ダーク・ファンタジー小説

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必要じゃない
日時: 2021/10/24 05:33
名前: こたりすら家 (ID: iHbdDjKI)

俺は…足手まとい…いらない…このメンバーからは…必要ないんだ。

そう考えるのは俺、坂田。

今日はライブの練習があったんやけど、俺ばっかり振り付け間違えるし、歌詞も間違える…
メンバーも腹を立てていた。そして言われた。

「なんでそんなことも間違えんの?」

彼からは軽い気持ちで言った言葉なのかもしれない。だが、俺は深く傷つき、部屋を飛び出した。


そして今いるのは俺が住んでいるマンションの屋上。風が強い。目がちゃんと開けれないほどに。
そして俺はフェンスを乗り越え、飛び降りる覚悟を決めていた。


そんな時に

「さかたっ!!」

後ろから聞こえた。聴き慣れた、優しく温かい声。俺は振り向いた。
そこにいたのは、うらた、志麻、センラ。

「なんやっ!」

「坂田っ!さっきはごめんっ!」
「飛び降りるきか?やめろよっ!」
「死んでも意味ないっ!」

みんな、俺を励ましている。だがもう遅い。俺は『死』を覚悟しているのだから。

「俺なんか必要ないんやろっ?いても足手まといになるだけっ!」
「違うよっ!」
「違くないっ!!!」

仲間の声を遮る。そして仲間の顔をちゃんと見て言うのだ。

「さようならっ!」

そう言って飛んだ。すると手に力が入り、ちぎれそうになった。

「だめっ!」

うらたが掴んでいた。

「はなせやっ!」
「いやだっ!」

志麻とセンラも来た。

「坂田、さっきのは冗談で言ったのっ!坂田はすごいのっ!お前みたいなやつ他にはいないっ!」
「そうやでっ!」
「死ぬなっ!」

うらたの後に志麻とセンラも話しかける。

「みんなっ…」
「お前は浦島坂田船に必要なやつっ!このメンバーは一人でも欠けたら浦島坂田船じゃないっ!お前は、
選ばれたのっ!」
「っ!」

選ばれた…その言葉に涙が出てくる。

「生きたいかっ!」

その質問をされ、心に刺さった嫌なものが取れた気がした。そして…

「生きたいっ!」

この言葉。俺は必要とされているんだ。だから生きなきゃだめって思った。
生きたいっ!というと、今まで以上に強い力で引かれた。
そして、落ちることは回避された。

「坂田っ…ごめんね…!」

そう言ってうらたに抱きしめられた。

「俺もっ…!死のうとしてごめんっ…!」
「いいよっ…死にたかったら言ってっ…?勝手に死ぬなっ…」
「うん」

志麻とセンラは優しく見守っている。

人間__必要とされていないものはいない。今、辛い思いをしている方。それは人生の『谷』です。
そこを抜け出せば輝かしい未来がある。どうか『死ぬ』を選択しないで。もう少し頑張ってみませんか?


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