ダーク・ファンタジー小説
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- 【新】白と黒の魔法戦争
- 日時: 2021/12/10 20:50
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
知っていますか? ある預言者のお話。その人は、こんな預言をしたんだそうです。
”白き勇者、白と黒の戦に終わりを誘われん”
でも、預言者の言葉は信じられることがありませんでした。今、その預言を知るすべは、田舎にある書庫にある、埃をかぶった預言者の日記だけだそうですよ。
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☾主な登場人物
レイヴィー・フリーザメイズ‐この物語の主人公。白い髪に紫の瞳をもつ少女。
エマ・アフター・ハイ‐白の魔法騎士団団長。金髪で赤と青の瞳をもつ女性。
サーミリ・???‐黒の魔法騎士団団長。苗字、容姿共々不明。
ジェイラル・アヴェーランス‐この世界と、ラジャリスの世界を繋ぐ扉の管理人兼案内人。
作者の作品に度々登場している
☾注意事項
・流血表現、暴力表現、死ネタがあります。ハッピーな展開とは程遠いシーンもございます。
・作者が掛け持ち魔なため更新がかなり遅いかもしれませんが、暖かい目で見守っていただけると嬉しいです。
・この小説は作者が真面目に書く初めての小説です。下手くそなとこもあるかと思われますがよろしくお願いいたします。
・コメント(感想やアドバイス)頂けると凄く嬉しいです。お気軽にどうぞ。
・以前の白と黒の魔法戦争をリメイク? というか同じ内容だけどもっとこる感じになります。
☾目次
最新話 >>2
・プロローグ
【扉を開けて】 >>1 全一話
・第一章
【大図書館】 >>2->>
第一話 >>2
- Re: 【新】白と黒の魔法戦争 ( No.1 )
- 日時: 2021/12/10 19:54
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
プロローグ【扉を開けて】
昔々……っえ? 急に語りだしたお前は誰、ですか? そうですね、自己紹介も無しに、失礼しました。ごほん、私は、ジェイラル・アヴェーランス。これから説明するラジャリスの世界。それと、こちらの世界……あぁ、貴方方が今、これを読み、存在している世界を繋ぐ扉の管理人兼案内人です。以後、お見知りおきを。まぁ私の役目はここで説明し、皆様方をご案内し終わりですが。
え、早く説明を? あぁ、長々とお話してしまい申し訳ございません。生憎、喋りだすと止まらないもので。
さて、先程の話に戻りましょう。
昔々、ラジャリスの世界では、たくさんの魔物であふれていました。
魔物は、人のような姿をしたものから、化け物のように恐ろしい見た目の者もいます。魔物は人間を襲い、人間を食べたり、殺したり……。だんだんと、人間は減っていきました。
このままでは、人間は絶滅してしまう。そんな不安が飛び交うようになったあるとき、ある一国の王が、こう言った発言をしました。
「魔物に立ち向かう勇気を集めて、軍を作ってはどうだろう」
この提案には多くの賛成を集め、数年のときが過ぎたとき、ついに現実のものとなりました。結成された軍は、白の魔法騎士団と名付けられました。中には、魔物に含まれる部類の種族の者もいましたが、彼らは人間に協力する、ワイトと呼ばれる者でした。
しかし、やられっぱなしで黙っている魔物ではありません。魔物の国、ラックレースの王は魔物を集め、軍を結成しました。なお、白の魔法騎士団に対となるよう、黒の魔法騎士団と名付けられました。
それから、千年ほどの月日が流れました。今もなお、その戦いは続いています。
―――物語にはいつか終わりが訪れます。この戦いにも、いずれ。この戦いに、終止符をうつかもしれない少女が、白団の寮で生活しています。その生活を案内人のこの私、ジェイラルと覗いてみませんか?
……快い返事が聞けて、私は嬉しいです。
さぁ、世界と世界を繋ぐ扉は開かれた。それでは、よき旅を。ボンボヤージュ!
