ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ケンジ殺人事件
- 日時: 2021/08/12 21:21
- 名前: 妻田 夢 (ID: V8df6PvY)
一章 刑事
ある朝、とある刑事が欠伸をした。その刑事の名は宇都宮慶太。捜査一課の刑事だ。彼は今日も現場に赴く。訪れた現場は、古びたアパートだった。蜘蛛の巣が所々に張っていそうなくらい古びているが、大家さんの手入れのおかげか、いくらか誤魔化せていた。殺害されたのは織田舞香。32歳で、仕事場から帰ってきたところを殺害されたらしい。心臓に一突き、ナイフで刺された跡があった。さて、今日も仕事だ。
二章 ケンジ
大田アパートに住むケンジは、仕事もなく家で一日中ゲームをしていた。そんな時、外からパトカーの音や、ガヤガヤとした声が聞こえてきた。
三章 犯人
犯人は何があったのかとパトカーの近くへと集まってきていた人々の中に紛れ込んだ。証拠は残していない。アリバイだってある。そのため、特に心配はいらなかった。そんな時、1人の男性が話しかけてきた。
「何かあったんでしょうか」
「さあ…私も気になって来たんですが…さっぱり分からず…」
「そうですか、ありがとうございます」
会話の中でボロを出さぬ様に気を使うことは案外楽であった。まあ、例えボロが出たといえ、犯行時刻にネット友達とオンラインゲームで遊んでいたというアリバイがあるからどうとでもなるだろう。LINEでビデオ通話もやっていた。
四章 ケンジ
2時間ほどした頃だろうか。ケンジのもとへ、刑事がやって来た。大きな体をした強面の刑事で、名前を宇都宮慶太といった。刑事はそうそうこう言った。
「織田ケンジさんですね。ちょっとお聞きしたいんですが。」
「はい、なんでしょう」
「今日の午前8時ごろ、何か不審な音や声を聞かなかったでしょうか。」
「いえ…ゲームに夢中でさっぱり…」
刑事は少し残念な顔をした。一日中ゲームをしているニートなのだから仕方あるまい。
「そうですか、ではその頃何をしていましたか?」
「そのころはさっきも言った通りゲームをしていました。それより何があったんですか?」
「そうですか、失礼しました」
「ちょっと…!何があったんですか?!」
刑事は聞こえぬふりをして、ドアを閉じた。
ケンジは少し寒気を覚えると、安物の白いジャンバーを羽織った。
五章 犯人
犯人は炭酸水を飲み干すと、カップラーメンを温めて食べ始めた。食べ終える頃には暑く、汗をかいていたため、着ていた雪の様な服を脱いだ。
そして、友人から届いたLINEを見て微笑んだ。
「今日ゲーム出来る?ケンジ」