ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

依存したい2人とアイドルと。
日時: 2021/11/30 23:31
名前: ジョン (ID: HfS/slXT)

某感染症の影響による休校を終えた6月。僕は改めて君を見た。坊主に近い短い髪、陸上部の時から未だに焼けている肌、ニキビの後がほんの少し見える顔。実に野性的だ。 そして何より、両腕から僅かに見える切り傷の跡。私は初めてリストカットをしている人の腕を見た。

分散登校を終えて迎えた高校生活1年目は、特に記憶にない。行事がほとんど無くなったのでつまらなかったことと、パソコンを全く使えなくて嫌な経験をしたことは覚えている。

一つ変わったことがあるならば、先程書いた彼と友人関係を築いた事だ。好奇心が引かれたのだろう。彼には申し訳ないが、中学校の友人に少しだけ情報提供をしてもらった。

彼がリストカットをしていたのは授業中らしい。先生に怒られ、辛くなると持っているカッターやシャーペンでリストカットをしていたそうだ。同じ中学校だったが、1度も同じクラスになったことは無かったので知らなかった。アニメが好きなようなので、会話の中で知らないアニメはその日のうちに調べて、会話のネタになりそうな内容を把握していた。

Re: 依存したい2人とアイドルと。 ( No.1 )
日時: 2021/11/30 23:37
名前: ジョン (ID: HfS/slXT)

接してみて驚いたのが、意外と普通の好青年だったことだ。特殊な人だと思っていたので内心がっかりした。とりあえずメールが出来るようにした。アニメにかなり詳しく、ついていけないところが難点だ。ロボット系が好きらしい。実に男の子らしいと思った。

けれどお互いに共通しているのは、2人とも釘宮病だということだ。 【⠀一応補足すると釘宮病とは我らの女神でおおれられる釘宮理恵嬢の演じた特定のキャラに過度な愛情を注ぐ同士達である。】 ちなみに私はL型だが、彼は S型だと言っていた。つまり正常なアニメ好きではなく、イタイオタクだった。

高校1年生を2人でなんとなく過ごしたあと、2年生になって彼が依存性の高い人物だと知った。「高校を卒業しても一緒に会話したい」と言われたり、「人生の中で初めて楽しいクリスマスを過ごせる。」とメールで送られてきた時は、返答に困った。話を合われるのに一生懸命で、顔で笑って心で怒ってばかりいた自分はただの偽善者なのだと悟った。


Re: 依存したい2人とアイドルと。 ( No.2 )
日時: 2021/11/30 23:33
名前: ジョン (ID: HfS/slXT)

2年生になって、福祉系の系列を選択した。社会福祉に関することや経鼻経管栄養の実技、ベッドメイキングなどを学んだ。特に興味深かったのは脳の病気や疾患だ。脳というのはかなり細かい名称が多く、各部位によって病名が幾つもある。けれど壊死したら再生出来ない大切な臓器だ。覚えるのは面倒だったが分かると面白い。

私はある時、彼に某有名作詞家がプロデュースするアイドルを勧められた。推しであるセンターの小柄な女性の良さを彼は熱弁していたが、自分にはとても可愛い様には見えなかった。

そもそも、私は現実の女性を好きになったことは1度もない。アニメのヒロインに惚れ過ぎたのか、理想が高いからだと思っている。顔が可愛いと思う子はたまに居るが、そうゆう子は大抵笑うと騒がしい。アニメのヒロインに教室に響く大声で下品に手を叩きながら薄汚い笑いを周囲に撒き散らかす輩は居ない。アニメを見る男性の目には決して映らないのだ。

Re: 依存したい2人とアイドルと。 ( No.3 )
日時: 2021/11/30 23:34
名前: ジョン (ID: HfS/slXT)

自分を基準に物事を判断する癖は、未だに抜けきれない。この癖は小学生の時から今でも変わらず私の言葉を狂わせる。

長男に生まれた子供は、自然と下の弟や妹を下に見ているような感情がどこかしらにあると私は思っている。特に歳が大きく離れていると、多少の口喧嘩や相手がどんなに怒っていてもいとも容易く遣り込めるので、余計に調子が良くなる。

ここまで聞くと、長男の自慢話だと思われる方も居るかもしれない。けれど、そんなに上手く人生を生きられるのならば、私は苦労しない。

親は「長男長女に下の子供たちの見本となる生活を送ってくれ」と、おっしゃるだろう。また、高校受験という人生の中でそれなりに大切なイベントにも、親というのは「長男長女が高校に受からないのは、下の子供に悪い影響を与える」と言われる方もある。個人的には、「人の振り見て我が振り直せ」という名言があるように、長男長女のだらしない姿を見て、「自分はこうなりたくないから頑張ろう」と下の子供は成長すると信じている。

Re: 依存したい2人とアイドルと。 ( No.4 )
日時: 2021/12/01 07:10
名前: ジョン (ID: HfS/slXT)

私の目に映る風景はとても退屈で死にたくなるものだ。小学生の時は何も無くても楽しめる無邪気な少年だった。

中学生になって、歴史の小説や色々な研究家の研究から分かった歴史の人物や出来事が、あまりに残酷で人の汚い部分が含まれることを知ってしまった。今思うと、読書をする本を間違えのだと思う。だから教科書の歴史の内容と異なる点があると「いやっ、その事実にはこんな事情があって…」と言いたくて仕方がなかった。

知っている物事について話し合う際、論破したい癖もこの時身についたものだ。人一倍プライドが高く自信家の私は、相手より少しだけ知識があるため、天狗状態になった。その為、友人が1人もいなかった事を鮮明に覚えている。

そんな私は、中学生の時に自分のことを真剣に考えてくれる教師に出会った。真面目だから、生徒に馬鹿にされていたけれど私は好きだった。提出物が苦手な私のことを何度も叱ってくれた。私の親は年の離れた弟の面倒を見るのに一生懸命だったから、親の代わりを先生が担っていた。








Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。