  ◆ImDwVl1n2. (ID: HAhG.g1E)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13040

一話 鬼の娘

その子は、鬼の娘だった。家族と仲良く、森の中で暮らしていたの…………

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
今日は、私のお誕生日。お母さんとお父さんと一緒にケーキを食べるの。
私たち鬼は、森に住んでいる。でも生クリームとかはさすがに作れないから、お母さんたちが人間に変装して街に降りて行って買うの。なんで変装するかというと、鬼ってだけで殺されるから。
私たちは鬼の中で、最も神様に近い存在。だから、人間を食べたりは決してしない。でも、動物に近い鬼が人間を食べるせいで、鬼全体が人間を食べる生き物として認識されてしまっているの。
もちろん私たちは神様に近い存在だから、抵抗すれば人間に殺されることは絶対にない。けれど、私たちが「チカラ」を使ってしまえば、私たちを殺そうとした人間を殺すことになってしまう。
私たちを殺そうとしたとはいえ、同じ地球に生きる生き物だし、誰であっても殺したくないしケガさせたくない。だから私たちはもし人間に殺されそうになっても抵抗しない、と思う。だから変装するの。まぁ、いろいろな理由があるってこと。
お父さんはいつも狩りに出かける。その間に私とお母さんは料理とか編み物とか掃除とか、いろいろなことをするんだ。お父さんは、いつもなら狩りに出かけたら遅くに帰ってくる。でも今日は私の誕生日だから、早く帰ってきてくれるって約束してくれたの!
みんなでおしゃべりしながらご飯を食べて、ケーキを食べる。こんなに幸せなことってないでしょう?私、この日常が続けば他に何もいらないとさえ思うの。

Re: またねじゃなくて、さようなら。 ( No.3 )
日時: 2021/07/07 18:54
名前: ねむねむ  ◆ImDwVl1n2. (ID: HAhG.g1E)

二話 不安と決意

その日は、鬼のの誕生日だった。幸せな一日になるはずだった……

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
ケーキは手作り!お母さんと一緒に、頑張って作ったの。クリームをスポンジに塗るのがとても難しかった。見た目は少しだけ満足いかない感じになってしまったけど、おいしければいいよね!
あとはお父さんが帰ってくるのを待つだけ!楽しみだなぁ♪
「おかあさん、たのしみだね!」
って私が言うと、お母さんは頷いて優しく微笑んでくれた。
のどかで、平和で、かけがえのないこの瞬間とき
一生続いてほしい。いや、続くと思う。幸せを嚙み締めた。


そんな幸せな日になるはずだった。

でも、いつまでたっても、お父さんは帰ってこなかった。


午後6時になって、お母さんはチラチラとドアの方を何度も見た。
午後7時に、お母さんは瞳に不安の色を宿した。
午後8時に、何か迷っている表情を見せた。

午後9時。
お母さんは、何かを決心した様子で、私に言った。
「お母さん、ちょっと出かけてくるから、家で良い子に待っててね。」
私は、今日で9歳になったのだ。お父さんに何かがあったのだろうということは、簡単に予想ができた。そして、お母さんは今からお父さんを探しに行くのだろうということも。
私が必死に頼んでも、きっと連れて行ってはくれないだろう、ということも。
だから、私は勝手について行くことを決めた。
「わかった。」
とうなずいて、内心で謝りながら、ついて行く決心をする。


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