ダーク・ファンタジー小説

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巡る世界に幕を閉じよう
日時: 2021/12/05 21:43
名前: フシギ (ID: yYOy5xHl)

第0話 幕開け

…歌声が聞こえる。とても綺麗な歌声だ。でも、今のこの状況を考えると、
その光景は異常だった。空から落ちる、爆弾の数々。絶望に染まり、泣き叫ぶ人々。
まるで点と点を繋ぐかのように燃え広がる、真っ赤な炎。地面に転がる無数の死体。
そして、今まで築き上げた文明を握り潰すかのように破壊を続ける、機械の人々。
燃え尽きた家を這う、人型のナニか。

まさに、地獄だ。

???[お前の望みはなんだ?八神 修斗]

声が聞こえた。脳に直接。

八神[なんで、俺の名前を…?]

姿の見えないモノは、クククッと笑い、話し続ける。

???[さぁ、何故だろうな?だが、今はどうでもいいじゃないか。お前にいい話がある。もし…]

ーーー欲しい物が、手に入るとしたら?

その瞬間、俺は意識を手放した。なぜだろうか。自分が自分でないような。
世界はゆっくりと、複雑に絡み合った。

Re: 巡る世界に幕を閉じよう  ( No.1 )
日時: 2021/12/06 18:43
名前: フシギ (ID: yYOy5xHl)

第1話 崩壊都市

八神[…ここは…?]

目を覚ますと、周りに建物の残骸が散乱していた。そして、一つの違和感に気が付く。

ーーー記憶が無いのだ。

かろうじて思い出せるのは、自分の名前、ぐらいのものだった。

八神[…駄目だ。思い出せない…。仕方ない、辺りを見て回ろうか。]

マンションやショッピングモール、車や自転車、コンクリートや木。
色々なものが地面に落ちていた。空は雲がかかっていて、今にも雨が降りそうだった。

八神[おっ!リュックサックか。コート、毛布もある!…だが、お世辞にも綺麗とは言えないな…。]

近くに落ちていた使えそうな物をかき集め、全てリュックサックの中に入れた。
そして、何よりも一番ありがたかったのはーーーーーー

八神[これは…!食料!水なんかもある。流石にパンや牛乳は食べれそうにないな…。なになに…2021年1月1日。]

しかし、今が何年か、というのは調べられなかった。カビが生えていたし、まぁ食えないことは確かだろう。
ある程度の物を揃えると、ポツポツと、雨が降り出した。

八神[マジか。建物の中に入るか。]

近くにあったマンションの中に雨宿りできそうな場所を探す。
段々と雨は強くなっていく。

八神[ここなら、雨には濡れないだろう。にしても、これからどうすればいいんだ…?ん?あれは…。]

暗くてよく見えないが、人が倒れている。白髪でフードを被っている。それは、成人ではなく、
子どもだった。

八神[お〜い!大丈夫か〜!]


返事がなく、その場で雨に打たれている。そのまま放っておくことはできないので、
荷物を置いてダッシュで駆け寄る。

八神[おい、大丈夫か?]

近くに駆け寄ると、蚊の鳴くような声で、[水…。]
と言っていた。顔を見ると、とても顔立ちが良く、肌がぷにぷにしていた。
容姿から女の子だとわかった。取り敢えず、そこで止まっているわけにはいかないので、
少女を抱きかかえ、荷物が置いてある場所へ向かった。

ーーーー数分後ーーーー

???[ごちそうさま。]

水のついでに缶詰や飴なんかをあげると、俺の膝の上に乗り、眠ろうとしていた。

八神[…って、まて。なに人の膝で寝ようとしてるんだよ。]

少女は振り返り、目が合うと首をかしげ、まるで、何か悪い?と言っているようだった。

八神[まずは自己紹介だ。俺の名前は八神 修斗。おまえは?]

アルル[…アルル・イアガイア…だったような気がする。]

八神[だったようなって…まさか、記憶喪失か?]

アルル[そう、かも?]

驚いた、まさか同じように記憶がないだなんて。

八神[ところで…ーーー]

ーーーグガァァアァァアア!!!!!

突然、怪物のうめき声のようなものが聞こえてきた。
俺は衝動的に感じた。この感じはヤバイと。


Re: 巡る世界に幕を閉じよう ( No.2 )
日時: 2021/12/08 21:47
名前: フシギ (ID: yYOy5xHl)

第2話 ハイカイシティ


八神[…まいったな…。]

あのうめき声が聞こえ、咄嗟に物陰に隠れた。こちらには、まだ気付いていないようだ。

八神[大丈夫か?]

聞こえるか聞こえないかぐらいの声でアルルに問いかける。しかし、返事は帰ってこなかった。
雨は上がっており、視界は良くなっていた。クトゥルフばりの化け物が五体。人型で全身灰色、手や足は尖っている。
そのうちの一体がこちらに近づいてきている。俺は右手で拳を構える。そして……

ガゴッッッッ!!!

強烈な右ストレートを化物にかます。左手でアルルを反対方向へ突きだす。

八神[アルル!逃げろッッッ!!!]

しかし、アルルは逃げようとしない。頭を抱え、その場にうずくまる。しかし、ここで構っている暇はないので、
バッグから災害用の斧を取り出す。化け物はすぐそこまで迫ってきている。

グガァァァァアアアァ!!!!!

アルル[…ッッッ!…インパクト…ウイングッ!!]

アルルの前に緑色の魔法陣が展開された。目の前にいた化け物たちが吹き飛ぶ。更に、アルルは追い打ちをかける。

アルル[…ダークネスドラゴンッ!]

黒い魔法陣から黒い龍のようなものが現れ、化け物たちに向かい、口を大きく開け、次の瞬間、
化け物たちはその場に倒れていた。

アルル[…我の勝利だ。]

赤い目をしたアルルがそこには立っていた。


ーーーーーーーーーーーーー

ーーー???ーーー

???[…アステ。ハイカイシティに向かってくれ。そこに、能力の反応があった。]

アステ[了解。]

???[気をつけろ。あそこには…赤いムカデが居るからな。]

アステ[建物の中だろ?しかも病院だし。入ることはまず無いと思うが?]

???[言い切れる訳ではないだろう?わかっているだろうな…]

アステ[はいはい。音を立てちゃいけないんでしょ?大丈夫だから!]

???[では、頼むぞ。]

アステ[あぁ、了解。]


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