プロローグ【扉を開けて】‐終‐
- Re: 【新】白と黒の魔法戦争 ( No.2 )
- 日時: 2021/12/10 20:49
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
第一章【大図書館】‐第一話‐
リンゴーン……リンゴーン……
教会の鐘が鳴り響く。
朝の六時を知らせる、低い鐘の音。
猫耳としっぽを持った、メイド服を着ている眼鏡の女性が、白団の女子寮を、一部屋一部屋回り、団員を起こして回っていた。次で、最後の部屋だ。まだ団長のエマの部屋が残っているには残っているが、あっちには魔法騎士のアヴェーニャが向かっているはずである。
「皆さん、朝ですよっ! 起きてください!」
部屋の戸を開けて、おたまをフライパンに打ち付ける。こうでもしないと、この部屋にいる人達は起きない。
朱色の髪の女性が、眠そうにうっすらと目を開け体を起こす。起こしに来た女性の姿を見るや否や、げっという顔をすると苦笑する。
「あ、えーっと、おはようマイ」
「ライトさん、おはようございます。何やらかしたんですか?」
「ごまかせないよねぇ……これ……」
背中に隠していた羽をバッと広げる。
白団共通のパジャマにこの羽を通すための穴は空いていない。要するに破ったということだろう。
「またですか? なんなんですか?」
「ごめん! 本当にごめんって!」
「ほらもうこんな大きな穴開けてっ!」
「マイってお母さんみたいだよねぇ」
ニコニコと笑いながらベッドの上でその光景を見る女性がいた。
藤色の髪と瞳で、長い髪を乱雑にまとめている。髪の寝ぐせのつき方的に、恐らくそのまま寝たのであろう。目の下には、酷いクマがあった。
「あなたもですよアゲリーヴェッタさん? また寝なかったんですね?」
「あーもうアゲリって呼んでよ」
「おだまりなさい。ほらもう髪ほどいて! とかします!」
そう言いながらアゲリを鏡の前の椅子まで連れていき、櫛を手に取る。
眠そうなアゲリの髪をとかしていると、この部屋に住む残り二人うちの一人の少女……犬獣人のワイトであるメイヴェルが小声で何かを言った。
「エマ様……起きてください……マイさん来ちゃいましたよ……」
「……エマ様!?」
「マイうるさぁい……」
「なんでここに!? いやまぁ大体予想つきますけど」
エマは団員たちととても仲が良く、ほかの部屋に泊まることがある。
これはもうすぐアヴェーニャが飛び込んでくるだろう。
「マイ、エマ部屋におらへんのやけど!? っておるやん」
ほら、藍色の髪の巫女服の女性が飛び込んできた。
「いつものですよ……」
「ねぇマイ~、アヴェーニャ、朝ごはんなあに?」
「今日はあんたの好物やさかいはよ起きぃ。ていうか献立ぐらい把握せぇや」
そう言って軽くエマの頭にチョップを入れる。
好物、という言葉を聞いて嬉しそうにすると、エマは起き上がって着替えを始めた。
「さぁてとぉ……こんだけの大騒ぎでまだ起きないとは相当ですね……」
「レイヴィーまだ起きてへんの?」
「みんなでレイヴィー起こしましょ大会だー」
「おー!」
同室の三人が手をたたいてそう言うと、レイヴィーと呼ばれる少女のベッドに近づく。
白い髪の少女が、布団を鼻ぐらいまで被って寝ている。あれだけの大騒ぎの後でも、熟睡していた。
「レイヴィーさん、起きてください!」
レイヴィーの耳元でそう言うマイ。しっぽで鼻をくすぐるメイヴェルに、アゲリとライトで足の裏をくすぐった。全力起こし祭。これぐらいしないと起きないのである。
「……ん、なんですか……?」
目を開けると怪訝そうに薄目で睨み付けるレイヴィー。
「起床時間過ぎてます。起きてください」
「……分かりました」
そう言うと起き上がり、もたもたと着替えを始めた。
全員朝の支度をし始めたのを見て、アヴェーニャもマイも微笑んだ。
「洗濯物回収しに行きます?」
「そやね」
‐第一話終‐
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