ダーク・ファンタジー小説

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廃墟の国のアリス2
日時: 2021/06/18 18:23
名前: ころん (ID: wxZ0SJGK)

エピローグ版です。
前回、バッドエンドだったので、別視点で書きます。(今回もバッドエンド?です)
今回は前回のやつでは分からなかった闇を紹介します。
ちなみに今回は短編です。

・陰元日向

1 プロローグ

「廃墟の国に行ったやつで脱出したやつはいるのか?」
「いません。この前送った令嬢も2日目で死亡しました。」
「そうか。」
俺は日向。国の中でも大事な役職についている。
この前送った令嬢とは愛里紗のことだ。
俺の元婚約者。
俺は前から彼女のことを知っていた。
昔は幼馴染だったのだ。
彼女は覚えていないみたいだが、俺はずっと愛里紗が好きだった。
だから彼女との婚約が決まった時、嬉しかった。
でも彼女は俺のことなんて覚えてないし、好きでもない。
だから、無理やりにでも好きにさせてやろうと思った。

彼女を壊すことで。


2 愛里紗の本当の姿

誰も知らない。
彼女の本当の正体を。
彼女と好き同士の執事のやつも知らないんだ。
俺と俺の父だけが知ってるんだ。
もうすぐで俺だけになるがな。
「お父様。お話が。」
「分かった。聞こう。」
なんだよ。偉そうにしやがって。
「お父様?俺、もうロボット治療の資格取りましたよ。」
「だからなんだ?」
「もうお父様はいらないってことですよ。」
俺は少し笑いながらそう言う。
そして自分の父に突進した。
鋭い刃物を持って。
そのあと父は目を覚まさなかった。

この会話で分かっただろうか。
俺は知ってる。
彼女が、愛里紗がロボットだということを。
彼女自身も自分がロボットだということを知らない。
昔、彼女が倒れたことがあった。
調べてみると、彼女がロボットだということはすぐに分かった。
彼女の両親は愛里紗が孤児だったから引き取ったらしい。
だから彼女は両親に愛されてなかった。
違うか、表面上は愛されていた。
でも裏では違った。
愛里紗に国からのメールとして試練を送ったのは俺と、彼女の父親だ。
俺が送った理由?それは単純さ。

彼女を壊したかったんだよ。

俺はロボット治療の資格を取った。
全て彼女の為だ。
彼女をいい感じに直せば俺のもんさ。
俺が愛里紗を直せばいいんだ。
初期設定に戻して、俺のことを覚えてる設定にするんだ。
そうすれば愛里紗は俺と結婚する。
自分の意思でだ。
面白い。だんだんと口が弧を描く。
愛里紗は俺のものだ。永遠に。



3 廃墟の国の閉鎖と結婚

廃墟の国を閉鎖するのは初めてだ。
もちろん、愛里紗を探しに行くために。
国の偉い奴らには、死体回収といった。
実際あまり間違いではない。
廃墟の国の閉鎖が完全に終わったあと、俺は一人で廃墟の国に入った。
思った通り臭かった。
愛里紗もここにきたのか。
しばらく歩き、鉄塔の下あたりに来ると、愛里紗と男の死体が見えた。
こいつか。結城というやつは。
クソが。そう思い、死体を蹴飛ばした。
その後、愛里紗を抱えて、車に乗った。
街に戻ってすぐに愛里紗の治療をした。
元から廃墟の国に来て数日後に愛里紗は壊れる設定にしておいたんだけど、まさか2日とはな。
「…」
「愛里紗。起きたのか。」
「はい。あの、私は寝てたんですか?」
「まあな。」
寝てたという表現はあながち間違いじゃない。
「あの、日向?」
「うん。そうだよ。」
「日向。お父様とお母様は?お兄様も。」
「覚えてるのか?」
「うん。」
そっか。初期設定に戻したあとに、俺のことを覚えている設定にしたのか。
なら覚えていて当然だ。
「なあ。愛里紗は俺のこと好きだよな?」
「うん。」
「じゃあ俺と結婚しよう。」
「うん。」
これで愛里紗は俺のもの。
他の奴には指一本触れさせない。

そのあと俺らは盛大な結婚式をあげた。
でも愛里紗は感情を失ったように笑顔ひとつ見せなかった。
ずっとなんの表情もしなかった。
「愛里紗。一緒に死のう。」
「うん。」
愛里紗は俺のいうことをなんでも聞く。
「じゃあおいで。」
「うん。」
屋上に登ると、低いフェンスがあった。
俺はそのフェンスと、狭い建物の壁との間に立った。
「こっちだよ。おいで。」
「うん。」
俺がおいでというと彼女も言う通りにした。
「じゃあせーので降りようね。」
「うん。」

「せーのっ!」
その掛け声で俺と愛里紗は空を飛んだ。





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